Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

間違いやすい英語(5)

2010-02-01 | Weblog
間違いやすい英語(5)getとtake

今回は僕の大切な読者の方からの質問に答える形で、誰もが知っている単語、しかし、時に何となくわかりにくくなる単語である、getとtakeの違いを考えてみたいと思います。(「わかってるよ~」と言う皆さんも、是非読んでください!)。

この二つの単語の違いをよくよく考えると、文脈によってははっきり違う場合もあれば、同じような意味になる場合もあることがわかります。出来るだけ一般化してわかりやすく説明したいと思います。(大丈夫かな~?)ではまず、以下の文章を見比べてください。あ、よく読み込んでくださいね。そうでないとわからなくなりますよ。最初は英語だけ読んでください。そして何度か読んだ後で日本語を読んで、その意味を確認してください。

A) I will let you know when I get it back.
(それが戻ってきて手に入ったら(得たら)知らせるよ。)
B) I will let you know when I take it back.
(① それを取り戻したら知らせるよ。②それを戻してきたら知らせるよ。)

どうでしょう?この意味の違い、わかりました?ちなみにgetの場合は、「得る」という概念を示す、と理解すれば、それでいいと思います。A)の文章のgetもそんな意味ですね。では、takeの場合は…これは二つの意味があります。まず、getとかけ離れた意味としては、「持って行く」「連れて行く」などの意味がありますよね。以下の例文をどうぞ。

Don't forget to take an umbrella with you.
(傘を持って行くのを忘れないでね。)
I would like to take you to the restaurant.
(君をそのレストランに連れていきたいな。)

この使い方(「持って行く」)が、上のB)の文章の②の意味です。TsutayaかどこかでCDやDVDを借りて、それを「返しに行く」という感じですね。

次に、getと近い意味を示す場合のtakeについて。以下をご覧ください。

I will get it for you.
(君のためにそれを手に入れてやるよ。)
I will take it for you.
(君のためにそれを取ってやるよ。)

さて、これらの違いはどんな感じでしょう?僕の直感では、日本語の「得る」と「取る」の違いです。つまり、getは、その「得る」「手に入る」状態を表し、その単語自体には「積極的に手に入れる、取りに行く」という気持ちは入っていない。その気持ちはwillとか音調(強く発音する)などで表現されます。一方、takeは、それ自体で「取りに行く」「手を伸ばして取る」「選択する」といった積極的な行動を表します。上のB)の文の①の意味はこれに当たります。再度B)の文を見てください。

B) I will let you know when I take it back.

訳の①は、「それを取り戻したら知らせるよ。」でしたよね。この場合のtakeは、「積極的に手に入れる、取りに行く」という感じで、誰かに貸している物を「取り返してくる」という意味になります。

では冒頭のテーマに戻って、「getとtakeはどう違うのか?」「どう使い分けるのか?」の答えをまとめてみましょう。まず、概念的理解は、getは「得る」、takeは「取る」と理解します。極めてシンプルな文でそれを確認してください。

I will get it.
I will take it.

文脈がない分、なんとなく微妙な違いを感じますよね。getは、「得る」状態が全面に出ますが、takeの場合は、そのための行動が意味の中心になっているように感じません?この場合のgetとtakeの違いは、受け身的(passive)な意味(状態)を表すのがgetで、能動的(active)な意味を表すのがtakeと言えるかと思います。

「でも、概念的な違いを理解しても、実際使うとなるとなあ…」そのご意見、ごもっともです。実際それらがどう使われるのかを理解するためには、やはり、それらを慣用的用法の中で実感するしかないと思います。例えば、

May I take a message?(メッセージをお聞きしましょうか?)とは言いますが、May I get a message?(メッセージをもらってもいいですか?)とは言わないですよね。でも、I got a message.に対して、I took a message.と言うことはできますよね。ただその場合、I got a message. が、「メッセージをもらったんだ。」と、自分が自分に対するメッセージを受け取った(得た)ということを表す一方、I took a message.は、「メッセージを受け取った」という事実は伝えるものの、そのメッセージが誰のためのメッセージかはわかりません。つまり、その状況によってはどちらの文も正しいことになるわけです。

同じような言い方で、I got an email. とは言いますが、I took an email.とは言いません。なぜならば、メッセージは「取る」(書き取る、聞き取る)対象になるので、I took a message.と言えるわけですが、emailは「取る」対象にはなりませんから、I took an emailとは言わないわけです。つまり、takeを使う(takeが使われる)理由(意味)、文脈がない時にはtakeは使えないということです。

では、みんなで食事中に、誰かがテーブルの上に置いている何か(食べ物とか)を取ろうとしてI will get it.と言うのと、I will take it.と言うのとでは、その意味に違いがあるでしょうか?答えは…I will get it.の場合は、その後にfor がつけば、誰かのために「取ってあげる」意味にもなりますし、「大丈夫、自分で取れるよ」の意味にもなります。しかし、I will take it.の場合は、「僕がもらうよ」と言う意味の「僕が取るよ」になります。この場合のgetとtake は、その状況から大きく違いますよね。

このように、getとtakeは、文脈によってはその意味が大きく違う場合もあれば、ほとんど変わらない場合もあります。ですから、それぞれの決まり文句(慣用表現/慣用句)(take a message, take a walk, get a handle on, get the picture, etc.)を覚えることでその違いを理解することが大事であるとともに手っ取り早いと言えます。しかし、そうでない場合は、前述の基本的概念の違い(getは「得る」でtakeは「取る」)を頭に置いて理解する、あるいは使えば、それほど大きな間違いはしないものと思います。もちろん、あくまで僕の考えですので、それで大きな間違いをおかしてしまった場合は…ご勘弁を(笑)。

今回は誰でも知っている、getとtakeの話でした。「あまり学ぶものが…」Stop!分かりきったものと思っているものを再度考えるのも大事なんですよ。You should not “take” anything for granted.(何も当たり前と考えてはいけませんよ。)If you think hard about something, you should “get” something out of it.(何かを一所懸命考えれば、それから何かを得られるものです。)Get it?(わかります?)See you in the next story, folks. Goodbye! nao