『令和の民俗学』汐留一郎

日本のグランドデザインを考える

網走まで

2018-04-15 22:35:38 | 北海道

日帰りで網走になります。関東の人間からすれば網走監獄ばかり有名で「化外の地」如何なもんでしょうか。羽田からひとっ飛びなんですけどね。

下調べ全くなし。裏を返せば先入観が無いということで出発。忙しくて観光ガイドを見る暇ももなかったので。

羽田は生憎の雨


カウンターのスタッフには新人の方が多く見られます。朝早くよりお疲れ様です。
つーかこの人達、何処に住居を構え何時に家を出るんだろう。まだ午前6時。都心から決して近いとは言えない職場だよ。


空港職員はけっこう激務。羽田空港では5万人の人が働いていますから一大雇用ですよね。
花形はパイロットとかスチュワーデスですが現場の地道なスタッフのお陰。

機内はガラガラ、搭乗率は1割以下。
機内販売でお土産を購入。


スッチーのお住まいはやはりアクセスの良い品川が人気だそーです。夜間早朝はタクシー利用でへっちゃら。

たぶん他の職種、プロパーは違うでしょ。

女満別(めまんべつ)ひらがなで書いても響きがいい

外気温1度 降雪。究極の雨雪人間。

いつものセリフ「百聞は一見にしかず」
やはり現地の人たちと話して初めて解る事がある。優秀な人は最初に講釈が出て自分は行った事も無いのにステレオタイプの解説が始まる。

日曜の道の駅は閑散。道民はなぜかビートル好きが多い。


網走湖 


酷寒の寒さ空の広さを肌で感じ松山千春の歌を聞き鈴木宗男の主張に耳を傾けることは重要だと思う。

網走駅 旅情を期待しましたがは簡素機能的な建物。お隣りのローソンは閉店、駅前の東横インは元気そう。黄緑の車はタクシー。



近くの案内所で「ホタテマンの剥製を見たいのですが」と聴くと「ホタテマンはいませんが変身いくらマンならいます」とおいしい店を教えてくれた。あと日曜は観光客は少ないんだと。

教えてもらった店は休み、回転寿司でお昼、写真なし。

シャッター通り 過疎はどこも深刻


「今日は雪が多いから人は少ない。いつもならこの通りであと5軒くらいは開いてます」
元気なお店は調剤薬局くらい。
交通機関の発達は地方を活性化させずより便利な土地へと移動を促す一面がある。苦労する必要はないから。

北海道立北方民族博物館


常設展示


地球を上から見る、視点を変えることも重要。


手袋はやっぱりミトンタイプが好き


素材 トナカイ 女性服


セレブ御用達、最高級の毛皮


サケの皮の長靴 アイヌ
同じものが浅草「アミューズミュージアム」にありました。確かあれは青森産。


以下、服飾シリーズはこの博物館の見どころ。

ノルウェー〈小さなバイキング、ビッケ〉


沿海州〈花嫁衣装だったかな?〉


アイヌ〈刀はいつ頃の作成でしょうか〉


グリーンランド〈女性服 殴られそう〉


カリブー〈宮崎アニメのキャラかと思いました。頭の部分は後ろに垂らして子守できます〉


北米〈おさびし山からスナフキンが、でもムーミンは北欧〉


イヌイトの屋敷〈左の地面すれすれが入り口で一度地下に潜ってリビングに入る。防寒対策のため〉


家屋の素材は流木など


『擦文文化とは』 

縄文文化→続縄文文化→擦文時代→オホーツク文化と続きオホーツク文化はここで消滅する。

日本は多文化主義かとも考えますが海の国境が人の流入を制限し前文化を徹底的に破壊する事を防ぎました。


シャマン〈盾だか打ち鳴らしの鼓の部分に鹿の描写があります〉


全く下調べをしないままでかけましたが、偶然立ち寄って意外な勉強ができました。

展示の最中にアイヌの差別がとか始まったら嫌だなと思っていましたがなし。政治的な主張には恣意的な意見が込められてしまいますから今後も現在の展示方法でお願いします。

合わせて黒澤明の最高傑作『デルスウザーラ』を見ておくと参考になるかと思います。

北海道の今後
農業か観光か、当面衰退は続くのか。それとも全く別の価値観の時代になるのか。

能取岬


北の海 さすがに寒い


能取湖〈最近まで汽水湖でした〉


オホーツク文化圏とは冬の流氷接岸地域と重なりサハリン、千島列島にまで及ぶ海洋文化圏である。南の先島諸島と真逆の気候、海の色であるがそれぞれ与えられた自然条件のなか豊かな精神性を示す。


なおオホーツク文化は戦争の記録もなく突如消滅したという話しである。もしかしたら東北人と同じ自己主張の少ない人たちであったかもしれない。


海まで迫る原生林と限られた夏の時間、長く氷に閉ざされ定住しない彼らはあっさりと同化したと考える事も十分可能。そして現在の日本人の思惟方法の底流にこの素晴らしき文化が流れている事は十分ありえる。


過去に国家存亡の危機に置いて縄文弥生の二重構造が社会構造や対海外政策に絶妙に機能して問題解決して来たが、圧倒的少数のオホーツク文化もまた取り込まれ脈々と私達に働きかけていると思うのは私だけだろうか。


文化と流氷を運んでくる突風、宮古の西風も強いがこの風はまた特別だ。出かけて来て良かったと思う。

原生林


濤沸湖〈こちらの水鳥湿地センター バードウオッチングにはかかせない〉


原生花園駅のこっちとあっち


図書館が併設されたJR女満別駅


ちょうど汽車が来ました




メーテル〜


旅はいいです。世界も見てみたいが日本にも訪ねるべき土地はまだまだ沢山ある。バブル期、国じゅうに作られたミニ美術館や博物館、オルゴールの館、ガラス工房。
狭い国土ですがこんなに多彩で盗賊もいなくて楽しい国はあるでしょうか。海外の観光客はこれに気が付き始めました。まるで箱庭のおもちゃ箱。
この魅力がわからないのは当事者の我々だけ。

もうお帰りの時間。


最後まで土砂降り、ほんとサイテー。


どこかにマイルで帰着

網走後記

おしまい。


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