ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

青生野地区3回目説明会が開かれました

2013-03-28 19:51:04 | 鮫川村
3月27日(水)雨

小雨の降る肌寒いこの日、建設地の青生野地区で3度目の住民説明会が開催されました。
連絡会として、開会の前に抗議声明を読み上げました。
この日3度目にして初めてメディア取材が許可されましたが、対象を地区住民限定とする部分は変わらず。実は私共夫婦は青生野地区に倉庫を持ち、そこで得られる収入をもとに村に納税している事業者で、場所も建設地より3キロ以内に入るにも関わらず入場させてもらえません。何という不公平、理不尽さでしょうか。

この日も屋外で震えながら3時間中の様子に耳を澄ませました。毎回こんなことをやっている自分自身が馬鹿馬鹿しくなってきます。主催者側も恐らく同じ心境ではないかと思われます。村長を除いては。
以下、メンバーの報告を引用します。


予定通り午後6時半に始まった青生野地区住民説明会は9時10分過ぎに終了しました。
大樂村長は開会の挨拶で、村内に開通した新道路の建設(総工費45億円)を自分の手柄のごとく述べるところから始まり、開会式に訪れた国会議員との友好関係を誇示。
住民を理解することより、パワーこそが政治であるという村長の政治姿勢を象徴する発言でした。
安全性の説明を滔々としゃべりまくり、環境省がいかに正しいかを訴えてやまない山本昌弘課長。
しかし、侮れないのは、説明の中にこちらが以前に村長宛に提出した、質問状の内容も織り込んでいたことでした。
たとえば、放射性廃棄物の原子力施設内での厳格な焼却処理については(福島第二原発の焼却炉で働いていた)吉川彰浩さんが作成してくれた資料がありますが、これを明確に意識した答弁が見られました。
環境省の昨晩の説明で印象に残ったのは、安全性に自信があることを、誇示すると表現してもよいほどに強調していたこと。

+++さん、××さんはじめ反対派の方々の理路と情熱を併せもった発言は、欲や義理がかもし出す会場内の淀んだ空気を浄化する、涼風にもたとえられる格調の高いものでした。
しかしその一方、最初の青生野地区説明会を満たしていた反対派のエネルギーと熱気が、時の経過ととも減力しつつある印象を免れなかったというのも正直なところ。
これをどう立て直していくのかがあらたな課題となってきました。
結果的に、昨晩村長は余裕を見せるかのように、試験焼却は見合わせると発言しましたが、これが本当に余裕なのかどうかはわかりません。


