Naoの誰でもわかる!英語の話

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英文を理解する:動詞+ingの使い方は?(Part2)

2013-02-14 | Weblog
前回、英文の基本的構造についてお話しました。まだ読んでいらっしゃらない方は、是非前回をまずお読みくださいね。念のため、問題の文章を再度記します。

He started to question the importance of studying English paying expensive tuition fees since sometime in September.
(彼は、9月のいつ頃からか、高い授業料を払って英語を勉強することの意味に疑問を持つようになった。)

では、前回お話した原則を頭においてこの文章を見ていきましょう。まずは、その原則のおさらいから。

原則(1)
「一つの英文は、主語となる名詞(厳密に言うと、名詞句(=限定詞+名詞))と、それに続く動詞句(=主動詞+名詞句(=限定詞+名詞/目的語)+前置詞句(=前置詞+名詞句)等)で出来ている。但し、主動詞が目的語を取らない場合(自動詞である場合)は、名詞句は必要ない。」

原則(2)
「動詞が一つあれば、必ずその主語となる名詞句があり、それらで一つの文を構成する。」

これらの原則を念頭においた上で、問題の文章を見てみましょう。すると、この文が構造的には以下の二つの文(Sentence)、S1とS2に分かれることがわかります。

S1: he started to question the importance of studying English since sometime in September

[構造:S=NP(he)+VP(=V(started to question)+NP(the importance of studying English)+PP(since sometime)+PP(in September))]

[意味:彼は、9月のいつ頃からか、英語を勉強することの意味に疑問を持つようになった]

「あれ?真ん中の「paying expensive tuition fees」がない???」

ですよね。それは、それ(S2)がS1の「文」とは違う文だからです。文の最後にあった、since sometime in Septemberという二つの前置詞句は、意味上S1にかかっているので、S1の仲間となります。

「違う文?同じ文の一部じゃん」

はい、もちろんそうなんですが~もともとは、つまり、頭の中で正しい(文法的な)文を作る過程において、最初はその部分は別の文だったんです。上記の原則を見てもらうとそのことがわかると思いますが。なので、問題の文は、以下のS1とS2とから出来ていることになります。

S1: he started to question the importance of studying English since sometime in September
[意味:彼は、9月のいつ頃からか、英語を勉強することの意味に疑問を持つようになった]

S2: paying expensive tuition fees 
[意味:高い授業料を払って]

S1は原則に照らして英文として問題はないですよね。では、S2はどうでしょう?原則(2)から見てみましょう。

原則(2)
「動詞が一つあれば、必ずその主語となる名詞句があり、それらで一つの文を構成する。」

S2の冒頭にある言葉はpaying(pay+ing)。pay(支払う)は、ingと結合して今は通常の動詞形にはなっていませんが、もともとは動詞だったわけなので、原則(2)が適用されます。つまり、「動詞があれば必ずその主語がなくてはならない。」そして、主語と動詞があれば、それで「文」が出来る(出来ている)。つまり、S2も、一つ動詞がある以上、一つの文を構成しているということですね。この場合、主動詞はもちろんpay。では、その主語は?S2にはないですよね。でも、文である以上、あるはず!そう、この場合、payの主語は隠れているわけで、そしてそれが何かは皆さんすでにわかってますよね。当然、S1の主語である「he」ですね。

主語が「隠れている」ということは、書かなくても、あるいは、言わなくても、読み手(あるいは、聞き手)がその主語の存在を理解でき、その文全体の意味を理解できるということを意味します。だから、書く(言う)必要がないわけです。つまり、これは我々が実際に見る、聞く文章の形と、その意味を理解するために頭(頭脳)が処理している文の形とは違うということを意味します。このような違いを理解するために、ちょっと難しく聞こえるかも知れませんが、できれば以下の言葉を理解してもらえたと思います。

「文の深層構造(Basic Structure)と表層構造(Surface Structure)」

文の「深層構造」とは、私たちが意味のある文(言葉)を口頭で言う時に、あるいは作文するときに最初に頭の中でつくる、文の基礎構造とも言うべきもののことを言います。この時点では頭の中に考えが浮かんだ状態なので、そのままではちゃんとした文(文法的な文)とはなっていません。それを表に出す(発話・作文する)ためには、適切な規則(いわゆる「文法」)を適用する必要があります。必要な規則が適用されて初めてちゃんとした文(文法的な文)になるわけです。そして、その文法的な文が持つ構造のことを、実際に表に出る文章構造という意味で、「表層構造」と言います。私たちが日常聞く、読む、「正しい文章」のことを意味していると思ってもらえばいいです。

