昔、年長の創作友達が話してくれた幼い頃の話、
家を出てしまったお父さんを探しにお母さんが幼かったその人を連れて電車乗り継いで出かけたけど、訊ねた先の会社にはもうお父さんはいなかったそうで。
お昼を食べるお金もなくて空振りで、お母さんはとてもがっかりしたけれど、対応してくれたその会社の男性が「ちょっと待ってて」と外に出て行ったかと思ったら、菓子パンをたくさん買ってきて「お子さんと食べて」と渡してくれたそうな。
友達はそれがすごく嬉しかったので、帰り道おかあさんに「よかったね」「やさしいね」と話しかけ続けたんだけどお母さんは頷くだけで返事をしなくて、後になって泣いてたんだなと気がついたんだって。
年上の人なので、私にとってはその人はしっかりした頼りになる大人のイメージで、楽しい事厳しい事いろんな思い出があるけれど、付き合いが疎遠になって時間がたってからとても強く残っているのが、この思い出話の中の、お母さんに話しかけている子どものイメージなんでした。
優しくしてもらった事、それを受け止めたお母さんの事、けして幸せな状況ではなかったろうにその思い出を手放さなかった事が、私がその人を大好きだったポイントでした。
家を出てしまったお父さんを探しにお母さんが幼かったその人を連れて電車乗り継いで出かけたけど、訊ねた先の会社にはもうお父さんはいなかったそうで。
お昼を食べるお金もなくて空振りで、お母さんはとてもがっかりしたけれど、対応してくれたその会社の男性が「ちょっと待ってて」と外に出て行ったかと思ったら、菓子パンをたくさん買ってきて「お子さんと食べて」と渡してくれたそうな。
友達はそれがすごく嬉しかったので、帰り道おかあさんに「よかったね」「やさしいね」と話しかけ続けたんだけどお母さんは頷くだけで返事をしなくて、後になって泣いてたんだなと気がついたんだって。
年上の人なので、私にとってはその人はしっかりした頼りになる大人のイメージで、楽しい事厳しい事いろんな思い出があるけれど、付き合いが疎遠になって時間がたってからとても強く残っているのが、この思い出話の中の、お母さんに話しかけている子どものイメージなんでした。
優しくしてもらった事、それを受け止めたお母さんの事、けして幸せな状況ではなかったろうにその思い出を手放さなかった事が、私がその人を大好きだったポイントでした。