Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

「使える英語表現」(No. 129)「行方不明になっている本はまだ見つかっていないんだ。」

2010-02-02 | Weblog
表現129)The missing books have yet to be found.(行方不明になっている本はまだ見つかっていないんだ。)

今回は、[ have yet to be 過去分詞(found)] という言い方についてお話したいと思います。「ん?haveとyetと、to be found(過去分詞)?」確かに何か変ですよね。辞書を引けば…「~されていない」という意味であることがわかります。でも、それならば、以下の文でもいいですよね。

The missing books have not been found yet.
あるいは、
The missing books have not yet been found.

そう、上の文章、つまり、普通の現在完了形の受け身の形でもいいのです。というか、話す場面によってはその方が自然な場合もあります。ネイティブスピーカーによると、have yet to beの形は多少堅い、あるいはフォーマルな響きがあるため、書き言葉では適切であっても、話し言葉として使う場合は、その状況がカジュアルな場合には使われないとのことです。例えば、外でバスケットボールをしている時にボールがどこかへ行って探しているとしましょう。そんな時には、

The ball has yet to be found.
(ボールがみつからないのです。)

とは言わず、

The ball hasn't been found yet.
(ボール見つからないんだよな~、まだ。)

という感じです。この状況では、上の言い方は変にきどって格好をつけているように響くため、不自然となります。ところが、それが新聞などの活字となると、上の言い方の方が自然に響くことになります。例えば、

A lot of jewels buried in the rubble have yet to be found.
(がれきに埋まった多くの宝石はまだ発見されていない。)

こんな感じです。その形、使い方は何となくわかってもらえたと思いますが、でもその形の不自然さが…気になりません?僕は気になります。have yet to be foundのhaveは一体何なんだということ。have not been foundのhaveは、現在完了形を作る助動詞ですよね。では、have yet to be foundのhaveは、現在完了形を作るhave?

それはおかしいですよね。だって、haveの後には過去分詞がありませんから。そのすぐ後にyetがあるものの、その後にtoがあることから、have (yet) toと考えるのが自然ですが、であれば、have to(しなければならない)の間にyetが入った形?これは間違いなく違います。「でも、haveは動詞か助動詞しかないから、どちらかでしょ?」そうですよね。そこで、これからはあくまで僕の推論です。

1. この場合のhaveは助動詞である。
2. 話者は現在完了形(まだ~されていない)の気持ちをもって話を切り出す。
3. しかし、「まだ」という気持ちを全面に出したいが故に、yetを使う。
4. すると、yetという言葉が強調されるため、to be (found)が出てくる。
5. 結果、頭ではhaveという現在完了形で始まった文が、yetの出現により、have yet to be (found)になる。

「質問!なぜyetが来るとto be foundとかが出てくるんですか?」その答えは以下をご覧ください。

It is yet to be decided.
(それはまだ決定されていない。)
The reason is yet to be determined.
(理由はまだはっきりしていない。)
His transfer is yet to be announced.
(彼の転勤はまだ発表されていない。)
It is a yet-to-be-announced product.
(それはまだ発表されていない製品です。)
It is a yet-to-be-released piece of information.
(それはまだ公にされていない情報です。)

つまり、「まだ~されていない」と言いたい時にyetを使うと、その慣用的使用の頻度が高い[yet to be+過去分詞]がすぐに想起され、その結果文法的にはおかしい以下の文章ができることになるのです。

(頭の中の文構造)
the missing books[ [ have ]+[過去分詞→0] ]+[yet to be found]
↓(そして…)
The missing books have yet to be found.

これが僕の推論です。このことをネイティブの何人かに確認したところ、「う~ん、そうかもしれない。」「かな~?わからない。」「そんなことはどうでもいいんじゃない。要は、そう言う表現があって、そのまま覚えればいいのよ。」

最後のご意見、大変ごもっとも…。しかし!僕は理屈がつかないと嫌なのです。(「悪い性格…」)ん?あ、皆さんは今回の記事から以下のことを学んでもらえたらそれで結構です。

1. [have yet to be過去分詞]という言い方があり、それは現在完了形の受け身(have+been+過去分詞)が表す「まだ~されていない」という意味を表すこと。
2. [(be) yet to be過去分詞]という言い方もあり、これは「これから~される」という未来(予定)を意味する「~されていない」という意味であること。

では、最後に今回の表現を再度見てください。

The missing books have yet to be found.
(行方不明になっている本はまだ見つかっていないんだ。)

This is all for today. See you in the next story, folks. In the meantime, have a good one! nao