昨年12月6日、鮫川村議会に「鮫川村青生野江掘に設置される仮設焼却炉設置の見直しと住民合意を求める請願書」を提出しました。それまで、村に対し再三質問状を出し、白紙撤回を求める要望書を提出してきましたが受け入れられず、議会請願に至ったものです。
これに対し12月14日議会は不採択としました。
理由を再掲したいと思います。(第6回鮫川村議会定例会会議録(平成24年12月) P78)
○産業・厚生常任委員長(星一彌君)
請願第2号 鮫川村青生野江掘に設置される仮設焼却炉設置の見直しと住民合意を求める請願書。
審査の結果、産業・厚生常任委員会に付託された本請願について、12月13日午前10時から委員会を開催し慎重に審査をいたしました。
決定及び理由、不採択と決定しました。
理由、1、汚染された農林業系副産物は焼却による減容化が有効手段であり、環境省が進めている焼却施設により農畜産業の再生や今後の住宅除染を進めるため効果が見込まれる。
2つ、村議会として除染を推進する立場から焼却炉設置の承認をしていること。
3つ、11月12日開催の環境省説明において、村、議会、各行政区長が出席し、設置される焼却炉は安全であり、周囲に及ぼす環境への影響がないことに対し説明を受けている。
4つ、焼却炉の安全性、機能的なバグフィルターによる排ガスの安全性対策、焼却灰の処理など、万が一、国の基準を超えた場合は停止すること。
5つ、焼却運転では、実施期間中、焼却炉データの村提供と公開を実施、モニタリングポストの設置、また議員による空間線量及び施設の監視役割など、安全性に対する一層の強化を行い、住民の安全、安心に努めていくものであります。
以上により不採択といたします。
少数意見の留保、なし。
本委員会において、以上のとおり決定したので報告をいたします。
(以下、質疑、討論なし 全員起立で不採択決定)
たったこれだけの理由で不採択とされました。
請願とともに、専門家による大気・水系の汚染予測図やバグフィルター神話の嘘を暴く資料など、どれも否定しようのないデータ・資料を提出しましたが、それらのいずれにおいてもきちんと検証し、反論する文書は何一つ示されませんでした。その代わりに提示されたのが上記の4、国の基準を超えた場合は停止するです。あまりに住民を愚弄しています。
国の言うことさえ聞いていれば間違いはないのだ、と盲信することによって引き起こされた今回の爆発事故。この責任を、議員の皆さま方はどうお考えですか。そもそも議会が本事業を承認しなければ事故は起きなかったのです。住民居住区の中で放射性汚染物の焼却処理をするという前代未聞の本事業を、何ら検証することもなく受け入れた結果、事故が引き起こされた、そして住民に通報すらせず避難誘導しなかった、村はもとより議会と監視委員会の責任は極めて重く、何らかの謝罪を述べるべきではないでしょうか。
焼却灰は本当に飛散しなかったのでしょうか。住民は全く被ばくしていないという証拠は立証できますか。14時半という時刻は、最も焼却灰が生産されている時間帯であり、「焼却灰は殆どなかった」というのは不自然ですし、「ない」理由も示されていません。そもそも「主灰がほとんど発生しない施設」であるのなら、なぜセメント固形化室が必要なのでしょうか。議会および監視委員会として、しがらみのない第三者的専門家を入れた検証委員会を設置してあらゆる角度から検証し、誠意を持って住民に結果を報告する義務がありますし、そうでなければ誰も納得、信用しないでしょう。
そして、事故を起こした責任を環境省に問い質す文書を提出されたのでしょうか。北茨城市長、いわき市は提出していますが、受け入れ主体である村長、議会、監視委員会がそれをしないのはおかしいのではないでしょうか。
村HPにも議会HPにも、事故に対する対応が全く掲載されていません。そもそも事故があった事実すらよく探してみなければ分からない状態です。事故から半月以上が経つ9月16日現在の情報はたったこれだけです。これでは環境省をかばって事故隠しをしているのではと疑われても仕方ないのではないでしょうか。
鮫川村仮設焼却炉監視委員会からのお知らせ (2013年9月6日掲載)
今回の事故で、環境省の減容化政策がいかに危険極まりない「危険性を実証する事業」であったのかが証明されたとともに、残念ながら国、村、議会、監視委員会は住民の生命を守る意思がなく信用できないことも明らかとなりました。
私達住民は、改めて本事業の即刻廃止を強く求めます。
9月17日から始まる議会にあわせて上記内容の要請書を提出しました。
環境省は今後、除染の加速化とともに県内各地で減容化施設設置を促進するという報道が相次いでいますが、設置計画のある自治体、住民の皆さんは、鮫川村の事故および秘密裏に設置された経緯をよく検証して下さい。後で後悔しても手遅れです。