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さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎 夜の部

2013年12月11日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



百有余年にわたる南座の顔見世で、猿翁・猿之助・中車のまねきが揃うのは初めてのことだそうだ。






元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿

口上

猿翁十種の内 黒塚

道行雪故郷 新口村

児雷也





「討たせたい」と綱豊卿が語るくだりが大好きな狂言

綱豊卿と対峙する中車丈の助右衛門、「将軍江戸を去る」の山岡鉄太郎より

内に秘めた想いが必要とされると思うが、なかなか良かった♪

口上の猿翁丈は感動的でやはりひときわオーラを放っておられ

なんといっても猿之助丈の「黒塚」が絶品であった♪♪♪

新口村の藤十郎丈がとにかく初々しい♪

視覚美が見ものの「児雷也」

梅玉丈・愛之助丈・笑也丈・松緑丈の藤橋のだんまりは

絵になっていて蝦蟇くんがとっても可愛かった♪





自身の体調も父のことも気になっていて行かれないだろうと諦めていた顔見世

いろいろとバックアップしてくれた主人と娘に感謝!感謝!



十八世中村勘三郎一周忌メモリアルイベント

2013年10月27日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



築地本願寺で十八世中村勘三郎一周忌メモリアルイベントが開催された。

十八世ゆかりの方々のトークや映画「中村勘三郎」ダイジェスト版の公開

そして勘九郎丈・七之助丈と七緒八くんの三人での舞。


七緒八くんしっかりと舞っておられました。


勘九郎丈が「湿っぽくならないで明るく」と仰っておられたが、

十八世の在りし日の映像にはやはり涙があふれてきてしまった。



不知火検校 

2013年09月03日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



新橋演舞場九月大歌舞伎夜の部へ

幸四郎丈演ずる36年ぶりの「不知火検校」を是非とも拝見したかった。

富の市が検校になるまでの前半は申し訳ないが居眠りがでてしまった。

その中でも魚売富五郎の錦吾丈・小按摩富之助の玉太郎丈・岩瀬藤十郎の友右衛門丈が良く

それぞれの人物の立場や心理が伝わってきた♪

検校になった二幕目からは、さすが幸四郎丈、悪の凄みを感じさせてくれ、

おはんの母おもとの秀太郎丈が登場しただけで舞台が締まった♪

おはんの孝太郎丈・玉太郎の亀鶴丈もいい♪

でも観終わったあと「河内山」のような爽快感を感じることができなかった。

これは俳優たちがどうのこうのと云う問題ではないように私は思う。


作者である宇野信夫は「徹頭徹尾悪い人間を書いてみたかった」そうであるが

十七世勘三郎主演で歌舞伎座で初演されたのは昭和35年、

今から50年も前の日本と現在の日本では社会も人々の心持も変わってしまった。

時代物や南北の世話物であれば「悪」も楽しめるがこのような「新作」の様式では

正直・謙虚・純朴で前向きに生きていた日本人が多かった時代ではなくなった

この生きにくい現代では少々後味が悪い作品と感じてしまったのは私だけだろうか?


今回の公演のパンフレットや筋書きに使われた写真は蜷川実花さんが担当されていて

「悪の華」のイメージが見事に表現されている♪♪♪


「不知火検校」のあとは、がらっと雰囲気をかえての「馬盗人」

やっぱり三津五郎丈で拝見したかった。

一日も早いご快復を祈るばかりである。











ABKAI 市川海老蔵 第一回自主公演

2013年08月14日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



海老蔵丈歌舞伎十八番の内「蛇柳」を拝見にシアターコクーンへ。





そもそも「蛇柳」は宝暦13年(1763)に四世團十郎によって江戸中村座で初演されたもの。

ちょうど若冲さんが「動植綵絵」に取り組んでいたころだと思うが

それ以来上演が途絶え、七世が復活を試みたが上演はかなわず、

十世により昭和22年(1947)に復活上演されて以来その後再演されることはなかったそうだ。

その「蛇柳」を海老蔵丈が復活とくれば観に行かない訳にはいかない!

