豪州帰りの「えりー」日記

メルボルンでの学生ワーホリ経験をシニカルに慎ましくご紹介。その経験を映像業界で活かしたり殺したりな趣味ブログ。

小説れびゅー的な⑤/森見登美彦『夜は短かし歩けよ乙女』

2020-05-17 11:11:00 | 小説れびゅー
寒いです。雨が降りしきる日は大変冷え込み、冬服をダンボールにぶち込んで封をした私を困らせるのです。捨てようか捨てまいか迷っているニットを着てやり過ごしました。

さて今回は森見登美彦『夜は短かし歩けよ乙女』です。劇場版アニメーション化されるほどの名作です。そんな名作を語るのは戦々恐々ですが、有名人でも何でもないので好きにやらせて頂きます。


・「夜は短かし歩けよ乙女」(p.65より抜粋)
京都を舞台に典型的な自堕落な学生を送る「私」とその「私」が恋心を寄せている「彼女」の2人の目線からストーリーが展開するラブコメ的フィクション作品です。森見登美彦の独特な言い回しが小気味良く、2人の関係がどうなっていくのか目が離せません。

おススメポイント①
「京都が舞台」
京都の大学に通ってはいませんでしたが京都には何度も訪れたことがあり、作中で登場する先斗町や下鴨神社など知っている場所が登場するのは親近感が湧きます。フィクションなのにノンフィクションのような錯覚を覚えます。

おススメポイント②
「私と彼女」
同じ出来事を2人の目線から描くという展開で、そのために2人が出会うことがあればすれ違うこともあります。そうやって重なる「奇遇」はいつしか「運命」という甘美な響きを持って錯覚から実感へと変わっていくのです(ステキ!)

こういう充実したラブコメを読むと「こんなステキな出会い方をしたい!」乙女チックに目をキラキラさせてしまうものです。そして最近マッチングアプリで出会いを済ませてしまおうとする私に落胆するのです。そんな即物的な恋愛で良いのか?と頭を悩ませるべきなのでしょうが、これはこれそれはそれ、と最新のクーラー顔負けの速度で冷めてしまうのです

何度読んでも深い幸福感に包まれるこの『夜は短かし歩けよ乙女』、不思議で笑える京都のひと幕に酔いしれては如何でしょうか?

もう1度読みたい、そしてレビューとして広めたい小説がまだまだあるのは困ったことのようで大変幸せなものですね。全部出来るかどうかわかりませんが、出来るところまでやっていくつもりです!
それでは!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