では、再度問題の文に戻りましょう。S2の文は以下です。

S2: paying expensive tuition
(意味:高い授業料を払って)

これはpayという動詞があるので、一つの文ということになりますね(原則2)。しかし、その主語は表には出ておらず、隠れており、その主語はS1にある「he」であることは明白。つまり、深層構造では主語のheがあったが、表層構造ではそれがなくなっている、ということになりますね。

では、S2の深層構造を見てみましょう。以下がその構造です。

he paid expensive tuition fees 
*かなり単純化していますので、念のため。

ということは、問題の文全体は、頭の中では以下の二つの文(深層構造)があったことになります。

S1: he started to question the importance of studying English since 
      sometime in September
S2: he paid expensive tuition fees

では、これらの二つが一緒になる過程を考えてみましょう。heは同じ人なので、後のheは省略されますね。

(S1+S2)
he started to question the importance of studying English (he) paid expensive tuition fees since sometime in September

しかしこれでは、一つの文としてはおかしいですよね。原則(1)を再度見てください。

原則(1)
「一つの英文は、主語となる名詞(厳密に言うと、名詞句(=限定詞+名詞))と、それに続く動詞句(=主動詞+名詞句(=限定詞+名詞/目的語)+前置詞句(=前置詞+名詞句)等)で出来ている。但し、主動詞が目的語を取らない場合(自動詞である場合)は、名詞句は必要ない。」

ここで大事なのは、一つの英文には、主語となる名詞句に対し、主動詞が一つ、つまり、一対一の関係があるということ。そして、主動詞のみが文の重要な要素である時制を持つことができるということです。そう、「主動詞のみが時制を持つことができる」ことを理解してください。すると、以下のままでは一文になることができないですよね。

he started to question the importance of studying English (he) paid expensive tuition fees since sometime in September

主動詞はstarted。この動詞だけが時制(過去)を持つことができ、その後に来る動詞のpayは時制を持つことができない。では、payはどんな形になるのかというと…時制をもたない動詞(の形)になります。

「時制を持たない動詞?」

そうです。時制を持たない動詞とは、現在分詞、過去分詞、そして、不定詞のtoの後にくる動詞の原形のことを指します。上記の文においては、payは過去時制を持てないのでpaidになれず、paying という現在分詞になってstartedを主動詞とする文の一部になります。そして最終的に以下の正しい(文法的な)文となり、表(表層)に出ることになるわけです。

He started to question the importance of studying English paying expensive tuition fees since sometime in September.
(彼は、9月のいつ頃からか、高い授業料を払って英語を勉強することの意味に疑問を持つようになった。)

「まあ、理屈はわかったけど…でも、自分でそんな文を作ることはできないよな~」

なるほど…。その気持ちはよくわかります。つまり、そのような文の制作過程がわからないと、自分ではそんな文は作れないってことですよね。では、ここからその制作過程を考えてみましょう。まずは、基本の考え方から。以下のことを頭に入れてください。

■一つの英文で主語が同じである動詞が二つ以上あった場合は、その一番大事な動詞(主動詞)のみが時制を持ち、他の動詞はすべて時制を持たない動詞(現在分詞、過去分詞、(to+)原形)へと格下げされる。その際、時制を持たない動詞の主語はすべて省略される。

以下がその簡単な例文です。

a. Bill came here running.
(ビルは走ってここに来た)

b. Bill came here running, laughing in a loud voice.
(ビルは大きな声で笑いながら、走ってここに来た)

c. Bill came here running, laughing in a loud voice, waving his hand.
(ビルは大きな声で笑いながら、手を振りながら、走ってここに来た)

これらの文を作る時には、一人の人間(主語/この場合はBillですね)が同時にいくつかのことをしているというイメージが頭に描かれています。もちろん、そういう場面に遭遇したときには自然に頭の中でその映像を見ることになりますよね。そうすると、主語+主動詞+現在分詞(時制を持たない動詞)×αという形に自然になるわけです。

