ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

鮫川村焼却量の訂正について環境省とのやりとり

2013-08-01 21:20:55 | 活動記録

焼却物の大幅減少に伴い、速やかに見積り訂正を求めたことに対する村の回答を受け、事業主体である環境省に質問しました。

環境省は、こちらの主張通り焼却物の減少に伴い見込み量の見直しが必要としながら、それを直ちに公表することはできないなどとし、過大見積りを訂正しないまま本稼働を進める意向を示しました。

◆環境省とのやりとり(730日)

730日付鮫川村からの公開質問書への回答より)

青字:環境省廃棄物対策課リサイクル対策部)福島課長補佐

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「重量の計測データが必要」の意味が分からないのですが。

廃棄物施設に置かれている重量計で重量を測らなければ正確な量は分からないということです。

計画とは関係ないでしょう。事業仕様書のことですよ。600トンという数字を計算ではじき出して予算を組んでいるわけでしょう。

おっしゃるとおりです。

計画では当初170戸が除染対象世帯で計342トン、1戸あたり2トンですね。今66戸に減ったわけだから、見積りの下方修正が必要でしょう。

おっしゃるとおりで発生量自体は除染作業で出てくるものをその都度把握することになり、減った分は勘案して処理の見直しをしなければならないと思います。

それは事業が始まる前にやらないと。

調査は今やっているところで、見込み量と実際の牧草などは大きさなどにばらつきがあるので実際に保管現場で重量測定をして量を掛け直す作業が必要です。

今、日立造船が一つずつ測っているのですか?

なかなかすべて測るわけにいかないので、一つ測って個数を掛けるなどしています。

牧草は50トンしかないんですよ。総量も600トンじゃない。村から聞いているでしょう。

再見直ししたのは反映していません。

だから反映して下さいよ。

調査は今やっています。

これは計算上の話であって、今あるものはそんなにないわけです。稲わら、堆肥、落ち葉、あわせても少ししかない、残りの大半は除染でこれから出てくるものです。

1戸あたり2トンで66132トン、計算で出せるでしょう。除染同意したのが66戸になったんですよ。

はいはいそうですね。

当初の計画から激減しているのですよ。除染対象物は132トンしかない。これは計算上出すもので、除染に応じて把握すると言う話ではない。

見込みとしてということですね。

そうですよ計算で予算を組んでいるわけで見積りの下方修正をして、焼却期間の短縮を図るのが当然でしょう。

清算という意味では燃やした分だけの清算なので最終的に支払うのは焼却期間のみということになりますね。

だから600トン20か月としているものを修正して公表して下さいと言っているんです。

それは必要に応じてやります。

いま必要なんです。事業が始まる前に。私達は反対しているんですよ、1月でも短縮してもらわないと困るんですよ。

要するに焼却期間を短縮するということですね。

当然ですよ迷惑施設なんだから。600じゃない、150トンは希望の牧場に渡している、去年の段階で。それは村長もあちこちの場で言っているし…

はいはい。

村に確認して下さい、450トンなんだから20か月じゃないでしょう。さらに除染対象世帯が170戸で計算していたものが66戸に減ったんだからそれを計算し直して出し直すのが筋でしょう。

見込み量ってことですね。

未だに600トン20か月なんて言って進めることは契約違反ですよ。

もちろん実際の量は持ち込んで重量を測って処理するわけで、その量しかお支払しないですよね。持ち込んだ量によって早く終わればもちろんその時点で終わりになります。

こちらで見積りし直したものをfaxしますからそれを確認して公表して下さい。

おっしゃるところの廃棄物が減りましたというのはその通りだと思います。ただ廃棄物の量というのは実際やってみないと出てくる量は変わってくると…

12トンて言ったら相当多く見積もっているでしょう。相当多いですよ。

それで仮に減ったという話になりますよね、それだけでなく牧草であれば比重は異なるわけで、ラッピングしているものですと、雨の日にラップしたものは重くなるのでばらつきがある。だから再精査をさせて頂いているわけでして、必要に応じて公表します。

見積りの段階で仕様書が600トンで予算を組んでいるわけだから減ったものをマイナスして見積りを修正して公表するのは絶対必要ですよ。

分かりました、はい。

私の計算を送りますから直ちにそれを確認の上HP等で公表して下さい。

いやそれはできません。

何故ですか。

精査をしているので発生量…

うそをついたまま事業を進めると見なしますよ。

あのー村の方からも回答があったとおもいますが正確な量は…結果において…結果が出てから

結果は別に出せばいいでしょう。見積りは変わっているので出し直して下さいと言っています。それが透明性を確保したやり方でしょう。情報公開していると言っているのだからそうすべきでしょう。そちらの都合のいいことばかり出して、こちらの求めていること一切出していないでしょう。

