色々な半導体で、直径数十ナノメーター程度のナノワイヤーを作ることができる。シリコンでは、半径方向にpn接合を作成することに成功している。自己アセンブリ現象を利用してナノワイヤーをシリコン板の上に垂直に並べる。ナノワイヤーで発生した電子と正孔をそれぞれ上下の電極で集めることができる。このようにして作成した太陽光発電パネルは、現在用いられている板状の太陽光発電パネルに比べて色々な長所を持っているためその期待が大きい。
第一に、平板型の太陽光発電パネルに比べてより多くの光がpn接合の空乏層部分で吸収される。さらに、ナノワイヤーの森の中に光が入るようなものであるから、反射される光の量がはるかに小さい。また、原料となるシリコンは、平板型パネルの場合に比べて安価ものでよい。しかしながら、現在のところ期待される成果は得られていないようだ。
シリコンを用いた太陽光発電パネルの効率は、32%以上になることは無い(9/22参照)。シリコーンを用いたナノワイヤー太陽光発電パネルと構造が少し異なるが、化合物半導体ナノワイヤーを用いた太陽光発電パネルの研究も盛んである。これらを用いると、60%程度の発電効率が得られる可能性がある。スウェーデンのベンチャー企業Sol Voltaic社は、スウェーデンのロンド大学と協力して化合物半導体ナノワイヤーを製作し、またそれを用いて種々の太陽光発電パネルを試作している。
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