簡単に言うと、「一人、あるいは一つの主語をある動詞を使って説明するとき、その最も重要な動詞(主動詞)については、それが今起こっているものなのか過去のことなのか(あるは、未来に行うのか)をはっきりさせるために時制を付ける。その際、その主語についてさらに説明を加えたいと思い、別の動詞が頭に浮かぶようであれば、その説明となる動詞を時制を持たない動詞形(現在分詞、過去分詞、(to+)原形)へと格下げし、その後にくっつければいい。」ということになります。

いかがでしょうか?何度か読んでもらうと、その感じがわかってもらえると思います。では、問題の文章を上記の考えを頭に入れた上で、再度読んでみてください。

He started to question the importance of studying English paying expensive tuition fees since sometime in September.

日本語の発想の流れは以下のような感じになるのではないでしょうか。

[彼は疑問を持ち始めた](何に)[英語を勉強することの意味に](そればいつ頃からかというと)[9月のいつ頃からか](そのために)「彼は高い授業料を払っていた]

[彼は英語を勉強することの意味に疑問を持ち始めた][高い授業料を払って][(そんな気持ちを)9月のいつ頃からか(持つようになった)]

[彼は英語を勉強することの意味に疑問を持ち始めた][高い授業料を払ってまで][9月のいつ頃からか]

彼は9月のいつ頃からか、高い授業料を払ってまで英語を勉強することの意味に疑問を持ち始めた。

とまあ、こんな具合になるのでは…。もちろん、これが正しいということではありませんので、念のため。

さて、今回はずいぶん長い説明が続きましたので、みなさんはきっと、

「結局問題となった文章(He started to question the importance of studying English paying expensive tuition fees since sometime in September.)にあるようなpayingを自然に使うにはどうしたらいいの?」

とお思いのことと思いますので、最後にこの問いについて簡潔に答えて、この問題を終わりたいと思います。要は簡単です。以下のようにしてください。

★頭に入れておくこと
「自分の言いたいことを、主語1つ、動詞1つ、目的語、前置詞等を使ってちゃんとした一つの文にする。そして、その時に主語についてさらに説明を加えたいと思った時に動詞が頭に浮かぶようなら、その動詞を、�ingの形にする(主動詞と同時進行しているという意味を出したい時)、�過去分詞にする(される等の受け身の意味を出したい場合)、あるいは、�to+原形にする(するため、すべき等の意味を出したい時)。後はその動詞を中心に、既に言った主語を念頭において通常の文型を作る。」これで2つ以上の文を含んだ複雑な(?)文章が簡単にできます!

どうでしょうか?この説明でわかっていただけたでしょうか? I hope so. English is not so difficult as long as you understand the basic principle of its sentence structure as seen in this blog. I hope to write more in the near future, but in the meantime, please read the stories I wrote in the past when you have time. I thank you, always, for your readership. Have a good one, folks!  nao

英文を理解する:動詞+ingの使い方は?(Part1)

2013-02-12 | Weblog
今回も読者(Thank you, Charoko!)の方からの質問に答える形で英語の話しをしたいと思います。質問は、以下のような文で使われている「動詞+ing」(以下の場合はpaying)が、意味はわかっても、自分ではなかなかうまく使えない…どういう風(文法的)に理解すればいいのか、つまり、どうしたらうまく使えるようになるのか、という趣旨の質問です。では、まず、その文を見てみましょう。

He started to question the importance of studying English paying expensive tuition fees since sometime in September.
(彼は9月のいつ頃からか、高い授業料を払ってまで英語を勉強することの意味に疑問を持ち始めた。)

この文章でpayingがどのように作られたかを理解するためには(あるいは、自分でこのような文章を書くためには)英文構造の基本的理解が必要となります。

「英文構造の基本的理解?何かむずかしそう~…」

いやいや、これが簡単なんです!これさえわかれば、これまでわからなかった文型がはっきりわかるようになりますよ。That’s a promise! ということで、まずは「英文の基本的構造とは何か?」からお話したいと思います。お付き合いくださいね。

