Team NoBird

射撃を中心に好きなことを綴ってゆきます

Asian Clay Shooting Championships 2005

2005-09-26 12:30:29 | クレー射撃

少々時期を逸していますが、Asian Clay Shooting Championshipsについて記事にしたいと思います。射場での(って最近全く行っていませんが)話題は既に全日本選手権や国体に移っているでしょうが。

Asian Clay Shooting Championships、所謂アジア大会での日本人選手の活躍は既に各所で報告や記事にされているので、皆さんご覧になっていることと思います。ご存知ない方は日本クレー射撃協会でご確認下さい。女子トラップ・井上恵選手と男子スキート・玉渕功選手の優勝など、QPが掛かっていなかったのが残念です(アジア大会にQPが掛かるのは2007年)。また、惜しくもメダルには届きませんでしたが女子スキート・伊波円選手(4位)など、今まで実績の無かった種目にも期待が持てることが分かった大会でした。参加された選手の皆さんは、お疲れ様でした。

とまぁ日本人選手が大活躍だったのですが、ちょっと別の視点から今回の大会を眺めて見ました。

●2005年海外派遣基準

前に記事にした2005年の海外派遣基準ですが、今回の大会の結果と比較してみたいと思います。

EVENT ファイナル進出
最低点数
海外派遣基準点
Trap125(Men) 113 112
DT150(Men) 131 125
Skeet125(Men) 119 117
Trap75(Women) 58 57
Skeet75(Women) 56 60

上の表は今回のファイナル進出の最低スコアと海外派遣基準点の比較です。概ね同じくらいのスコアとなっており、海外派遣基準=「ファイナルに残れる」という点数であることが、ほぼを証明出来ているようです。このような基準点は妥当なラインを設定するのが難しいのですが、今回の結果で設定された基準が現実と乖離していないことが分かりました。来年度の派遣選手の選考方法は未定ですが、このような基準は有用であるかもしれません。

●中華人民共和国の不参加

今回の大会にはざっと17カ国(数え間違っているかもしれません)ほど参加しています。しかし、東アジアの射撃大国である中華人民共和国(以下、中国)は参加していません(香港としては参加しています)。中国は北京オリンピック開催国なのでQP争いには関係ありません。しかし、射撃大国・中国との競争・比較がQP獲得・メダル獲得の目安にはなると思います。今回の日本人選手の成果は喜ばしいですが、中国が参加している大会での結果を見てみたい気もします。

参加各国選手の成績を参照したい方は、Skeet & Trap Shooting Association - Thailandへどうぞ。


東京都秋季大会を断念

2005-09-17 02:15:35 | ライフル射撃
ハンドライフルを始めるにあたって、参考にさせて頂いたサイトの方がブログを始めました。

あきゅらぼ

数少ない片手射撃の情報源です。

また、このブログからリンクに貼っているHRのお二方がAPを申請されました。私も触発されて頑張りたいところなのですが・・・。このところライフル(HR)ネタが無かったので、近況報告を兼ねて。

9月17日(土)~19日(祝)の3日間で、ライフル射撃の東京都秋季大会が行われます。APの申請に関する条件である「初段以上」は、東京都ライフル協会が開催する大会でないと獲得出来ません。ちなみに場所は由緒正しい朝霞射撃場で開催されます。なので、3月終わりにHRを取得した私も、秋季大会への参加を考えていました。

しかし、最近の状態を考えて参加を断念することにしました。理由は単純で練習不足なのです。特にHRはこのところ練習も全く出来なくなっており、自宅での挙銃練習も出来ておりません。今の生活環境からするとしょうがないのですが、このまま射撃を止めてしまわないように、気持ちを維持するために、たまにガンロッカーを開けて銃を見つめています。ASE90とLP-200、持ってる銃は良いんですけどねぇ…。

8月、9月はHRで参加出来る競技会が幾つかあったのですが、残念ながら今年は全部不参加となってしまいました。

今はどうやって時間を作り出すか思案中。

ぺんてる社 グラフギア500

2005-09-12 12:35:33 | 文房具

先日、文房具屋さんでついついシャープペンシルを購入しちゃいました。シャープペンシルはほとんど使用しないほうなのですが、それでも片手で余るほど持っています。今回記事にした「ぺんてる社グラフギア500」は、その最近購入した一本です。

画像には2本並べてみました。グラフギア500は奥のほうです。この2本は「ぱくり?」と思えるほどデザインが似ています。これらは何れも「製図用シャープペンシル」と呼ばれるのですが、この分野はどこのメーカー製であっても似通っています。機能を追及するとデザインは収斂してしまうのでしょうか。

