豪州帰りの「えりー」日記

メルボルンでの学生ワーホリ経験をシニカルに慎ましくご紹介。その経験を映像業界で活かしたり殺したりな趣味ブログ。

小説れびゅー的な④/恩田陸『ロミオとロミオは永遠に(上・下)

2020-05-10 11:11:00 | 小説れびゅー
遂に私のサッカー愛が爆発してしまいAmazonでサッカーボールを購入しました。5月は独りでもみんなでもボールを蹴ってはボールを追いかけ犬のようにボールに夢中になります。わんわん。

そろそろ出社したい。本当に社会人なのか自信が無くなってきた「えりー」です。こんな状況ですが給料はちゃんと振り込まれていました。

第4回は恩田陸『ロミオとロミオは永遠に(上・下)』になります。全700ページに渡る超絶SFでありながら強いメッセージ性を持つ個人的に大好きな作品です。大好きな作品をレビューするのはとても緊張しますね(知らんがな)





・なんという連中なんだ、ここはなんという世界なんだ。(上巻p.47より抜粋)
主人公のアキラは過酷な試験を突破し「大東京学園」への入学を果たす。そんな彼らの学園生活は実学中心の地上と娯楽に満ちた地下の二面性を持っていた。その世界でアキラは学園内で行方不明になった兄の足跡を探すために「新宿クラス」の生徒たちと繋がるが…。

・二十世紀。これが二十世紀なのだ。(下巻p.313より抜粋)
「成仏する」それはこの学園で囁かれる卒業に似た学園を去る方法。卒業への目的を失ったシゲルはアキラとキョウコと共に「成仏する」を密かに目指す。アキラは「新宿クラス」の生徒と共に脱出を図る。彼らは新地球注目の大東京オリンピックで何を起こすのか…。

・おススメポイント①
「圧倒的ボリュームのSF」
こういうの書ける人って普段何を考えているんでしょうね(※最高級の賛辞です)文字にされた世界を想像するという読書の1つの楽しみ方がとても合う作品です。何がとは言えませんが、東京に住み始めたお陰でこの作品がさらに楽しめました。

・おススメポイント
「20世紀へのノスタルジア」
ひとつの時代、私たちが産まれる前のバブル時代。「あの頃は良かった」そう言いたげなようにバブル時代の残滓が散りばめられています。娯楽は害悪だと言う世界観で存在感を示す懐かしの言葉たち(産まれる前ですが)が最初はちぐはぐな感じを与えるかもしれませんが、次第に確かなリスペクトを感じさせてくれます。

・おススメポイント③
「何故彼らは『成仏する』のか」
支配と制限、しかし将来は約束されている。そんな環境から抜け出して将来を自らの手で切り拓く。極めて暗示的ではありますが、そのような意思を感じました。何故彼らは約束された運命に抗うのか。彼らの意思を感じとってみて下さい!

魅力たっぷりのこの作品、正直言って浦沢直樹『20世紀少年』と肩を並べられる程の80's〜90'sリスペクトのSF作品なんですが、驚くほどに知名度が低い!(どうして?)みんな読んで!広めて!(懇願)

最後にもしこの作品を映像化(SF過ぎて不可能かも)するのであれば、エンディングにはローリングストーンズ『ドント・ストップ』を流したいですね(何となくそう思うんです)

それでは!ラブアンドピース!


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