ターニャは幸せになったけど

2007年01月20日 | Weblog
もう閉鎖されているが、『ターニャの部屋』と言うHPがあった。ある日本人の男性Sさんが旧ソ連のウクライナの女性ターニャさんと知り合い、結婚し、日本で一緒に暮らすまでの顛末を書いてあった。Sさんの書く文章が上手く、面白く読んだ。その中で結婚前にターニャさんとSさんがウクライナの空港近くのホテルに宿泊する場面が出て来る。彼女が疑問を呈する。日本では誰でも自由に好きなホテルに泊まれるのか。ウクライナではパスポート(一般的な意味でのパスポートではなく身分証明書の様なもの)がなければホテルに宿泊できないし、隣の部屋に秘密警察が潜んでいたらどうするの?と真顔で心配するのである。ウクライナがソ連から分離独立して、すでに数年経ち、もちろん、彼女は政治的な活動は一切行っていない普通の会社員であるにもかかわらずにだ。

(画像は季節さんからお借りしました)

    安倍晋三首相は19日午前、長勢甚遠法相、谷内正太郎外務事務次官
    と官邸で会い、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案などについて
    、25日召集の通常国会で成立を図るよう指示した。長勢法相は、継
    続審議になっている同改正案の修正も検討する考えを示した。
    首相は法相らに対し「国際社会で組織犯罪に対応していく役割を果た
    す上で早期に(国際組織犯罪防止法条約を)批准をする必要がある」
    と指摘した。これを受け、法相は19日午前の記者会見で、改正案の
    修正について「具体的に修正の内容を持っているわけではない。どう
    すれば円滑に、早期に成立を図れるか相談したい。これまでの国会の
    経過を踏まえて検討すべきことは検討する」と述べた。(共同 2007
    年01月19日 12時13分)

共謀罪が成立すれば、言論の自由など何処かに消し飛んでしまうだろう。国際テロ対策という一見もっともらしいお題目を掲げているが、共謀罪を新設しなくても国際組織犯罪防止条約は批准出来る。政権のこの動きは現行の刑法と刑事訴訟法を換骨奪胎することを狙っているのだろう。もし本当に必要なら、正々堂々と刑法改正の議論を国会で展開すればいい。日本のこれまでの法体系を根底から覆すことになる。大体そういう認識すら壺三にはないのではないか。

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ターニャさんは無事にSさんと結婚し、故国より自由な日本で幸せな生活を送り始める。しかし、故国での警察官僚による頻繁な職務質問や賄賂を要求された記憶が蘇り、隣人を信用するのに時間が掛かる。日本をそんな国にしてはならない。

参照 情報流通促進計画byヤメ記者弁護士さん