ちなみに手前はSTAEDTLER社925 25です。いわゆるシルバーシリーズの一本です。一部の文房具マニアは、このシリーズについて「本国(STAEDTLER社の本拠地ドイツ)で作られたものではない」と付け加えます。確かに「925 xx」モデルは日本製です。でも、STAEDTLER社の規定に従った立派な製品だと思うんですけどね。

で、製図用シャープペンシルは幾つかの共通した特徴があります。

  • 低重心(ペン先側に重心が寄っている)設計
  • グリップ部分の滑り止め加工(多くのモデルはローレット加工)
  • 長さ4mmの先金パイプ
  • 筆記部分の周囲が確認しやすい細身のペン先

ローレット加工がどんなものかは、山田マシンツール株式会社を参照してください。

勿論、このグラフギア500もこれらの特徴を有しています。機能は必要十分です。他メーカーの上位モデルと比較して機能がないのは、

  • 芯送り出し量調節機能(1回のノックで出す芯の長さを調節)
  • クッション機能(筆圧に応じて芯がクッションのように引っ込む)

ぐらいでしょうか。価格は525円(税込み)です。100円ショップのシャープペンシルと比較すると高いですが、価格に見合う使い心地は提供されます。但し、軸(ABSかな?)にムラがあります。この辺の仕上げはいまひとつかも。また、ローレット加工は前述の925と比較すると、ざらつきは少なく強く握る方には良いかもしれません。

製図用シャープペンシルというと前述のSTAEDTLER社、Rotring社OHTO社などが日本では代表的です。これらの会社の製品についても別の機会に取り上げたいと思います。

※小ネタその1(でも、結構有名)

今では世界中で使用されているシャープペンシルですが、現在の金属製の機構を発明したのは「早川徳次」という日本人です(この発明まではセルロイド製だった)。この発明は日本・欧米でも特許を取得しました。この早川氏は電気機器・家電で有名な現在の「シャープ株式会社」の創業者です。ここで気付かれると思いますが、「シャープ」という社名はシャープペンシルから由来しているそうです。
この情報ソースは、シャープ社史です。

※小ネタその2(これは常識?)

なお、「シャープペンシル」という呼び方は日本(韓国もという噂も)くらいで、STAEDTLER社のInternationalサイトでは「Mechanical pencil」となっています。しかし、STAEDTLER-USA社のサイトでは「Automatic pencil」となっています。呼び方いろいろですが、日本人が一番馴染みがあるのはやっぱり「しゃーぺん」ですよね。「めかにかるぺんしる」なんて言う人は、ちょっと勘違いしているかも、って思ってしまいます。


オリンピックへの道 その3「国内選抜 2005年度版」

2005-09-06 20:05:00 | クレー射撃

オリンピックに出るための資格(Quota Place)QPが獲得出来る大会、と話題にしてきましたが、今回は日本からQPが獲得出来るような国際大会に出るための手順・基準(海外派遣基準)について触れたいと思います。
なお、QPが獲得出来る大会は年毎に異なるので、2005年に行われた海外派遣について話題にします。2006年以降はその概要が発表されたら記事にしたいと思います。

海外派遣選手としてWorld Championships(WCH)などに参加するためには、選考会で一定の基準を超える成績を記録する必要があります。オリンピックのMinimum Qualification Scores(MQS)と同じようなものです。この基準点は、過去4年間の国際試合でファイナル(決勝)に6位進出した選手の得点を大会毎に平均したものだそうです。ファイナルに出られるのは6位までなので、この基準点はファイナルに進出出来る可能性のある得点、ということになります。各大会毎の基準点は以下の通りです。

EVENT World Championships World Cup Continental Championships
ASIA
Trap125(Men) 120 117 112
DT150(Men) 139 133 125
Skeet125(Men) 121 120 117
Trap75(Women) 68 66 57
DT120(Women) 104 98 95
Skeet75(Women) 68 67 60

基準点を見るとWorld Championshipsが一番高く、Continental Championships(アジアクレー選手権)が低くなっています。低くなっているといっても、Skeet125は1ラウンドあたり23点をかそれ以上でないとクリア出来ないという点数です。World Championshipsに至っては、最低満射1回とあとは全て24点を記録しないと基準を超えません。World Championshipsに派遣されるためには、AAAクラスの得点が必要ということです。
女子種目は若干レベルが低いですが、それでもWorld Championshipsに派遣されるためには23点平均を記録する必要があります。