動画はこちら


2013年3月27日

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課長 山本昌宏 様
鮫川村村長 大樂勝弘 様

抗議声明


本日3月27日、青生野地区で3回目の住民説明会が開催されます。今回、マスコミの取材がようやく許可されました。鮫川村放射性廃棄物焼却炉建設は、環境省が事業主体であり、国の事業です。そこに投じられるのは貴重な税金ですから、その事業の説明会に対してマスコミ取材を前回まで二度にわたって拒否していたこと自体が異常でした。そういう意味では青生野地区住民説明会として今回初めてマスコミ取材に関しては正常化されたものと私たちは認識しています。逆に、これまで2回にわたりマスコミ取材を拒否したことに対する説明が必要になります。この点について、環境省・大樂村長はどう申し開きされるのでしょうか。このことについての明確な説明、もしくは説明がつかない場合には謝罪を厳しく要求します。
マスコミの取材拒否に対して私たちは初回の説明会から抗議してきました。もう一つ抗議し続けてきたのが、青生野地区住民のみに“限定”した説明会のあり方でした。これは、村長・環境省は、近隣市町村の住民の理解が得られなければ焼却炉は稼動しないと明言しているのですから、近隣市町村住民の参加は歓迎すべきなのに、それを意固地に拒否し続けていることに対しての抗議でした。この抗議が今回も聞き入れられなかったことを私たちは改めて抗議すると同時に、次のことを要求します。この抗議を拒否したということは、つまり青生野地区とは別に、改めて近隣市町村住民の同意を得るための説明会開催を約束したことになるわけですから、その可及的速やかな実施を求めます。
何よりも環境省・村長に声を大にして抗議したいのは、この事業が地域を二分するまでに追い詰めている理不尽さです。7億円超の本焼却実証実験は、私たち地域住民にとって何の恩恵もないばかりか害悪でしかありません。
原発事故が起きてから、政府首脳は事故の責任が国と東電にあることを明言しました。しかし、国は責任を取るどころか、危険な放射性汚染物の処理を県市町村に押し付け、二次汚染の被害までもたらそうとしています。これが鮫川焼却炉問題の実態です。実際に、ここ鮫川村、隣の塙町では、環境省・村長による独善的な事業推進に住民が翻弄され、住民同士の軋轢から地域が二分される深刻な事態が生じています。環境や健康被害をもたらす物理的・化学的な二次汚染だけでなく、人心に関わる二次汚染がすでに現実の問題として起きているのです。この責任は誰がどのようにしてとられるのでしょうか。 民意をないがしろにし、安全性、そして、費用対効果の裏付けもない単線施策、すなわち、除染→減容→焼却の押し付けに、私たちは徹底して抗議し、反対します。

 
鮫川村焼却炉問題連絡会 一同


青生野地区第二回説明会ー試験焼却に言及

2013-03-14 23:39:55 | 鮫川村
3月14日(木)

マイナス7℃に冷え込んだこの日、第二回目の青生野地区住民限定説明会が開かれました。
地区以外の住民、メディアは一切排除し、会場入り口で地区選出議員が立ちはだかりましたが、メディアの方々からは、事前に取材の申し入れを行い、返事待ちとしておきながらいざ会場に来てみると村長以下管理職は全て中に逃げ込み、説明責任を果たさないまま入場させないという身勝手な姿勢に不満の声が次々に上がりました。

 


IWJ配信動画はこちら

外はマイナス7℃。
総勢12人のメディアの方々とともに、玄関のたたきで3時間待たされました。
21時半を回り、ようやく終了。待ち構えていたメディアの方々と共に中へ。


<村長インタビュー>



記者:工事一時停止を再開するかどうかが焦点だが、今日の決定は?

村長:本当は今日最終的な判断をしたかった。ぜひあの仮設炉の、あのーとりあえず試験焼却までと。
だけど、反対の人達で過敏な人が、出席しないでと(呼びかけると)いう運動をされちゃったのね。
私はちょうど3日前畜産振興会の集まりにでかけていて、そういう人たちの意見聞けなかった。そういう人たちは(ここに)来ないんですよね。何人かだったと思う、20軒くらいだったかな。(←実際は34軒です)そういう人たちが一番心配ですよね。こういう人たちの不安も払拭しなければという思い。また別の機会を設けて。今度出席しなければそれはしょうがないよと思うだから今度はぜひ出席して頂いて、安全を確認してもらいたい。


記者:では引き続き粘り強く説明会をすると。(工事)再開の決断はされなかったということですね?

村長:今日は残念ですが決断しては皆さんに申し訳ない。今日、皆さんはぜひ稼働しなくちゃという人が多いんですが、こう一方的な集まりになっては申し訳ない。心配だと言う人の意見がとても大事だと思っているから、せめて実験くらいは、試験運転くらいはという思いになって頂きたい。

(メディアの方々を入れずに)皆さん悪かったね。本当に申し訳ない。(にこやかに)
ぱっとカメラ向けられると話しづらいんだよね。カメラがなければこうやって充分話できたと思う。
びっくりしたのは田人での説明会ね、あれ命がけだった。説明会にならない。反対のための集会になっちゃってる。そんならやらない方がいい、せっかく貴重な時間割いて皆さん来てくれているのに、そういう思いが分かんないんだよねあの人たちには。
ま、そういうことです。
(退席しようとする)


別の記者:ちょ、ちょっと村長、お待ちください。

村長:何?一緒に帰りましょうって。
もう忙しいんだよ、時間ないんだよ。


記者:これだけ待たせてそんな対応だけなんですか。

村長:(不機嫌そうに)だってあんた呼んでないよ私は。

記者:じゃ、好きな時だけ呼ぶわけですか?

