ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

鮫川村焼却炉 議員視察 環境省の新たな排除策

2014-11-07 22:18:12 | 議員視察

11月7日(金)晴れ 強風

 

午前11時、焼却炉ゲート前。

筆者(w)「飯舘村の仮設焼却炉には村議は自由に入れるのに、なぜここでは議会事務局からの申請が必要なんですか?」

環境省「(千葉県議会事務局からは出されたが)飯舘村の議会事務局からは申請がありませんでした」

w「だからなぜ飯舘村では必要ないものを鮫川村では必要なのかっていうことを聞いているんです」

(飯舘村議、同伴者、一斉に抗議。警察官がさりげなく前に出る)

環境省「質問があったら環境省コールセンターへどうぞ」

w「村議に向かってコールセンターへかけろというのはどういうつもりですか?どういう権限でそういうことを言うのか、あまりに馬鹿にしているのではないですか?」

(環境省、無視して千葉県の議員3名のみを中に入れ、ゲートを閉める)


 

この日、千葉県から県議、市議さん計3名を含む5名と飯舘村の村議さん1名が鮫川村を含むいくつかの仮設焼却炉の視察に見え、私たち地元住民がご案内することになりました。

経緯は、ふくしま連絡会で9月に行った仮設焼却炉の縦断ツアーに参加された木更津市議さんの報告を聞いた千葉県議さんらが視察を希望され、9月に来られなかった飯舘村議さんもお誘いすることになったものです。

ちなみに飯舘村で稼働中の仮設焼却炉は同村議さんのご案内で中に入り、作業員から話を聞くことができたものです。その際の報告はこちらのブログで。

飯舘村では村議さんはいつ行っても顔パスで中に入れるのに、この日鮫川村では上記のやりとりの末、入ることはできませんでした。私たち住民については、これまで試験焼却の一般公開以外完全にシャットアウトです。しかも事前の通知では「随行者は車中で待機するように」などと書かれていました。環境省にそこまで指示する権限がどこにあるのでしょう。

そしていつもゲートにいる温厚な警備員に代わって屈強な警察官が立ちはだかっていました。言うまでもなく、議員さんのみであれば警察官が呼ばれることはないでしょう。

 

今回飯舘村議さんが入れなかったのは、環境省が新たに鮫川村について以下のルールを作ったためであり、千葉県議会事務局との連絡ミスからこの手続がなされなかったためです。

議員の視察は議会事務局を通して書面で申請すること。

千葉県議会事務局からの申請書には、飯舘村議さんの氏名を入れていただいていたにも関わらず、飯舘村議会事務局からも申請が必要だとの一点張りなのです。

申請した視察先は鮫川村、広野町、フクシマエコテック(最終処分場)の3か所でした。これに対し以下通知がありました。


<環境省から千葉県議への連絡事項>

1)直接施設に行ってください。

2)仮設減容化施設は、公務としての視察は可能であるが、一般への公開は行っていないため、随行者は車中待機でお願いしたい。

3)作業現場のため、安全を考慮し、運動靴(長靴)をご持参ください。また、制限エリアがあり、全てご覧いただけるわけではないことをご了承願いたい。

4)鮫川村施設と、広野町施設間は、車で1時間半~2時間程度。

5)<(株)フクシマエコテック>佐々木社長から直接電話が有り、国から特定廃棄物の受け入れの申し入れがあるが、まだ受け入れを決定したわけではなく、現在、国が地元の理解を得るため働きかけをしている状況である。

部外者へ施設を公開する行為は、周囲に誤解を与えかねないため、今回は、視察の受け入れはできない。

(太字は筆者)


 

今回窓口となった千葉県議会事務局、および飯舘村議会事務局、村議さんと私たちとの間の連絡ミスについては、両議会事務局に詳細を確認した上で改めてご報告します。

 

鮫川村焼却炉への立ち入りは、これまでのところ議員とメディア、焼却炉監視委員会に限られてきました。

メディアについては、大手・フリーの別なく環境省に申請すればわざわざ霞が関から説明に来るほどの丁寧な対応ぶりです。

議員については、いわき市議会の貸し切りバスでの視察を始め、1人で来る人もいればさまざまです。以前、数名で来られた福島県内の議員さんをご案内したところ、事前アポなしには入れなかったことがありましたが、議会事務局を通すように言われたことはありません。

冒頭に書いたように、飯舘村では一切の手続なしで入れるのです。この違いを説明することもなく、また議会事務局を通さなければならない理由の説明もなく、今回、不当な排除が行われたと私たちは捉えています。

 

議員が視察する中、焼却炉では5万4千㏃/kg超の稲わらなどが燃やされました。

(つづく)