ご指摘頂いているところは受け止めさせて頂きます。

隠蔽しているならマスコミで公表しますよ。計算式送りますから確認して、間違っていないから。

送られてきてこちらでも再精査していますので。

重量の話ではない、見積りの訂正をして下さいと言っている。仕様書の話です。

(略)

都合悪いからでしょ。焼却を短縮されると都合悪いんでしょう。

いやそういうことでは…

73千万円支払ったから。

まだ支払っていません。出来高に応じて支払いますので。1年毎の契約で…

だったら不都合ないじゃないですか。適正な見積もりにしてそれに応じて処理していけば。

(略)

いつやるのか、事業が始まる前にやりますか。

もちろん計画量自体見直しますよ。持ち込んだ量を測るんで、そこは努力します。

努力しなくてもできるでしょうこのくらい。私の計算では7か月未満で終わるんですよ。

村も言っていますよ。廃棄物は減っていると。村も困っていますよ、焼却灰の処分場が決まっていないから怯えていましたよ。

村は最終処分場にはしませんので。

そう言いながら約束すぐ破りますから国は、信用していませんから一切。

信用は取り戻していくしかないです。

無理ですよ。信用という言葉を口にすること自体おこがましいですよ。やめて下さい。

見込み量の精査が終わり次第公表させて頂きます。

 

 


青生野地区でヒアリング調査

2013-02-28 16:32:35 | 活動記録
2月18日(月)~22日(金)曇り、雪

23日(土)青生野地区密室集会の報を受け、急きょ住民の方からヒアリングを行うことにしました。密室の中で半強制的に賛同を集める暴挙に出る可能性も十分予想され、相手側も必死に根回ししている様子が伝えられています。こちらも負けていられません。

建設地周辺の18軒の地権者のうち同意を撤回したとされる9軒から聞き込み開始。凍てつく氷点下、凍えそうになりながら各戸を訪問。

●地権者Aさん
「国で何の害もない、大丈夫だというので一度は賛成したが、詳しい説明はなかった。99.9%安全だというから同意したのに。同意書のコピーはもらっていない。中身もよく読んでいないし覚えていない。ただ言われるまま名前を書いて押印しただけ。事前にハンコを持ってくるように言われた。」

●地権者Bさん
「反対派のチラシに『1キロ以内に放射能が飛ぶ』と書いてあるのを見て考えが変わった。これでは話が違う。」

●地権者Cさん
「やってみないと分からない。少しでも放射能が漏れたら止めると言っている。」

●地権者Dさん
「以前も**さん(推進派の中心人物)らがゴミ処分場の話を持ってきたことがあり、その時反対したから、今回もまた反対するのも悪いと思って同意した。それがこんな騒ぎになって…。バカにしているのか?私らを巻き込んでって思うよ。
**さんが今回話を持ってきた時言ったんだ。除染した物を置くからって言うんで『そんならうちの裏の敷地を使ったらいいべ』って、そこまで言ってやったんだよ。そうしたら(**さんが)『いや、あそこは道路っぷちだからダメだ』と。」

<出た!!わあ~、聞いちゃったもんね~。
そうか。**さんは環境省とツルんで秘密基地建設の立役者だったということが裏付けられたわけだ。詳しくは「公道から見えないように設計せよ?
」を参照下さい>

●地権者Eさん
「除染が必要だから。ウチは反対しない」

●地権者Fさん
「息子がいないから分からない。でも若い人が気の毒だよね。若い人は出て行ってしまうと思うよ」

賛成した理由は、99.9%放射能をカットでき、安全だと言われたこと、その他の焼却炉の説明は殆どなかったという複数の証言が得られました。
不在の方も多かったため、地権者以外を回ることにしました。
一歩外に出ると今度は反対一色となりました。

(地権者以外の人の話)

「村長は煙が出ないなどと言っているが、出ないわけないよね。放射能が漏れたらどうするの?」(複数)

「危険だよね。若い人がいなくなってしまう。」(複数)

「離れて暮らす娘・息子から報道を見て電話があった。『父ちゃんら何やってんだ。鮫川どうするつもりだ』と叱られた」

「放射能が出たら止めると言っているが、出てからでは遅いよ!」(複数)

「フィルターつけるって言ってるけど、煙突にザル被せるようなものだって聞いている。」

「この施設は、地権者以外には黙ってやったもの。(同じ青生野地区なのに)黙ってやるなんておかしい」(複数)

「燃やせば煙出るのは当たり前でしょう」(複数)

「青生野だけで(23日)説明会をやるのはおかしい。」(複数)

