ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

情報隠しは権力の暴走

2016-03-18 21:53:32 | 環境省

前々回お伝えしましたように、解体工事事前調査結果報告書は正味たったの8ページというお粗末さでした。

日立造船㈱「平成27年度福島県鮫川村における放射性物質を含む農林業系副産物等処理実証事業に伴う処理施設解体撤去等工事事前調査報告書」(平成28年1月)

概要版ではなく、原本を出してほしいと福島瑞穂議員事務所から再度請求していただいたところ、驚きの回答。

 

「提出した資料が正式版であり、この資料以外に関係するものはありません。」



これが正式版?


ウソばっかり!!!


このような代物でよしとする環境省はきちんとお仕事をしていると言えるのでしょうか。チェックが甘いというレベルの話ではありません。正式なものを持っているのは分かっているのですから出してください。出すことで何が都合悪いのですか?汚染の深刻さがバレる?いや、そうではなくてただ相手が私達、反対住民だから出したくないのではないですか?


塩谷町への執拗な嫌がらせといい、反対する市民への暴力的ともいえる態度は看過できません。地権者から用地を借りるときには平身低頭、協力的な市民にはご褒美、その反面言うことを聞かない市民は敵視して徹底的につぶそうとする。こういう権力の乱用を野放しにすれば大変なことになります。

鮫川村の一連の経緯で、国はオモテの顔とウラの顔を使い分けるということをもろに見せつけられました。ここで学んだ最大のことは、決して国を信用してはならないということ。そして、今まで知らなかったために騙されていたということ。知らないでいることは騙されているということです。国の言うなりに高汚染地帯に帰還するのも同じことです。


以下、福島瑞穂事務所宛て

【再請求の理由】

本件の総ページ数は22ページしかなく、しかも事前調査報告部分については8ページに限られており、概要版が開示されたものと思われます。

一方、一緒に開示されました「平成26年度 仮設焼却炉(相馬市・新地町)解体撤去検討事前調査業務調査結果報告書(平成27年3月)」は563ページあり、こちらが本来の必要な項目を満たす正規の報告書ではないかと思われます。

 

焼却灰のデータを見ると鮫川村で焼却された廃棄物は相馬市・新地町よりもむしろ高い濃度であった可能性があり、相馬市・新地町以上に入念な調査が必要です。

つきましては、上記「日立造船㈱「平成27年度福島県鮫川村における放射性物質を含む農林業系副産物等処理実証事業に伴う処理施設解体撤去等工事事前調査報告書」(平成28年1月)」の正式版を全文入手したく、再度ご請求いただきたくよろしくお願い申し上げます。

 



環境省、また失態

2014-03-20 05:59:54 | 環境省

帰還困難区域以外の自治体(対策地域)で唯一減容化施設設置が未定となっている川俣町山木屋の鶏ふん処分業務の入札公告がありました。
http://tohoku.env.go.jp/procure/2014/pdf/20140318/0318cd.pdf
約900㎥の鶏ふん(フレコン入り)を仮置き場に運搬した後、一般廃棄物処理施設または産業廃棄物処理施設で処分とされており、「全量を再生して処分」とされています。これについて、福島環境再生事務所(環境省出先)に確認してみました。
担当者によると、処理施設とは再生処理施設のことで原則全量再生とし、焼却は認めないということだそうです。
なぜ焼却を認めないのか?と聞くと、驚くべき答えが返ってきました。
「灰を処分する場所がない、引き取り手もいない」

鶏ふんはたかだか小学校のプール一杯程度、焼却すれば焼却灰の量は数十分の一になりますから、たかが知れています。
これすら処分する場所がないとは!除染廃棄物などは一体どうなってしまうのでしょうか。
環境省はこれまで焼却一辺倒できて、国民があれほど「焼却するな」と訴えても聞く耳を持ちませんでした。更に、餓えた牛たちに食べさせたいと牧場が希望しても、わずか50トン程度の鮫川村の汚染牧草すら手放さず焼却してきたのです。しかもこの牧草は8000ベクレル以下で、国の処理責任ではないにも関わらず。

それなのに今回は「焼却禁止」。理由は「灰の処分場所がない」
これはどういうことでしょう!
因みに鶏ふんの汚染濃度は「建屋内に置かれていたものなので少なくとも8000ベクレル以上ではない、処理する際に測り直す。場所と置き方によっても違ってくる」とし、
数値は答えませんでした。
「肥料とする場合400ベクレル以下が基準では?」「それは出荷の基準だと思う」
「自家消費も対象では?」「基準を確認しないと分からない」
担当にしては随分いい加減です。
仕様書によるとサージカルマスクのみ支給されるようですが、(粉塵がもろに飛び交う中で)これでは不十分なのではと聞くと、
「元の電離則に基づきより現在の作業に即して広くカバーした除染電離則に従っているので問題ない、安全と安心は違う、電離則の対象となる1万ベクレルは充分下回っているので、後はどこまでその範囲を考えるかだ」
ということでした。
基準さえ下回っていれば、放射能でもダイオキシンでも、どれだけ曝露しても問題ないと考えているようです。