7月11日に提出していた村に対する質問書2点への回答が30日にありました。
①質問書 焼却物見積り訂正について ⇒ 回答書
②要望書 汚染牧草について ⇒ 回答書 ![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/65/e9/daa2d8af4e02e9d58c86023ccb6c5557_s.jpg)
残念ながら今回も誠意ある回答は得られませんでした。
これについて本日再質問書を提出しました。
①焼却物見積り訂正に対する再質問書
2013年8月1日
鮫川村村長 大樂勝弘様
再公開質問書
7月30日付25地号外にて回答されました内容について再質問致します。
8月9日(金)までにご回答の程お願い致します。
問1(回答)について
「除染に伴う処理対象物についても、正確な発生量は除染作業を実施する中で把握することになります。したがって今後の処理や除染の進捗に伴い、処理対象量について精査し、その結果に応じて必要が生じれば処理期間の見直しをする予定と聞いており、現時点では、当初計画の処理期間約20か月、処理対象量約600トンの範囲内で実施する方針と聞いております。」
再質問の前に今回の回答も極めて不誠実であり到底受け入れられるものではないことを申し添えます。焼却される放射性廃棄物はすべて鮫川村から排出されるものであり、塙町、いわき市、北茨城市の汚染物ではありません。鮫川村の放射性ゴミを焼却しその結果として2次汚染の危険に晒されるのは、不幸にも鮫川村以上に近隣に住む市町民です。焼却炉を押し付けられる近隣住民の立場であれば、どれだけの量をどれだけの期間にわたって焼却するのか、正確な情報提供を求めるのは当然のことです。
質問に移りますが、最初に指摘しておきたいのは、①見積りの修正は必要不可欠であるということです。その上で環境省の説明を踏襲するのであれば②現場で正確な重量を計量する、③見積りと実際の処理量の差額を出し必要に応じて調整する、という3段階の手順を踏むのが常識です。
ついてはまず①見積りを速やかに修正して下さい。
環境省の仕様書において600トンの見込み量のうちの大半である除染物は計算上はじき出された数値であり(1戸2トン×170戸=342トン)、これを基に予算を組んでいます。除染戸数が66戸に減少したならば132トンに速やかに訂正されなければならず、予算も焼却期間も修正されなければなりません。
また、150トンの牧草は無償提供されたため昨年から総量450トンになっていますがこれが1年近く訂正されず未だに600トンになっているのは何故でしょうか。「環境省には伝えたが訂正されない」ということですが、誤ったデータに基づき事業が進められることについて村としての責任を果たしていないのではないでしょうか。
このままでは過大な見積り・予算・焼却期間で事業を進めることになりますが、村として事業主体である環境省に訂正させる責任があるはずです。
村長は「これは村が環境省にお願いした事業」と説明しているのですから、見積りの訂正について担当課長が「環境省に直接言って下さい」などと言うのはあまりにも無責任な対応であり、7億3千円もの国費を使う資格はありません。
問3(回答)について
「住宅除染の具体的な方法は、家屋から法長20m地点までの範囲内を・・・実施します。除染作業後に・・・0.23μ㏜/h未満になることを確認する」
線量の低い鮫川村において、家屋周囲20mという広範囲を0.23μ㏜以下になるまで徹底除染するのは相当の経費がかかります。原発事故から2年半、福島市や郡山市など高汚染地帯に未だ放置されている多くの県民とりわけ子供達がおり日々被曝を強いられています。
6月29日(土)朝日新聞報道によると、都路町では除染後も0.23μ㏜以下に下がらない地点が多いにも関わらず再除染はしない方針が出され、住民はそのまま帰還させられる予定ですが、このことから見ても、今後同じように汚染地帯に多くの住民が帰還させられることは必至です。
鮫川村よりもはるかに高汚染地帯に暮らす人々が放置される一方で、限られた予算を低線量の鮫川村で優先的に消化することについて、どのようにお考えでしょうか。担当課長の言うように「国の方針に従って行うだけ」だとすれば、村民さえ良ければいい、高汚染地帯の住民の被曝は関知しないということでしょうか。更に言えば、鮫川村内の汚染物を村中心部から離れた青生野地区に集めて焼却し、青生野地区および周辺自治体住民の健康が損なわれても構わないとお考えなのでしょうか。
除染は村だけの問題ではありません。被曝地福島県の一自治体としての姿勢と責任が問われています。
以上につき8月9日までにご回答頂くようお願い致します。
鮫川村焼却炉問題連絡会
②汚染牧草に関する再質問書
2013年8月1日
鮫川村村長 大樂勝弘様
汚染牧草の無償提供と経費負担について(再質問)
7月30日付25地号外にて回答頂きました内容について再度質問致します。
「鮫川村としては、牧草サイレージを確認した結果、移動する際にラップが敗れた物や、鳥などの野生動物により穴が開けられているものがあり、そこからカビが発生し腐食している牧草サイレージが多く見受けられましたので、飼料としての利用は、適切ではないと考えております。」
とのことですが、150トンは昨年浪江町の希望の牧場に無償提供され、残る50トンについても早急に回収し、同牧場へ無償提供して頂くよう昨年より再三依頼してきました。しかし村はこの求めに応じず、汚染牧草を放置し腐食したために無償提供できないというのは、明らかに村の不作為ではないでしょうか。有効利用できたはずのものを放置したために廃棄物となり、焼却処理されるというのは、反対する住民を愚弄するものであり嫌がらせに等しいと受け止めます。
①何故早期に無償提供しなかったのか理由をお知らせ下さい。
また同牧場は少しでも利用できる部分があれば利用したいと希望しており、現物確認をしたいとのことですがこれにも応じないということでしょうか。
②現物すら見せられないのであればその理由をお知らせ下さい。
50トンの牧草は、一日処理量1.5トンに換算すると約33日分の焼却期間に当たります。(土日祝含めると約42日間)
③焼却に不安を持つ住民にとってこの期間が短縮されるかどうかは重大な問題であることをご理解されておられないのでしょうか。
「また、環境省からも、本事業は村内に保管されている放射性セシウムで汚染された農林業系廃棄物及び村内の除染で発生する可燃性の廃棄物を焼却することで減容化・安定化し、適正な処分に向けて安全に一時保管するための事業であることから、事業の処理対象となっている汚染廃棄物を、適正な処理が見込まれない用途で村外に持ち出すことは適切でないと聞いております。以上のことから、牧草の無償提供は行わないことと考えております。」
とされていますが、「適正な処分に向けて安全に一時保管するための事業」という名目が破綻していることはすでに明らかになっています。本事業は秘密裏に進められてきたのであり、「住所非公開」で「煙突含めて公道から見えないように建設」され、廃棄物処理法適用外の脱法的手法、そもそも国際原則を逸脱した放射性廃棄物の焼却処理、何から何まで正当性は全く見受けられません。
牧草の線量は8,000ベクレル/kg以下であり、村の処理責任とされるものですので、環境省がこれについて指示する権限はありません。したがって
④村の責任において、地域住民の不安を少しでも解消すべく無償提供することが最も適切ではないでしょうか。
焼却が「適正な処理」ということ自体が間違いであるにも関わらず、それ以外の用途のために牧草を無償提供しないなどというのはあまりにも身勝手ではないでしょうか。しかも汚染物はあたかも国が自由に処理する権限があるように書かれていますが、そうであれば国の責任において排出者である東電に回収させて一元管理すべきであり、そもそも市町村において焼却、埋め立て保管すること自体が間違いなのです。
以上につき8月9日(金)までにご回答頂くようお願い致します。
鮫川村焼却炉問題連絡会