「風は一定方向じゃないんだよ。常に変わるんだ。スギ花粉は見えるけど放射能は見えないんだよ」

「除染して、集めて燃やしていてもきりがない」

「7億3千万?そんなにあるなら我々老人に補助してもらいたい」

「こんな危険なもの持ってくるならみんなで集まって話をするべきだ」(複数)

「何故放射能の低い青生野地区に放射能の強いもの持ってくるのよ?」(複数)

「村長が悪い。ダメなんだ」

「子供がいるのに何でこんなもの持ってくるのよ!」

「地権者がカネを貰っているんじゃないの?」(複数)

「7~8年前、産廃業者が入ってきて近くでゴミを燃やし始めた。何かは分からないが、こんな(チップ状の)形をした燃料で、燃やした途端ものすごい臭いで頭が痛くなった。夜燃やすんだが、煙で庭につないでいた犬たち4匹が相次いで死んだ。野菜も何も作って食べられなくなった。皆で反対して焼却はストップされたが、そんなことがあったものだから私達は今度の施設も絶対反対だ。」

「青生野の人は(放射能で)死んでもいいというのか!」

「以前(別の)産廃業者がゴミを持ってきたことがあった。覆土をして隠していたが、雨で土砂崩れが起き道路まで家が押し流された。」

<相次いで2つの衝撃的な事件を耳にすることに。狭い青生野地区で今回の焼却炉を含めて3件もの事件が起きたことになります。民家の少ない山間部は常にゴミ業者に狙われているということが浮き彫りになりました。>

「今回のは実験(焼却実証実験)なんでしょ?子供がいるのに実験なんて!」

「実際には鮫川村以外からもあちこちからゴミを持ってくるんじゃないか?我々は中身を確認できないわけだから。2年が3年になり、5年になり…となるのが目に見えている。」

「区長が『反対している人の家は除染しないぞ』と脅している。」

青生野地区72軒のうち、一部の地権者および不在の10数件を除き全てを回りました。地権者以外で事業に賛成しているのは数件のみ、結果8割以上が反対していることが分かりました。

(22日夜、とうとう発熱でダウン。みるみるうちに39℃近くまで上がる。明日の説明会場へ駆けつけることが危ぶまれる。)


青生野地区で密室集会?!

2013-02-28 16:28:42 | 活動記録
2月18日(月)

建設地の青生野地区で23日(土)に青生野地区住民のみを対象とした説明会が開催されるとの報を受けました。何と報道機関は一切排除するということで、前代未聞の密室会議となることが分かり、急きょ抗議声明を出しました。

2013年2月18日

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課長 山本昌宏 様
鮫川村村長 大樂勝弘 様

抗議声明


 去る2月12日(月)鮫川村青生野地区住民が、焼却炉建設への同意取り消しを求める要望書を村長に提出しました。これを受け、村長は同意を得るよう努力し、得られるまで稼働しないと言明しました。
 そして早速、2月23日(土)に青生野地区で環境省より説明の場を設けると聞きましたが、驚くことに対象が青生野地区住民のみであり、報道機関を受け入れないということです。
 7億3千万円もの国費を投じながら秘密裏に進めてきたことに、地域住民はもとより全国的な批判を集めていることは周知の通りですが、まだ懲りずにこのような密室での手続きを改めようとしない姿勢に強い憤りを覚えます。民主主義を全く無視する横暴で卑劣なやり方であり国民の理解は到底得られません。

環境省及び鮫川村長は鮫川村、北茨城市、およびいわき市での説明会の場において「説明が遅れた」ことを謝罪し、また北茨城市長から「これだけ地域住民が反対しても工事を行うのか」との質問にも回答していません。あの謝罪は一体何だったのでしょうか。そして回答もしないうちから青生野地区住民のみを対象とした説明会を企画するとは、あまりにも近隣自治体や住民を愚弄していると言わざるを得ません。

上記の通り青生野地区の住民の大半は反対を表明しました。そして隣接市、町住民も大反対しています。まずはこれらの声に答えて下さい。
 高濃度放射性廃棄物という超危険物を大量に扱う施設を建設するのであれば、少なくとも自治体を超えた地域住民の合意を得るのが筋であり、巨額の国費を使う公共事業であるなら、広く国民のコンセンサスを得るのは当然です。