村長:いや呼ばないよ私はマスコミは。

記者:それは余りな言い方ではないですか、村長として。
たとえば大事な施設が作られたときには地元のマスコミ、民報、民友含めて新聞社には情報出さないんですか?

村長:いや、地元の新聞ったら、それは出すよ。

記者:それも否定するんですかってことですよ。自分に都合の悪いことだけ出さないように聞こえますよ。

村長:ああ、それならそうでいいですよ。(足早に去る)


表向きはにこやか且つ丁寧に対応して、誠実さを演出しようとしているように見えますが、その言葉の端々には反対住民の数を矮小化したり、他の自治体住民のことは顧みようともしない、非常に身勝手な顔が伺えます。
その上記者の追及をかわすため、田人の説明会を持ち出して時間稼ぎを計り、言いたいことだけ言い捨てさっさと逃げる。非常にしたたかで巧妙だと感じました。



村へ対話集会の申し入れ

2013-01-29 15:55:22 | 鮫川村
1月29日(火)晴れ

村長に対話集会の申し入れに行ってきました。
村長は不在でしたので地域整備課長にお渡ししました。

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https://lindoc.jp/docs/4069

鮫川村
村長 大樂 勝弘 殿

対話集会の申し入れ(公開文書)

 私達は、いわき市、北茨城市、高萩市、塙町、鮫川村の住民からなる焼却炉問題の連絡会です。青生野地区の焼却処分場建設について、行政・住民間のみならず、地域住民の中においても相互の理解に齟齬が生じ、結果としてさまざまな軋轢が発生していることを憂いています。
このままの状況が続けば、今まで大切に培ってきた地域社会の崩壊にもつながりかねず、深い禍根を残すことになります。貴村への信頼も失われることになるでしょう。
つきましては、これ以上の混乱を避けることを目的として貴村との対話集会の開催を求めます。

●対話集会テーマ

地域の混乱を避けるために何をなすべきか。推進派、反対派ともに知恵を出し合う。

・焼却処分場建設を目指す鮫川村
・賛同する住民
・放射性物質拡散による2次被害を懸念する住民

それぞれの立場・意見を尊重し、対立を回避してよりよい方向を探りたいと考えます。できるだけ早急な実施をお願い致します。

 
鮫川焼却炉問題連絡会






鮫川村で初の住民説明会

2012-12-28 06:51:55 | 鮫川村
12月25日(火)

この日初めての住民説明会が開催されました。
これまで、「地権者含む周囲30軒にのみ説明」で進められてきた工事ですが、全国的に「おかしい」との声が上がり、必要に迫られたためと見られます。

会場は予想を超え100名以上が集まったようで、この問題への関心の高さ、危機感の表れであると感じました。私達を含め村外から駆け付けた人もいました。

質疑の際会場からは、「事後報告などおかしいのではないか」「幼い子供がいるので不安だ。移転を考えざるを得ない」「一旦停止して説明を尽くし合意を得るべきだ」などの声が次々と上がり、拍手が起こりました。
狭いムラ社会で声をあげたくてもあげられなかった人びとが少なからずいることが露呈されたのです。村長、村、議員は秘密裏に推し進めてきたことの責任の重さを肝に銘じるべきです。

村長は「日本人たるもの、国を信用しなくてどうする。日本の環境と日本人の健康を守る環境省の事業だ。100%信用している」などとこれまで通りの環境省追従姿勢に終始。しかし苦し紛れの絶叫は虚しく響くばかりでした。