ご宗家の振付・演出によるまったく新たな構想でつくられた舞踊劇、

白塗りの助太郎・蛇柳の精魂・荒事の金剛丸と

それぞれに海老蔵丈の魅力が活かされていてなかなか良かった♪


もうひとつは「疾風如白狗怒涛之花咲翁物語」とめっぽう長いタイトルのついた「はなさかじいさん」

宮沢章夫氏の脚本・宮本亜門氏演出の新作歌舞伎

脚本に今一つ注文をつけたいが、全編竹本を使い、黒衣や舞台の大道具・小道具も

「歌舞伎」から逸脱しておらず、むしろそれらを効果的に使った演出がいい♪


そして海老蔵丈の三役。舞台に立っているだけでオーラを放つ人だけに

楽しげにかつ全力投球で演じている姿にあの中村屋がよぎった。

中村屋のは丸い魅力で成田屋はとがった魅力♪

これからも持ち前の魅力を武器に大いに挑戦してもらいたいと思った。


愛之助丈のいいおじいさんと吉弥丈のおばあさんも良かった♪






筋書にもかなりのこだわりが感じられてCOOL♪♪♪

小口も三方金でGORGEOUS!!!  

親子で楽しむ歌舞伎

2013年08月02日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



菊之助丈初役の「鷺娘」を拝見に日生劇場へ。

日生劇場開場50周年記念公演の内の「親子で楽しむ歌舞伎」、

「棒しばり」 「歌舞伎のたのしみ」 「鷺娘」など

子供や歌舞伎を初めて観るものにもわかりやすく楽しめる内容の企画である。


ロビーには、歌舞伎の衣裳を着てみたり、黒御簾内の道具を鳴らしてみたり

差し金の蝶をヒラヒラさせたりと子供たちが楽しめる体験コーナーもあり、みんな楽しそう♪

1階席は私が想像していたよりはるかに小さいお子さんが多く

おそらく幼稚園ぐらいから、小学生も低学年・中学年ぐらいだろうか?


歌舞伎案内役の亀三郎丈が「歌舞伎を観るのは初めての人?」と聞くと

「は~い」ってみんな元気に手を挙げ、

動物の鳴き声クイズも「カエル!」「カラス!」としっかり答えが返ってきた。

また、亀三郎丈のお手本を真似ながら客席で大きく手を挙げて頭を左右に回して見得も体験。

小さい子ほど恥ずかしがらないで自然にやっているのが嬉しかった♪♪♪

「三つ子の魂百まで」というが、「本物」に触れさせるのにできるだけ早い方がいいのはこういうことだろう。


幕が開いて「棒しばり」が始まると小さい子には言葉が難しいはずであるが、

おどろくほどみんな集中して観ている。

やんちゃそうな幼稚園児らしい男の子たちにはさすがに「鷺娘」は無理だろうと思ったが

意外にこれもちゃんと観ているのには感動すら覚えた。


長らく児童のための演劇に貢献してきた日生劇場らしく、子供のために客席の高さを調節するシートも

充分に用意されていて、子供たちはとても楽しんでいたようだった。


400年以上進化しながら続いてきた歌舞伎には子供たちにとっても様々な魅力が詰まっているはず、

今宵、子供たちの見る夢の中には、きっと歌舞伎のなにかしらが出てくるであろう。


「棒しばり」「鷺娘」と菊之助丈の大奮闘♪ 


未来の歌舞伎のためにも子供たちが気軽に歌舞伎に触れることができるこんな機会を沢山作って頂きたいと願う。



弟と見得を切ったよ夏休み







歌舞伎鑑賞教室 芦屋道満大内鑑

2013年07月23日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



時蔵丈初役の「葛の葉」を拝見した。

まず、萬太郎丈とくろごちゃんで「歌舞伎のみかた」についての解説があった。

萬太郎丈は、こういう解説が大変わかりやすく説明も上手い♪

私が拝見した日は若い観客が半分以上で、開演前や休憩時かなりうるさかったが、

幕があくと皆さん静かになってかなり真剣に観劇していて、

国立劇場のまわり舞台やセリ・スッポン等の舞台機構や動物の小道具など楽しんでいたようだった。


もとより早替わりや曲書きなど見せ場の多い演目であるが、

登場人物について芝居が始まる前にアニメによる大まかな紹介があるので

初めて歌舞伎を観る人たちもすんなりと芝居に入っていけたのではないだろうか?