2005年は4月と5月の2回にわたって選考会が開催されました。その結果、男子Trap125:7名、男子Skeet125:3名、女子Trap75:7名、女子Skeet75:1名が基準点を超えました。なんとWorld Championshipsの基準点を超えた選手もいます。また、アテネオリンピックで入賞した井上選手、竹葉選手は、その実績から選考会を免除されています。これらの選手の中から国際大会へ派遣されることになります。

2005年の場合はこれまでにWCH(Lonato)、WC(Changwon、Roma)の3大会に派遣されました。既にご存知のようにWC(Changwon)で井上選手がTrap75優勝、折原選手がSkeet125で5位に入るなど活躍を見せています。

2005年は更にあと1大会の派遣が予定されています。9月7日から開催されるアジアクレー選手権(Asian Clay Shooting Championships '05)です。QPが懸かっている大会ではありませんが(アジアの大会では2007年に懸かります)、国際大会で実績を残せば推薦等でQPが獲得出来る道もあります。参加される選手の皆さんは、自分の実力が出せるといいですね。

※謝辞

この記事を書くのに資料を提供して頂いた○○様(一応、実名は伏せます)、突然の申し出に快く応じて頂き大変感謝しております。射撃というスポーツが少しでも興味を持って貰えるように、(更新頻度は低いですが)情報発信していきたいと思います。


オリンピックへの道 その2「Qualification Competition」

2005-09-02 10:02:57 | クレー射撃

『オリンピックへの道 その1』でQuota Place(QP)の獲得について話題にしました。今度はQPが獲得出来る大会(Qualification Competition)についてです。

QPが獲得出来る大会は大きく分けて3つあります。

●ISSF World Championships(WCH)
細かくは「All Event」と呼ばれるShotgun(クレー射撃)とRifle/Pistolが同時開催される大会と、「Separate」と呼ばれるShotgunのイベントだけ開催される大会があります。All Eventはオリンピック開催年の2年後に、Separateはオリンピック開催年とAll Event開催年の翌年に開催されます。結果的にShotgunはオリンピック開催年を除いて毎年1回開催されます。

●ISSF World Cup(WC)
毎年開催され、年に4回行われます。北京オリンピックに向けては、WCの優勝者にはQPが与えられます。ちなみにWorld Cup Final(WCF)は、このWCの成績をポイント化し、上位選手が集まって競技する大会です。

●Continental Championships
AFRICA、AMERICA、ASIA、EURPE、OCEANIAの各エリアで開催されます。開催のタイミングはそれぞれ異なります。ASIAのShotgunの場合はAsian Continental Championships(ASC)が毎年開催されています。但し、QPがかかるのはオリンピック開催年の前年だけのようです(北京オリンピックの場合)。
ちなみにASIAのRifle/PistolのASCは、オリンピック開催年の前年に行われているようです。また、QPはかかっていませんがASCの他にもAsian Games(ASG)という大会もあり、こちらは4年毎にWCHが開催される年に行われています。

これらの大会の優勝者や上位選手にQPが与えられます。与えられるQPの数は大会によって異なります。例えばWCはイベント毎に1つです。WCHはイベントによって2~5つとなっています。北京オリンピックに関しては、各大会で与えられるQP数は既に確定しています。それは以下の表をご覧下さい。

 
Competition Trap125 DT150 Skeet125 Trap75 Skeet75
WCH 2005
Separate
1 1 1 1 1
WCH 2006 3 2 3 2 2
WCH 2007
Separate
1 1 1 1 1
WC 2005 4 0 4 0 0
WC 2006 4 4 4 4 4
WC 2007 4 4 4 4 4
Continental Champs
2007 Europe
4 1 5 1 1
Continental Champs
2007 America
3 1 3 1 1
Continental Champs
2007 Asia
3 1 3 1 1
Continental Champs
2007 Africa
1 1 1 1 1
Continental Champs
2007 Oceania
2 1 2 1 1
Host Nation 1 0 1 1 1
Total 31 17 32 18 18

女子トラップの井上恵選手はISSF World Cup Changwon 2005で優勝しましたが、WC女子トラップの場合は、今年の大会にはQPがついていません。残念ですが、来年以降に期待したいですね。いずれにせよオリンピックに出場するということは、各国の代表になりこれらの大会に出場し優勝するという、大変高いハードルであることは間違いありません。

※ 上記は2005年版のISSFによる規定(Special Regulations for the Participation in the Shooting Sport Events of the Olympic Games, Edition 2005)、及びISSF ORGから抜粋・要約したものです。英語の資料なので解釈が誤っている箇所もあるかもしれません。