話しは簡単です。多少単純化しますが、まずは次の原則をしっかり頭に入れてください。

原則(1)
「一つの英文は、主語となる名詞(厳密に言うと、名詞句(=限定詞+名詞))と、それに続く動詞句(=主動詞+名詞句(=限定詞+名詞/目的語)+前置詞句(=前置詞+名詞句)等)で出来ている。但し、主動詞が目的語を取らない場合(自動詞である場合)は、名詞句は必要ない。」

ちょっと規則っぽく書くと、以下のようになります。

S(entence)=NP(Noun Phrase/名詞句)+VP(Verb Phrase/動詞句)

注1)NP/Noun Phrase/名詞句=Determiner/Det/限定詞+Noun/N/名詞)

-名詞句とは、限定詞と名詞で構成される、一つの意味の固まりのことを言います。限定詞とは、名詞がどのようなものかを表す(限定する)言葉のことを意味します。冠詞(a, the)や所有代名詞(my, your, his, her, their)などがその代表的なものです。

注2)VP/Verb Phrase/動詞句=Verb(V/動詞)+NP/名詞句(上記参照)+PP/前置詞句(=P/前置詞+NP/名詞句(上記参照))

-動詞句とは、動詞を中心に構成される、一つの意味を固まりのことを言います。句の頭には動詞が、動詞が他動詞の場合にはそのすぐ後に名詞句(これは動詞の「目的語」と呼ばれます)、そして、その他必要な情報を提供するための前置詞句(前置詞と名詞句で構成される)がその後に続きます。
-前置詞句とは、前置詞と名詞句からできている一つの意味の固まりのことを言います。

原則(1)を言い換えると、以下のようになります。

「英文は、主語の名詞句(主部)と動詞句(述部)で出来ている。動詞句は、基本的に、その頭に来る動詞(主動詞)と名詞句(*動詞が他動詞の場合)、そしてその他必要な情報を提供する前置詞句で出来ている。」

記号だけで書くと以下のようになります。

S=NP[Det+N]+VP[V+NP(Det+N)+PP(P+NP) ]

え!ややこしい?ふむ…では、例として簡単な英文を見てみましょう。上述したことを頭において見てくださいね。最初はもっとも簡単な例です。

I ran.
(私は走った)

この場合、主動詞のrunは自動詞(目的を取らない動詞)なので、これで文が成り立ちますね。もし、主動詞が他動詞(目的語(名詞句)を取る動詞)であれば、その動詞のすぐ後に名詞句(NP=Noun Phrase)が来ますので、その場合は、動詞を頭にした動詞句(VP=Verb Phrase)が主語の名詞句ととともに文を構成することになります。以下がその例文です。

I drank a cup of coffee.
(私はコーヒーを一杯飲んだ)

そして、コーヒーを飲んだ場所のことを伝えたければ、前置詞句を付けてその情報を提供します。すると、以下のような文になりますね。

I drank a cup of coffee at Starbucks.

「こんな簡単な英文、分かるにきまってるじゃん!ばかにしてる?」

いえいえ、まさかそんな…(冷汗)。あくまで説明のためですので、今しばらく我慢してお読みください。(Appreciate your patience...)。

ここで、上記原則(1)を以下のように簡潔に言い換えたいと思います。本当に覚えてほしいのは次のことです。

原則(2)
「動詞が一つあれば、必ずその主語となる名詞句があり、それらで一つの文を構成する。」

つまり、動詞があれば、必ずその主語となる名詞句が前にあるということです。しかし、時としてややこしいのは、その名詞句が文の中に見えていない(隠れている)場合があることです。とはいっても、動詞があれば必ずその前に見えていようがなかろうが、「その動詞の主語となる名詞句がある!」ということを絶対に忘れてはいけません。もし、文の中にある動詞の主語がどれか即座にわからない場合(つまり、「文」の意味がはっきりわからない場合)は、「ん?この動詞の主語(名詞句)はどれ?」と探して理解することが必要です。さて、ここまでわかってもらえたでしょうか?もしまだはっきりわからない場合は、ここまでをもう一度読んでみてくださいね。

さて、ここから本題の英文の理解に入りたいと思うのですが…ちょっと長くなりましたので、今回はその理解の鍵となる英文の基本的構造の話で止めておきたいと思います。本題の文については次回のブログでお話しますので、次回もよろしくお付き合いください。See you soon in the next story, guys. (End of Part 1)