時蔵丈の「曲書き」は素晴らしかった♪♪♪


国立劇場はこういう「歌舞伎鑑賞教室」を今以上にもっと開催して、未だ歌舞伎を観たことのない人たちに

「歌舞伎は難しいものではなく、とても楽しいもの」と思ってもらえるように企画してもらいたいと思った。









関西・歌舞伎を愛する会 七月大歌舞伎

2013年07月15日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



松竹座の七月大歌舞伎を拝見した。

昼夜通しのチケットを取ってあったが、

昼の部の「保名」と夜の部の「曽我物語」「一條大蔵譚」を拝見、

関西上演が37年ぶりの「柳影澤蛍火」と

やはり関西ではめったに上演されない「杜若艶色紫」はあきらめることとなった。


と云うのは、今回は早起きが苦手な娘との旅で、新大阪着は11時半過ぎ

また私の我儘で大阪歴史博物館に立ち寄ったことで、

昼の部は「保名」から

そして昼の部が終了して、夜の部の入れ替え中に友人から電話が入って、

お会いしたかった懐かしい方と一緒に宿泊先の京都のホテルに訪ねてくれることとなり

急遽、「一條大蔵譚」までで帰ることになった。


もとより今回は「中村屋ゆかりの演目で十八世を偲ぶ」という仁左衛門丈を拝見したかったので

仁左衛門丈8年ぶりの美しい「保名」と、品格のあるつくり阿呆の大蔵卿を堪能させてもらっただけで大満足で劇場を出た♪♪♪












松嶋屋さんや成駒屋さんはもとよりであるが、私は子供のころから河内屋さんが好きであった。


多くの名優を輩出した関西歌舞伎、関西での興行の隆盛を願うばかりである。






二人椀久

2013年03月25日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎




花冷えの中、新橋演舞場の夜の部へ

染五郎丈初役の大蔵卿は、つくり阿呆の愛らしさの中に品格があり、
心底を明かすところのメリハリが効いていて実に良かった♪

松緑丈の鬼次郎もスッキリと、
壱太郎丈のお京も控えめながら芯のある出来♪

楽しみにしていた染五郎丈の椀久に菊之助丈の松山
若き日の「孝玉」の再来のようにとにかくキレイ、美しい♪♪♪

「二人椀久」といえば歌舞伎座閉場中に旅立たれた雀右衛門丈と富十郎丈

男女の情愛が滲み出るお二人だった。






4月に歌舞伎座が新たに開場となり、演舞場での歌舞伎興行もしばらくは無くなる。

3年通った寂しさがつのる・・・








打ち出しや櫓の外は花冷えに










ル・テアトル銀座

2013年03月21日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



一門を背負う気概や初彼岸


主人の計らいで日曜日に観そこなったル・テアトル銀座の三月花形歌舞伎へ


夏祭浪花鑑・口上・高坏と海老蔵丈出ずっぱりの大奮闘♪

一門を背負い、さらに次世代の歌舞伎界を背負ってたつ立場の自覚と気概に満ち満ちていて、
亡き勘三郎丈や團十郎丈との想い出を客席を笑わせながら偲ぶ見事な口上であった。


米吉丈の琴浦が可愛らしくも傾城の味を出しており、徳兵衛の亀鶴丈もきりっといい出来♪
右之助丈のおつぎはさすが♪♪♪

ル・テアトル銀座も5月末で閉館になるので、この劇場で演劇を拝見するのもこれが最後。

幸四郎丈の「世阿弥」や「マクベス」・・・
玉三郎丈の「楊貴妃」や「ふるあめりか」・・・

元の銀座セゾン劇場時代の舞台がいろいろと思いだされた。





妹背山婦女庭訓 三笠山御殿

2013年03月16日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



銀座に映画を観に行く予定があったので、午前中三月花形大歌舞伎の
「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」だけ拝見するために東銀座へ。

ついでに歌舞伎座と東銀座駅が直結した「木挽町広場」をぶらっとした。
まだ歌舞伎座がオープンしていないのでそれほど人は出ていなく
エスカレーターで地上へ上がると歌舞伎座の前は写真を撮っている方がかなりいらした。







開場まであと17日らしいが、新しい歌舞伎を前にしてもまだ実感がわいてこないのが自分でも不思議だった。





昨日のブログから苧環続きのようであるが、菊之助丈のお三輪が実に良くて泣かされる♪

松緑丈の鱶七も豪快で立派♪ 亀三郎丈の求女と右近丈の橘姫もそれぞれ品格があって美しい♪

若手花形が頑張っていて見ごたえのある月なのに空席が目立つのはちょっと残念・・・






中村勘九郎襲名記念赤坂大歌舞伎

2013年03月09日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎




黄砂きたる芝居見物要マスク


なんて、必要性は感じているけど私はマスクがどうも苦手(笑)


