ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

鮫川村の水源と貴重な自然、本当に失ってもいいのでしょうか?

2013-06-25 21:02:46 | 資料

一月ほど前図書館で偶然発見した貴重な資料に思わず飛びついた。

「里山の自然とくらし 福島県鮫川村」

東京農業大学出版会1680円 

 

平成12年から16年にかけて、田んぼ(谷戸田)を中心に行った調査をまとめたもの。①鮫川村の自然や里山、生きものなど様々な構成要素、②人々のくらしと文化、③谷戸田農業の工夫と可能性、④村人との交流と暮らし実体験 を紹介する大変興味深い資料となっています。

目を見張ったのが、その水源涵養量の大きさ。P9「鮫川村は鮫川水系、阿武隈水系、久慈川水系の3河川の源流にあります。~3河川の源流の村である鮫川村は、~合計38市町村の大地を潤し、計176万人(H12)の人々に水を供給する村と見ることができます。」

 (クリックすると拡大します)

地図をご覧ください。鮫川村を起点とする阿武隈川は、北は宮城県岩沼町、柴田町まで、南は東海村まで潤しているのです。

これはきっと地元の人達も殆どはご存知ないのではないかしら。私も13年間この地に住んできて初めて知りました。

本来こういうことは環境省が調べて建設不適地として外さなければならないはず。

水源だけじゃない、鮫川村は貴重な生きものの宝庫。

      

レッドデータに記載された絶滅に瀕した生きものたちが生息する最後の砦なのです。生きものは水辺に集まるんですね。そして、それらを利用する捕食者(哺乳類、鳥類)も集まり、多様な生態系を形成する。環境アセスメントを実施すればこの場所には建設できない可能性がある、だから焼却炉の処理能力を199kg/hとし、廃棄物処理法の適用を受けないようにしたわけです。

希少生物の絶滅に加担する環境省とは?


ヤマネがレッドデータから外されたのは記憶に新しい。でも、それだけに留まらないんです。今度は何とオオタカ。公共事業のブレーキ役となってきたオオタカが、核のゴミの最終処分場建設の邪魔で仕方がないらしい。だから外すんです。 そうでしょう、環境省さん?

 

オオタカが外されようとしているのはレッドデータではなく「種の保存法」。ワシントン条約の国内法だからずっと格上なんですね。今、この法案についてパブリックコメントを募集しています。生態系の頂点であるオオタカを守ることは、すべての生きものを環境ごと守ることと同義です。ぜひ多くの反対の声を送って下さい。難しいことは書かなくてもいいんです。国民として、大切なオオタカを守りたい。指定解除に反対する。それだけでもいいので、ぜひご協力をお願いします。

オオタカの国内希少野生動植物種(種の保存法)からの指定解除の検討に関する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)
「意見募集中」
 (7月2日締切)

 

 


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