住民を欺いたせめてもの償いとして、進士さんの提唱する「住民投票」を実施するのが責任ある村長の務めであり、信頼を回復する唯一の手段ではないでしょうか。このままでは村長や村への信用は地に落ちたまま不信感ばかりが増幅、全国へ波及し、取り返しのつかない禍根を残すことになりかねません。
誰の目から見ても明らかに「おかしい」工事を、一旦停止してやるべきことをやる。それは難しいことではなく本来あるべき民主主義社会の基本であり、納税者として要求すべき当然の権利です。


さて、説明会に戻りますが、前半1時間半は除染の話で、肝心の工事部分については後回しでおざなりと言えるものでした。
除染がいかに必要か、どんな具合にやるのかなど、それこそ後回しにすべき内容で、本来は着工が事後報告となったことの「お詫び」と説明が先にあってしかるべきです。
その説明も、「このように安全にやります」「周辺への汚染はありません」のみで、会場からの質問にもちぐはぐな答えが繰り返されました。

会場の様子はIWJによって中継され、アーカイブも見ることができます。ぜひご覧ください。

★IWJ 福島チャンネル1 鮫川村焼却処分場に関する住民説明会
 http://www.ustream.tv/recorded/28051203
★IWJ 福島チャンネル1 鮫川村焼却処分場に関する住民説明会2
http://www.ustream.tv/recorded/28058292
★メモ:鮫川村・大樂勝弘村長の議会発言&2012/12/26鮫川村焼却処分場建設に関する住民説明会(ツイートまとめ)
http://togetter.com/li/413491

かけがえのないもの

2012-11-12 08:51:13 | 鮫川村
「安全・安心な農産物は鮫川から・・・」http://www.vill.samegawa.fukushima.jp/index.php?code=198

「阿武隈山系の豊かな自然に恵まれ栽培された鮫川村産の農産物を、一人でも多くの方に食べていただきたい。」

美しい自然の中で人々が地道に取り組んできた「ゆうきの里」づくり。
無農薬・減農薬農作物、村産大豆から作り上げた豆腐、納豆などの加工品を販売する直売所「手・まめ・館」は、地元の人だけでなく遠路からの客たちを魅了してやまない。丹精込めた手作りの品々は村人たちの夢が詰まったかけがえのない努力の結晶だ。
私もこのブランドをこよなく愛するファンの一人。
観光地の少ないこの地元でお奨めする土産物の筆頭に挙げ、東京の家族や友人たち、お世話になった人には必ずここの品を贈り、手放しで喜ばれている。」

「こんなに美味しい豆腐は生まれて初めて食べた。」

「ほかの豆腐はもう食べられない。」

私もその一人である。

 
そんな「本物の美味しさ」の秘訣は豊かな自然が育む清流の水である。
HPによると、水の安全性をこのようにPRしている。


「お米や野菜の栽培には“水”が不可欠です。みなさんに安心して農産物を栽培していただくため、農業用水の水質検査を平成20年10月22日に村内の3か所で実施しました。
 今回の検査の結果では、それぞれの調査地点で環境基準以内の数値となりましたので、鮫川村内で生産される農産物の栽培に使用する水は“安全な水”であることが証明されました。
 これからも安全できれいな水を守り続けていきます。」


村は祖先の代から守り続けてきた自然と大地と水を、焼却処分施設によって台無しにしようとしているのではないか。
先のブログにも書いたように、予定地は豊富な水源涵養地であり3つの河川の源流となっている。専門家は、「絶対に建設してはならない場所」と断言している。

風評を懸念して設置場所は非公開とされる。しかしそれでいいのか。
この政策は村を信頼して協力し応援してきた村人と全国各地のファンを裏切るものなのではないか。

一度失った信頼を取り戻すのは容易ではない。
その代償は、あまりにも大きい。




沢水を試飲する関口鉄夫先生。先生は「これは日本酒に最適」と太鼓判を押し、
「ここは神様からの贈り物のような場所」と仰った。