~このお話は、ばあさんの夢と妄想によるフィクションです。~
翌日私は、阪急電車で河原町に出て、両足院を拝観した。
前建仁寺住持の龍山徳見が創建の搭頭、本尊は阿弥陀如来。
方丈は嘉永年間のもので、300坪の庭園は、枯山水の方丈前庭と
池泉廻遊式の書院前庭からなる。
池の北側にある茶室水月亭は織田有楽斎の茶室「如庵」の写しで、
露地・林泉は薮内家五代竹心紹智作と伝え、
伝如拙筆「三教図」や長谷川等伯筆の「松に童子図」などを所蔵している。
若冲筆「雪梅雄鶏図」がさりげなく床に掛けられていた。
美術館のようにガラス越しではない若冲を拝見したのはここが初めてだった。
若冲の雪の作品のなかでは、とても穏やか。
一面に雪が積もった静寂な朝
コッコと一羽の雄鶏が何かを啄む一瞬をとらえたのか?
雪と鶏冠と椿のような花の色が印象的な作品だった。
寒い時期なので、拝観者もほとんどいなくて、
息がかかってしまうのではと心配なくらい
間近でゆっくりと鑑賞することが出来た。
きっと相当長居をして眺めていたようで、
両足院に関しては、若冲の軸しか記憶に残っていない。
建仁寺も拝観して、そのあと祇園にある店で
とても可愛らしい豆寿司の昼食を取り、
家族にはデパ地下で鯖寿司と大好きな柚子の香のするいなり寿司を買って、
京都駅に行くために地下鉄に乗った。
京都の王道といえばバスであろう。
しかし、邪道といわれるが、私は、京都市営地下鉄のヘビーユーザーである。
どこに行くのも、まず行けるところまで地下鉄を利用する。
かの君とのきっかけも地下鉄の駅だったし、走れば走るほど赤字と聞くと、
納税者ではないので、いささか申し訳ない気持になるが、
私にとっては「市営地下鉄さまさま♪」なのである。
京都駅に着いて、のぞみの時間にはまだ少し余裕があるので、
試験に出るまで知らなかった京都駅ビルの大階段下の室町小路広場で、
平安京建都1200年記念
七代目清水九兵衛作「朱甲舞」の巨大な舞人を観たりして時間をつぶした。
「のぞみ242号」は定刻に京都駅を出発した。
駅を出てトンネルを抜けたころ、携帯にメールが入った。
かの君であった。
「大たこの君へ☆
若冲は堪能されましたか?
この度は、突然なお誘いにもかかわらず、
大阪まで御足労いただき、お疲れ様でした。
おかげさまで、私も大変楽しい時を過ごすことができました。
今後とも、『京都検定チャレンジャー』同志として、
末永くお付合い願えれば幸いです。
もうすぐ、結果がくるころですね。
お話から推察すると、あなたもきっと合格していますよ。
これからは、1級目指して、お互いに頑張りましょう。」
私は、この東山トンネルに、特別の思い入れがある。
行きは、トンネルに入ると「さぁ京都だぁ♪」とワクワクするし、
帰りはトンネルまで、車窓を流れる京都の街を見つめながら
「また来られますように!」と願いをこめて別れを告げる。
昨日、そんな話をしたもので、
きっとかの君は、時間を計ってメールをいれてきたのであろう。
「走る浴衣の君」も決して雅ではないが、この時から
私は「大たこ」に格下げとなった。
翌日私は、阪急電車で河原町に出て、両足院を拝観した。
前建仁寺住持の龍山徳見が創建の搭頭、本尊は阿弥陀如来。
方丈は嘉永年間のもので、300坪の庭園は、枯山水の方丈前庭と
池泉廻遊式の書院前庭からなる。
池の北側にある茶室水月亭は織田有楽斎の茶室「如庵」の写しで、
露地・林泉は薮内家五代竹心紹智作と伝え、
伝如拙筆「三教図」や長谷川等伯筆の「松に童子図」などを所蔵している。
若冲筆「雪梅雄鶏図」がさりげなく床に掛けられていた。
美術館のようにガラス越しではない若冲を拝見したのはここが初めてだった。
若冲の雪の作品のなかでは、とても穏やか。
一面に雪が積もった静寂な朝
コッコと一羽の雄鶏が何かを啄む一瞬をとらえたのか?
雪と鶏冠と椿のような花の色が印象的な作品だった。
寒い時期なので、拝観者もほとんどいなくて、
息がかかってしまうのではと心配なくらい
間近でゆっくりと鑑賞することが出来た。
きっと相当長居をして眺めていたようで、
両足院に関しては、若冲の軸しか記憶に残っていない。
建仁寺も拝観して、そのあと祇園にある店で
とても可愛らしい豆寿司の昼食を取り、
家族にはデパ地下で鯖寿司と大好きな柚子の香のするいなり寿司を買って、
京都駅に行くために地下鉄に乗った。
京都の王道といえばバスであろう。
しかし、邪道といわれるが、私は、京都市営地下鉄のヘビーユーザーである。
どこに行くのも、まず行けるところまで地下鉄を利用する。
かの君とのきっかけも地下鉄の駅だったし、走れば走るほど赤字と聞くと、
納税者ではないので、いささか申し訳ない気持になるが、
私にとっては「市営地下鉄さまさま♪」なのである。
京都駅に着いて、のぞみの時間にはまだ少し余裕があるので、
試験に出るまで知らなかった京都駅ビルの大階段下の室町小路広場で、
平安京建都1200年記念
七代目清水九兵衛作「朱甲舞」の巨大な舞人を観たりして時間をつぶした。
「のぞみ242号」は定刻に京都駅を出発した。
駅を出てトンネルを抜けたころ、携帯にメールが入った。
かの君であった。
「大たこの君へ☆
若冲は堪能されましたか?
この度は、突然なお誘いにもかかわらず、
大阪まで御足労いただき、お疲れ様でした。
おかげさまで、私も大変楽しい時を過ごすことができました。
今後とも、『京都検定チャレンジャー』同志として、
末永くお付合い願えれば幸いです。
もうすぐ、結果がくるころですね。
お話から推察すると、あなたもきっと合格していますよ。
これからは、1級目指して、お互いに頑張りましょう。」
私は、この東山トンネルに、特別の思い入れがある。
行きは、トンネルに入ると「さぁ京都だぁ♪」とワクワクするし、
帰りはトンネルまで、車窓を流れる京都の街を見つめながら
「また来られますように!」と願いをこめて別れを告げる。
昨日、そんな話をしたもので、
きっとかの君は、時間を計ってメールをいれてきたのであろう。
「走る浴衣の君」も決して雅ではないが、この時から
私は「大たこ」に格下げとなった。