中村勘九郎丈三役早替わりの「怪談乳房榎」を拝見した。

序幕「隅田堤の場」、小山三丈がお元気に茶屋女の役を勤められておられるのが嬉しく、

お身体を案じていたので一安心、ご兄弟二人を助けてこれからも益々ご活躍いただきたい。


私は勘九郎丈の真摯なきっちりとした楷書の演技が好き♪

場内から「早~い!」「凄~い!」「どうなっているの?」

などの早替りのスピード感とテクニックに賞賛の声が多く聞こえていたが、

三役のキャラクターの違いも輪郭がはっきりとしていて、

菱川重信の佇まいはお父さまより絵師の風格があった♪

七之助丈のお関もいい♪

襲名公演途中にお父さまを亡くされ、それでも舞台が続く日々であるが、

どうかお二人力を合わせ次世代の歌舞伎界のために頑張って欲しいと願う。

吉野山

2013年02月16日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



西行忌復帰めでたし吉野山


日生劇場二月大歌舞伎を拝見した。

半年ぶりに舞台へ帰ってこられた染五郎丈♪♪♪

狐忠信は凛々しくて、もともと舞踊の上手い方であるが本当にきっちりと爽やか。
また、「新皿屋舗月雨暈」では、少々酒癖の悪いナイーブな殿さまを演じ
愛妾に裏切られたと誤解して逆上する心理描写が見事であった。

「新皿屋舗月雨暈」は久々に弁天堂からの通しであるが、

「魚屋宗五郎」を楽しむには前半は少々重くて私個人的にはいらないようにも思う。

幕開きは幸四郎丈の口上で始まり、その後浅葱幕が振り落とされるとそこは桜満開の吉野山である。











夢市男達競

2013年01月28日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎




望んでいたとおり横綱日馬富士関の全勝優勝で終わった大相撲千秋楽♪

国立劇場も昨日は初春歌舞伎公演「夢市男達競」の千穐楽。

明治26年1月22日に亡くなった河竹黙阿弥の没後120年に際し、
「櫓太鼓鳴音吉原」を明石志賀之助と傾城薄雲の話をもとに再構成し
菊五郎丈演ずる市郎兵衛が活躍する初春狂言にしたもの。

明石志賀之助とは、日本相撲協会公認の初代横綱だそうだ。

菊之助丈がお相撲さんになるとは意外な驚き、梅枝丈も今回は立役。

團蔵丈と亀蔵丈の敵役コンビが良く、松緑丈のご子息大河君がご立派で大活躍の舞台だった。




初春の道頓堀

2013年01月14日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎


日帰りで大阪松竹座の寿初春大歌舞伎へ。

二幕目から拝見したが、藤十郎丈と猿之助丈の「吉野山」が絶品であった♪
東京での襲名披露から猿之助丈はさらに大きくなられていて
もう押しも押されぬ澤瀉屋一門の総帥の感があった。

猿翁丈と中車丈との「楼門五三桐」を拝見するのを楽しみにしていたが、
あいにく本日は休演されて、替わりに猿之助丈が久吉を勤められたが、
こちらも素晴らしかった。

動きも少なくほんの数分の台詞の中から
天下の石川五右衛門のオーラを放つのは難しく代々重鎮が勤めてきた役。

うたいあげるような台詞まわしや時代物独特の型などの出来を
いきなり中車丈に求めるのは気の毒というものだが、
中車丈の眼光のなかに、私はたしかに五右衛門を感じた。

朝家を出る時は激しい雨がふっていたが、大坂に着くころには
ほとんど雨もやんで、松竹座を出る頃には雲も晴れそうであったのに
東京に戻ってきたら大雪でびっくり仰天!



雀右衛門さんを想う

2013年01月02日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎



父を主人に頼んで、娘と初芝居に。

演舞場の初春大歌舞伎の演目は、お正月らしいおめでたい演目と
大のファンだった四世中村雀右衛門一周忌追善狂言があり、
ご子息の芝雀丈と吉右衛門丈との「傾城反魂香」を拝見し、
おとくの相手役をたてた細やかな気配りに在りし日のおとうさまが懐かしく思いだされた。

劇場ロビーには、文化勲章をかけられて穏やかに笑っておられる
雀右衛門さんの遺影と当り役とされた演目の写真が飾られていたが、
私の中では「金閣寺」の雪姫が一番想い出に残っている。

今でも胸に焼きついているのは、「二人椀久」の松山や仁左衛門丈の襲名時の「廓文章」の夕霧
今は亡き富十郎さんや芝翫さんら人間国宝揃い踏みみたいな
「野崎村」のお染の可憐で美しかったこと♪

ご高齢になられてからも娘役やお姫さまが素敵に似合う方でした。