Team NoBird

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オリンピックへの道 その3「国内選抜 2005年度版」

2005-09-06 20:05:00 | クレー射撃

オリンピックに出るための資格(Quota Place)QPが獲得出来る大会、と話題にしてきましたが、今回は日本からQPが獲得出来るような国際大会に出るための手順・基準(海外派遣基準)について触れたいと思います。
なお、QPが獲得出来る大会は年毎に異なるので、2005年に行われた海外派遣について話題にします。2006年以降はその概要が発表されたら記事にしたいと思います。

海外派遣選手としてWorld Championships(WCH)などに参加するためには、選考会で一定の基準を超える成績を記録する必要があります。オリンピックのMinimum Qualification Scores(MQS)と同じようなものです。この基準点は、過去4年間の国際試合でファイナル(決勝)に6位進出した選手の得点を大会毎に平均したものだそうです。ファイナルに出られるのは6位までなので、この基準点はファイナルに進出出来る可能性のある得点、ということになります。各大会毎の基準点は以下の通りです。

EVENT World Championships World Cup Continental Championships
ASIA
Trap125(Men) 120 117 112
DT150(Men) 139 133 125
Skeet125(Men) 121 120 117
Trap75(Women) 68 66 57
DT120(Women) 104 98 95
Skeet75(Women) 68 67 60

基準点を見るとWorld Championshipsが一番高く、Continental Championships(アジアクレー選手権)が低くなっています。低くなっているといっても、Skeet125は1ラウンドあたり23点をかそれ以上でないとクリア出来ないという点数です。World Championshipsに至っては、最低満射1回とあとは全て24点を記録しないと基準を超えません。World Championshipsに派遣されるためには、AAAクラスの得点が必要ということです。
女子種目は若干レベルが低いですが、それでもWorld Championshipsに派遣されるためには23点平均を記録する必要があります。

2005年は4月と5月の2回にわたって選考会が開催されました。その結果、男子Trap125:7名、男子Skeet125:3名、女子Trap75:7名、女子Skeet75:1名が基準点を超えました。なんとWorld Championshipsの基準点を超えた選手もいます。また、アテネオリンピックで入賞した井上選手、竹葉選手は、その実績から選考会を免除されています。これらの選手の中から国際大会へ派遣されることになります。

2005年の場合はこれまでにWCH(Lonato)、WC(Changwon、Roma)の3大会に派遣されました。既にご存知のようにWC(Changwon)で井上選手がTrap75優勝、折原選手がSkeet125で5位に入るなど活躍を見せています。

2005年は更にあと1大会の派遣が予定されています。9月7日から開催されるアジアクレー選手権(Asian Clay Shooting Championships '05)です。QPが懸かっている大会ではありませんが(アジアの大会では2007年に懸かります)、国際大会で実績を残せば推薦等でQPが獲得出来る道もあります。参加される選手の皆さんは、自分の実力が出せるといいですね。

※謝辞

この記事を書くのに資料を提供して頂いた○○様(一応、実名は伏せます)、突然の申し出に快く応じて頂き大変感謝しております。射撃というスポーツが少しでも興味を持って貰えるように、(更新頻度は低いですが)情報発信していきたいと思います。