これまで体内にインプラントされた医療デバイスを駆動することがあまり容易ではなかった。電池をインプラントするのにはかなり無理がある。外部から送り込んだ電波は、筋肉や脂肪に吸収されてデバイスに到達し難いと考えられていた。
スタンフォード大学の研究チームは、1ギガヘルツ近辺の電磁波が比較的筋肉や脂肪を通過し易い事を見つけた。この周波数の電磁波に必要なアンテナの大きさはほぼ2mm角で、血流中を通過出来る大きさである。このようなアンテナを備えたデバイスを用いて、ドラッグデリバリー(9/27,28参照)、血栓の破壊などが可能になるかもしれない。
http://engineering.stanford.edu/news/implantable-wirelessly-powered-self-propelled-medical-device
韓国の研究グループは、磁石で動かすことができるマイクロロボットを試作している。血流中で前後に動かすことができるが、血栓を破壊できるほど強く動かすこともできるという。
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/12/111216112859.htm
ハーバード医科大学の研究グループは、DNA折り紙(10/28参照)に種々の抗がん剤を付着させたナノロボット(ナノボットともいう)を提案している。このロボットは外部から駆動は出来ないが、DNAは癌細胞表面の抗原を検知し、そこに留まって抗がん剤を放出するという。
http://www.nature.com/news/dna-robot-could-kill-cancer-cells-1.10047?WT.ec_id=NEWS-20120221
いずれもさらなる発展が期待される。
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