 私達はこれまでの不当で不公正な進め方、及び危険な本焼却炉に強く抗議し、
密室での手続きを改めること、および本焼却炉を白紙撤回するよう改めて強く要求します。

鮫川村焼却炉問題連絡会





関口鉄夫先生の講演会開催

2013-02-26 23:39:25 | 活動記録
2月17日(日)晴れ

政府交渉ネットの藤原寿和さんのご紹介で、たまあじさいの会の皆さんとともに煙流実験等を行い、実際に稼働された場合の汚染調査方法をご教示頂くことになりました。専門家の関口鉄夫先生にもご協力頂けることになりましたが、藤原さんが事故により緊急入院されたため、たまあじさいの皆さんと関口先生のみお出で頂きました。
(藤原さんは現在リハビリを続けておられます。一日も早いご回復をお祈りいたします。)

たまあじさいの会さんはご存じの方も多いと思いますが、日の出ごみ処分場周辺にガン患者が異常に多く発生していることから、処分場から巻き上げられる焼却灰に原因があることを突き止め、更にはその焼却灰を利用したエコセメント工場による排気ガス、排水からの汚染実態についても追跡、科学的究明をされておられます。工場を相手に裁判も続いています。

処分場建設の話が持ち上がった当初、住民の8割は反対していたにも関わらず、「説明会」の場において切り崩しが行われた話も伺い、私達自身危機感を新たにしました。

この日時間が押していたため実験は叶いませんでしたが、貴重な映像を見せて頂きました。気象条件、地形、風向き、風速、季節、都市部との距離などによって汚染物質の流れや滞留状況を3D映像であらゆる角度から再現した驚きの資料映像でした。
汚染は低地を流れ谷間に溜まり、様々な条件で巻き上げられ浮遊・回遊すること。都市部のヒートアイランド現象からの影響も強く受けていることなどを学ぶことができました。

関口先生とも長いお付き合いだそうで、久々の再開に花が咲いていましたが、先生同様全国各地の住民運動の応援に飛び回っておられる会の皆さんは、足早にお帰りになりました。


夕方から関口先生のバイオマス発電の勉強会を開催しました。

バイオマス発電施設建設計画を考える~避けられぬ放射能の二次汚染~

動画はこちら
http://www.ustream.tv/recorded/29351378
http://www.ustream.tv/recorded/29351459
http://www.ustream.tv/recorded/29351578
http://www.ustream.tv/recorded/29352206
http://www.ustream.tv/recorded/29352903

建設地は町中心部のため、この日は街中の人たちの顔も見えました。7日に福島民報に突然バイオマス発電施設計画が報道されたことを受け、町は大慌てで説明会を開催、報道にあったように除染目的ではなく使う木材はあくまで100ベクレル以下の安全なものであり発電が目的だとの釈明に追われています。
少なからぬ町民は、「もう町では暮らせなくなる」と強い危機感を抱いていますが、名前の紛らわしさもあり、汚染樹木を燃やす焼却炉であることの認識、問題意識がまばらの状態です。



2月12日からのまとめ

2013-02-25 20:12:15 | 活動記録
(忙しさと体調崩したこともあってあっという間に10日以上も空いてしまいました…。手抜きでスミマセン。)

2月12日(火)

がれき広域化の終息に向けた全国交流集会に参加
広域震災廃棄物(放射性廃棄物瓦礫)は最終段階に入った! 政府・環境省の悪政策に最後のとどめを!

松井英介先生、下地真樹先生の錚々たる顔ぶれの中で北村が鮫川村焼却炉と塙町バイオマス発電についてお話させて頂きました。

http://www.youtube.com/watch?v=TLQpKBvQgyo

2月14日(木)

いわき市で説明会

北茨城に続いていわき市田人町で開催。3回目ともなると、皆かなり勉強して鋭い質問を次々放ち、環境省は冷や汗ものでした。

質問者:「炉の処理能力を199kg/hとしたのは何故ですか?」

環境省:「かくかくしかじかで計算式からはじき出した数値です」

質問者:「それでは、200kg/hとの違いは何でしょうか?」

        
・・・笑わせて頂きました。・・・

元第二原発で焼却炉を操作されていた吉川さんからも、本家の焼却炉と比較しながら不備を指摘され、日立造船が緊張の面持ちで答弁に立ちました。

詳しくは動画をご覧下さい。http://iwj.co.jp/wj/open/archives/57591

2月15日

県南・県中の議員が現地視察

雪の舞う中、6名の議員さんが視察に訪れました。連絡ミスで中への立ち入りができず、入口前で環境省へ直接交渉すると、「自治体を通して申し込むように」とのこと。
議員が申し込んでいるのにこの対応。こうした秘密主義はより疑念を生むだけなのに。

矢祭町の議員さんが、すでに環境省に対し「矢祭町での説明会」を申し込んだところ、「矢祭町は距離があるから必要ない。」との趣旨で断られたそうです。

中に入れなかったこの日の立ち入り申請、その後も続けているそうですが、未だ許可は下りず。