オリンピックに出るための資格(Quota Place)QPが獲得出来る大会、と話題にしてきましたが、今回は日本からQPが獲得出来るような国際大会に出るための手順・基準(海外派遣基準)について触れたいと思います。
なお、QPが獲得出来る大会は年毎に異なるので、2005年に行われた海外派遣について話題にします。2006年以降はその概要が発表されたら記事にしたいと思います。
海外派遣選手としてWorld Championships(WCH)などに参加するためには、選考会で一定の基準を超える成績を記録する必要があります。オリンピックのMinimum Qualification Scores(MQS)と同じようなものです。この基準点は、過去4年間の国際試合でファイナル(決勝)に6位進出した選手の得点を大会毎に平均したものだそうです。ファイナルに出られるのは6位までなので、この基準点はファイナルに進出出来る可能性のある得点、ということになります。各大会毎の基準点は以下の通りです。
EVENT | World Championships | World Cup | Continental Championships ASIA |
---|---|---|---|
Trap125(Men) | 120 | 117 | 112 |
DT150(Men) | 139 | 133 | 125 |
Skeet125(Men) | 121 | 120 | 117 |
Trap75(Women) | 68 | 66 | 57 |
DT120(Women) | 104 | 98 | 95 |
Skeet75(Women) | 68 | 67 | 60 |
基準点を見るとWorld Championshipsが一番高く、Continental Championships(アジアクレー選手権)が低くなっています。低くなっているといっても、Skeet125は1ラウンドあたり23点をかそれ以上でないとクリア出来ないという点数です。World Championshipsに至っては、最低満射1回とあとは全て24点を記録しないと基準を超えません。World Championshipsに派遣されるためには、AAAクラスの得点が必要ということです。
女子種目は若干レベルが低いですが、それでもWorld Championshipsに派遣されるためには23点平均を記録する必要があります。
2005年は4月と5月の2回にわたって選考会が開催されました。その結果、男子Trap125:7名、男子Skeet125:3名、女子Trap75:7名、女子Skeet75:1名が基準点を超えました。なんとWorld Championshipsの基準点を超えた選手もいます。また、アテネオリンピックで入賞した井上選手、竹葉選手は、その実績から選考会を免除されています。これらの選手の中から国際大会へ派遣されることになります。
2005年の場合はこれまでにWCH(Lonato)、WC(Changwon、Roma)の3大会に派遣されました。既にご存知のようにWC(Changwon)で井上選手がTrap75優勝、折原選手がSkeet125で5位に入るなど活躍を見せています。
2005年は更にあと1大会の派遣が予定されています。9月7日から開催されるアジアクレー選手権(Asian Clay Shooting Championships '05)です。QPが懸かっている大会ではありませんが(アジアの大会では2007年に懸かります)、国際大会で実績を残せば推薦等でQPが獲得出来る道もあります。参加される選手の皆さんは、自分の実力が出せるといいですね。
※謝辞
この記事を書くのに資料を提供して頂いた○○様(一応、実名は伏せます)、突然の申し出に快く応じて頂き大変感謝しております。射撃というスポーツが少しでも興味を持って貰えるように、(更新頻度は低いですが)情報発信していきたいと思います。