8月は夏らしい暑さで参っちゃいますね…。こんな刺すような熱気の中で昨年はサッカーをしていたんだから驚きです。感染予防も大切ですが、水分補給もお忘れなく!
さて今回は恩田陸『三月は深き紅の淵を』になります。これまで何冊か紹介させて頂きましたが、個人的には恩田陸の世界観が詰まった1冊がこの『三月は深き紅の淵を』だと感じています。この小説は四部に分かれており、それぞれが「三月は深き紅の淵を」という小説の1部分をなぞるようなストーリーになっております。ではそれぞれを簡単に紹介していきたいと思います。
① 待っている人々
普通の本好きな会社員が会長の屋敷に呼ばれて始まるとある1冊の本探し。会長と会長の友人に翻弄されながら主人公の鮫島巧一は屋敷に隠された秘密を解き明かすのか…?
② 出雲夜想曲
2人の編集者がとある1冊の本の過去を解き明かす為に出雲へ夜行列車で向かう。車中で語られるその1冊の過去を解き明かす鍵が出雲にある理由とは。
③ 虹と雲と鳥と
女子生徒が2人投身自殺した。何故彼女たちは死を選んだのか。2人と親しかった人々がその理由を求めていく。
④ 回転木馬
互い違いに展開されるストーリーの数々。まるでそれは回転木馬に乗っているかのよう。個人的に恩田陸ワールドそのものが詰まった短編。
とりわけ第④章では別作品と繋がっており、理瀬という少女は『麦の海に沈む果実』と『黄昏の百合の骨』、さらに章末に語られる『黒と茶の幻想』はそのままのタイトルで出版されています。
上記の小説も久し振りに読みたくなったので随時紹介出来ればと思います!
それでは!
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