① 拝啓、近所の自動販売機。
繁華街への道中に居るあなたはいつも私たちに「つめた~い」や「あたたか~い」飲み物を提供してくれていますね。スッキリ爽快な炭酸飲料から、穏やかな安心感を与えてくれるコーヒー飲料まで様々なニーズに応えるべくあなたは私たちを24時間いつも待ち構えていますね。
でも私、あなたのいくつかの商品の前に貼ってあるシールがどうしても気になるんです。そうです、その「感謝」って書いてあるシールです。きっとあなたは利用している私たちに向けての「感謝」を示しているんでしょうけど、「感謝」ってシール、何だか不自然な感じがするんです。
だってまだ何も買っちゃいないのに、急に「感謝」されても困るんですよね。
そしてその右上の缶コーヒーに貼ってある「さらに感謝」って何ですか?
「感謝」に段階があるんですか?と言うより、そのシールを見て進んで購入する人はいるんですか?
てか、そのシールのお陰で売り上げは上がったのですか?
そもそも「感謝」「さらに感謝」シールの有無の基準は何なんですか?
「感謝」シールと「さらに感謝」シールの缶コーヒーはどちらも100円です。割と普通です。そんなシールが目に入るたびあれこれ考えてしまい夜も眠れません。
② 拝啓、オフィスカジュアル。
先日届いた内々定者懇親会の案内に「服装:自由」とありました。もちろん記載されているこの「自由」とは黒のキャップを被り、蛍光色の派手なシャツを着て、短パンを履き、ナイキのサンダルで参加しても良い。という訳ではなく、TPOをわきまえた上での「自由」な服装という事です。要するに場に相応しい落ち着いた服装で来なさいという事ですよね。
でも落ち着いた服装なんて人それぞれですよね。普段からジャージな人からすれば落ち着いた服装は半袖半パンかもしれませんよね。だから一般的な落ち着いた服装の例としてオフィスカジュアルなんてものがあるんですよね。そうだと思うんです。
私はそのオフィスカジュアルな服装を買いに行きました。そして街に出てすぐ気づきました。
少し考えてみてください、そもそもオフィスで働いた経験の無い学生がそのオフィスにふさわしい服装をカジュアルにしたオフィスカジュアルを着ることって中々無茶な要求ではありませんか?
元々無いセンスを総動員して、ネットの情報を頼りにしながら私の思うオフィスカジュアルな服装を買いました。
試着してなかなか似合っていたので安心して夜は眠れそうです。
③ 拝啓、社会人になった同級生。
急に政治や経済関係のツイートするのはやめて下さい。
あなたはそういうキャラじゃないはず。
会っていない間に興味を持ったり、知る必要があったのかもしれませんがそれでも急に政治や経済関係のツイートをするのはやめて下さい。怖いです。
あなたのイメージはあの最後に会ったあの頃のままです。それをたった少しのツイートで壊さないで下さい。
どうしても政治や経済についてツイートしたくなったのならば、今すぐ新しいアカウントを作って、そういう関係のフォロワーたちと談義して下さい。どうかお願いします。
あなたが急に狂ったのではないか、何か辛いことがあったのではないか、どこか怪しい団体に騙されているのではないかと気になってあまり眠れません。
④ 拝啓、クレーマー。
3連休最終日、世間は海の日という事でたくさんの家族連れや旅行客の方々が私のアルバイト先であるコンビニエンスストアに来店してくださいました。治安が怪しい上に、観光地かつ繁華街にある私のアルバイト先はいつも非常に変わったお客様が来店されるので私は飽きのこない勤務時間を過ごしています。
そんな祝日、祝日であるのにシフトにはいつもの3人態勢から「祝日」だからパートさん欠員の2人態勢でした(勘弁して)
大方の予想通り上手く回るはずもなく、私の隠された「スキル:レジ2台打ち」を発動しなければならないほどの混雑でした。レジ2台を駆使して一度にお客様2名を裁く荒業です(普段は絶対にやりません)こんなスキルを駆使しなければならないほど仕事が回らず、店外のゴミ箱は我慢の限界でゴミを吐き出していました。
余談ですが、ゴミ箱が見るからにいっぱいなのにゴミを突っ込む人間って結構居るんですよ。また突っ込まないでゴミ箱の傍に置いていく人間も居られます。治安が怪しいところに生息していますので是非土日祝のゴミ箱に注目してみてください。なおトラブルに巻き込まれた場合の補償は一切致しませんので。
そんな愚痴に似た皮肉を言いながら私はすぐ列を形成するお客様を裁いていました。それはベルトコンベアから流れてくる荷物を選別するような機械的な動きで、しわしわのお財布から小銭をゆっくりと、それはそれは丁寧に選んでは置いていく年配の方が来る度に「スキル:レジ2台打ち」を無意識に披露するほどでした。
そんな気が狂いそうな午後を過ごした夕方、あなたは電話をくれましたね。
「はい、某コンビニエンスストア〇〇店です」
「あのね、私この辺の者なんですけどね。私の友達がそちらのコンビニ利用してね。それで伝言みたいなものを預かってまして。で、お電話させてもらったんですけどね。あの、店長さんか、それに近い方っていらっしゃる?」
「はい、ええと店長は不在でして。何かご連絡ございましたら、伝えておきますが」
「あらそう。あのね、店員さんの態度がね、あんまりよろしくなかったの」
「ああ、そうですか。すみません、それはどなたか覚えていらっしゃいますか?」
「えりーっていう店員ね」
「あ。それ私です。あの、申し訳ありませんでした」
「あ」
「あの、差し支えなければ何がよろしくなかったのか教えて頂けますか?」
「あ、あのね。全体的にね」
「全体的、ですか」
まあ確かに感情を殺して、とにかく目の前のお客を裁くことしか命令が与えられていないロボットのように接客していたので、その心のこもって無い接客(そもそもロボットなのだから心は無いぞ)に不快に思われたとしても当然です。が、その不快をわざわざ電話で連絡してくるとはこれは中々に暇なんだなと思いました。
不快だったので、私の名前を憶えて、そしてその不快を電話する。それはある意味では改善して欲しいという願いが込められているかもしれません。その点ではもう少し丁寧に接客してやろうとは思いました。
が、どう見てもキャパオーバーしている状況の店員に心のこもった接客なんて期待している方がおかしいと思うのです。そして私は祝日にも関わらず働いている身なのです(祝日手当なんてものは無いぞ)それだけでも褒められるべきなのです(偉いねぇ…)
というか、あなたの言う「全体的に良くなかった」って何ですか?
何1つ具体的な改善案が思い浮かばないんですが。しかしその日はあまりにも疲れていたのでよく眠れました。
⑤ 拝啓、読者の皆様。
今回は趣向を凝らしてこういった流れにしてみました。最近の私はこんなくだらないことが不思議で、奇妙で、納得できないのです。
でもこんなくだらないことが私にとっては大切な問題なのです。そしてあなたの思う大切な問題も私のように他人からすれば些細なことであったりするのです。
誰しもが(おそらく)自分にとっての大切な問題に疑問を抱きながら日々過ごしているのです。
ところであなたにとっての大切な問題は何ですか?
あ、これは聞くだけですからね!
それでは!
さらに敬具
繁華街への道中に居るあなたはいつも私たちに「つめた~い」や「あたたか~い」飲み物を提供してくれていますね。スッキリ爽快な炭酸飲料から、穏やかな安心感を与えてくれるコーヒー飲料まで様々なニーズに応えるべくあなたは私たちを24時間いつも待ち構えていますね。
でも私、あなたのいくつかの商品の前に貼ってあるシールがどうしても気になるんです。そうです、その「感謝」って書いてあるシールです。きっとあなたは利用している私たちに向けての「感謝」を示しているんでしょうけど、「感謝」ってシール、何だか不自然な感じがするんです。
だってまだ何も買っちゃいないのに、急に「感謝」されても困るんですよね。
そしてその右上の缶コーヒーに貼ってある「さらに感謝」って何ですか?
「感謝」に段階があるんですか?と言うより、そのシールを見て進んで購入する人はいるんですか?
てか、そのシールのお陰で売り上げは上がったのですか?
そもそも「感謝」「さらに感謝」シールの有無の基準は何なんですか?
「感謝」シールと「さらに感謝」シールの缶コーヒーはどちらも100円です。割と普通です。そんなシールが目に入るたびあれこれ考えてしまい夜も眠れません。
② 拝啓、オフィスカジュアル。
先日届いた内々定者懇親会の案内に「服装:自由」とありました。もちろん記載されているこの「自由」とは黒のキャップを被り、蛍光色の派手なシャツを着て、短パンを履き、ナイキのサンダルで参加しても良い。という訳ではなく、TPOをわきまえた上での「自由」な服装という事です。要するに場に相応しい落ち着いた服装で来なさいという事ですよね。
でも落ち着いた服装なんて人それぞれですよね。普段からジャージな人からすれば落ち着いた服装は半袖半パンかもしれませんよね。だから一般的な落ち着いた服装の例としてオフィスカジュアルなんてものがあるんですよね。そうだと思うんです。
私はそのオフィスカジュアルな服装を買いに行きました。そして街に出てすぐ気づきました。
少し考えてみてください、そもそもオフィスで働いた経験の無い学生がそのオフィスにふさわしい服装をカジュアルにしたオフィスカジュアルを着ることって中々無茶な要求ではありませんか?
元々無いセンスを総動員して、ネットの情報を頼りにしながら私の思うオフィスカジュアルな服装を買いました。
試着してなかなか似合っていたので安心して夜は眠れそうです。
③ 拝啓、社会人になった同級生。
急に政治や経済関係のツイートするのはやめて下さい。
あなたはそういうキャラじゃないはず。
会っていない間に興味を持ったり、知る必要があったのかもしれませんがそれでも急に政治や経済関係のツイートをするのはやめて下さい。怖いです。
あなたのイメージはあの最後に会ったあの頃のままです。それをたった少しのツイートで壊さないで下さい。
どうしても政治や経済についてツイートしたくなったのならば、今すぐ新しいアカウントを作って、そういう関係のフォロワーたちと談義して下さい。どうかお願いします。
あなたが急に狂ったのではないか、何か辛いことがあったのではないか、どこか怪しい団体に騙されているのではないかと気になってあまり眠れません。
④ 拝啓、クレーマー。
3連休最終日、世間は海の日という事でたくさんの家族連れや旅行客の方々が私のアルバイト先であるコンビニエンスストアに来店してくださいました。治安が怪しい上に、観光地かつ繁華街にある私のアルバイト先はいつも非常に変わったお客様が来店されるので私は飽きのこない勤務時間を過ごしています。
そんな祝日、祝日であるのにシフトにはいつもの3人態勢から「祝日」だからパートさん欠員の2人態勢でした(勘弁して)
大方の予想通り上手く回るはずもなく、私の隠された「スキル:レジ2台打ち」を発動しなければならないほどの混雑でした。レジ2台を駆使して一度にお客様2名を裁く荒業です(普段は絶対にやりません)こんなスキルを駆使しなければならないほど仕事が回らず、店外のゴミ箱は我慢の限界でゴミを吐き出していました。
余談ですが、ゴミ箱が見るからにいっぱいなのにゴミを突っ込む人間って結構居るんですよ。また突っ込まないでゴミ箱の傍に置いていく人間も居られます。治安が怪しいところに生息していますので是非土日祝のゴミ箱に注目してみてください。なおトラブルに巻き込まれた場合の補償は一切致しませんので。
そんな愚痴に似た皮肉を言いながら私はすぐ列を形成するお客様を裁いていました。それはベルトコンベアから流れてくる荷物を選別するような機械的な動きで、しわしわのお財布から小銭をゆっくりと、それはそれは丁寧に選んでは置いていく年配の方が来る度に「スキル:レジ2台打ち」を無意識に披露するほどでした。
そんな気が狂いそうな午後を過ごした夕方、あなたは電話をくれましたね。
「はい、某コンビニエンスストア〇〇店です」
「あのね、私この辺の者なんですけどね。私の友達がそちらのコンビニ利用してね。それで伝言みたいなものを預かってまして。で、お電話させてもらったんですけどね。あの、店長さんか、それに近い方っていらっしゃる?」
「はい、ええと店長は不在でして。何かご連絡ございましたら、伝えておきますが」
「あらそう。あのね、店員さんの態度がね、あんまりよろしくなかったの」
「ああ、そうですか。すみません、それはどなたか覚えていらっしゃいますか?」
「えりーっていう店員ね」
「あ。それ私です。あの、申し訳ありませんでした」
「あ」
「あの、差し支えなければ何がよろしくなかったのか教えて頂けますか?」
「あ、あのね。全体的にね」
「全体的、ですか」
まあ確かに感情を殺して、とにかく目の前のお客を裁くことしか命令が与えられていないロボットのように接客していたので、その心のこもって無い接客(そもそもロボットなのだから心は無いぞ)に不快に思われたとしても当然です。が、その不快をわざわざ電話で連絡してくるとはこれは中々に暇なんだなと思いました。
不快だったので、私の名前を憶えて、そしてその不快を電話する。それはある意味では改善して欲しいという願いが込められているかもしれません。その点ではもう少し丁寧に接客してやろうとは思いました。
が、どう見てもキャパオーバーしている状況の店員に心のこもった接客なんて期待している方がおかしいと思うのです。そして私は祝日にも関わらず働いている身なのです(祝日手当なんてものは無いぞ)それだけでも褒められるべきなのです(偉いねぇ…)
というか、あなたの言う「全体的に良くなかった」って何ですか?
何1つ具体的な改善案が思い浮かばないんですが。しかしその日はあまりにも疲れていたのでよく眠れました。
⑤ 拝啓、読者の皆様。
今回は趣向を凝らしてこういった流れにしてみました。最近の私はこんなくだらないことが不思議で、奇妙で、納得できないのです。
でもこんなくだらないことが私にとっては大切な問題なのです。そしてあなたの思う大切な問題も私のように他人からすれば些細なことであったりするのです。
誰しもが(おそらく)自分にとっての大切な問題に疑問を抱きながら日々過ごしているのです。
ところであなたにとっての大切な問題は何ですか?
あ、これは聞くだけですからね!
それでは!
さらに敬具