のそのそ日記

イベント・展示会案内、その他つれづれ

AKINDO様式美

2017-01-23 19:46:00 | ノンジャンル
 すごく昔の話だけど、のんちゃんが車屋さんのショールーム受付に勤めていた頃聞いた話。

 本社のショールームだったので、地域とか地元のお客さんからの問い合わせじゃなくて、いろんな地方や海外からの問い合わせがあって、それが東京もんからみたらびっくりする案件が多かったそうなのね。
「自分は○○国で商売をしている者だがおたくの会社の車が砂漠を越えてきたのを見かけた。是非1台寄付して欲しい」とか(誰やあんた!?)「これから××国で起業を考えているので、日本から新車を○台寄付してほしい」とか(それは地元の政府にお願いしてね)とりあえず突撃してみよう!な連絡がちょいちょいあったとか。

 でものんちゃん的には、海外のそういう依頼は、それぞれの国の文化なんだろう(富裕層に社会活動の寄付を募る感覚で、株式会社にそういう依頼を出してしまう)からまだかまわない、でも関西からそういう電話が来るとめっちゃハラたつ~!と言ってたんだ。

 大体そういう電話は一見クレームみたいな感じで「あんたんとこの車、10台買ったら全部2年以内にぶっこわれたから弁償せい」みたいな話で、それは大変!車種と購入時期を教えてとデータを求めると「なんやあかんか」って舌打ちして電話切られるってタイプ。
 要はあわよくばタカろうって事よね!?とほとほと手を焼いていたら、会社のエラい人が「商売を言葉の闘いとして扱っている地域の人は、そういう方法で仕掛けてくることも普通にあるから負けるな怒るな」って。

 うちの家族はみんな関東育ちで、商売とは駆け引きっていう地域では「いいもの作れば高く売れる訳ではない。駆け引きで値を吊り上げて売るのが商売人、いいものでもうまく買いたたければ勝ち」っていう文化は知識としてしか知らなかったのだ。
(関西人がみんなそうってんじゃなくて、そういうのが得意な商売人が伝統的にいるってコトネ。)

 わりと東京の人って、駆け引きを嫌ったり不満があっても言わない、ただしその後は使わないって対応するタイプが多いような感じで、因縁つけて看破されたら「かまいまへんな~、今後もヨロシク」ってのが信じられないんだよね。

 でもそれから数十年たった今、若い世代はかなりの率で東京型の「最初の印象を大事にする」タイプが多いんじゃないかと思ってます。
 お互いの空気を読むツールが発達してしまったからねえ。

           katatsumuri           katatsumuri          katatsumuri

 急になんの話かっていうと、今日になって同人誌の企画本で「値下げしろってクレームをたくさん寄せられて困っている」って話題を複数見かけたもんで。
 苦情を受けているサイトを見たら、別に問題のあるような値段にも見えないし順当に本も出そうな気配なのにね。

 もしもこれがちょっと前の芸人さんのやらかした話を見て単純に気を大きくした人が、タカリ程度のつもりで陰湿な嫌がらせ行為を始めたんだとしたら、ほんとに情けない話だよ…。
 マジモンのナニワ商人の「安くせい」攻撃にはルールや様式美がちゃんとあるもんだよ、単発で欲しい本を出してくれるサークルに攻撃することが百害あって一利なしだとなんで判らんかね。
 面倒な手続きや作業を引き受けて、企画をたててくれたサークルさんは、多分この嫌がらせで次の企画をたてる可能性ががっくり減ったと思うよ。とんでもねえ話だ。

 作品も本も、道端から生えてくるものじゃないぞ!作る側が真摯に取り組んでいるのなら、買い手もちゃんとその尊厳を受けてくれい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする