妄語戒(二)
十一、妄語戒は比較的戒律を行持しがたいです。
平常の話の中で、人の自尊心を傷つけたり、人を怒らせたり、うそ、偽りを言ってはいけません。
くれぐれも他人の夫婦の和を破壊してはいけません。
夫婦の事は当事者同志のことです。
干渉してはいけません。
そうしないと運が悪くなります。
舌はできるだけ内に収め、外に放ってはいけません。
人に益を与える「善なる心の言葉」や「益を潤す言葉」をたくさん話すことです。
十二、常に他人を毀謗しないよい言葉を話せば、広く善縁を結ぶことができます。
十三、次のいくつかは口によってお金を儲けます。
修行人はこれらに従事しないことです。
(1)弁護士、検察官…古人は「一世話役人になったら九世にわたって牛になる。」と言います。
この職業に従事する人は往々にして一言で人の生死を判定するので、客観的、又公平にあるかを注意し、賄賂の行為があってはいけません。
もし権勢によって是非を判断するなら容易に人命をいい加減に扱うようになります。
(2)占い師…占い師は常に「あなたがもしこれこれのようにしなかったら、これこれのような結果にあうでしょう。」というような話をしますが、これは「悪口」です。
この種の仕事をしている人は、話すことを婉曲にして、客観的に忠告することがよいです。
(3)風水師…容易に「もしあなたが修めなければ何年後にはこのようになります。」のような決定的言い方をし、他人を傷つけます。
(4)道士…祖先が亡くなった時、道士に法律を頼み祖先を超渡します。
もし彼が本当に超渡できるなら、閻羅王は彼に対して容赦するでしょうか。
三世因果の業力をどうやって清算するのでしょうか。
ゆえにこれは習慣、風俗で、人々を安心させるだけに過ぎません。
もしお経を読むなら持斎し、修行している方に来てもらう事です。
もし持斎をしていない人は自分の罪業が山ほどあり、自分を渡す事ができないのにどうして他人を超渡することができるでしょうか。
十四、三世に渡り妄語を行なわなければ、舌の先は鼻に触れることができます。
舌が赤くつややかで唇の厚い人は比較的人情味があり、親切です。
女性の門歯が幅広く厚いなら夫を助け、家の財産を守ることができます。
歯に隙間があると財産を浪費します。
歯が鼠のようだと心機が多いです。
歯が長短出入りがあってふぞろいなのは前世にたくさん妄語を言ったからです。
女性の声がかん高いのは猛々しく狂暴であり、声が低く沈んでいるのは事がうまく運びません。
女性の声が柔和であると一生涯福報があり高貴です。
眉毛が目をおおっていれば家族の庇護を受け又後代を庇護することができます。
十五、修道人は占いをせず、而して命を運転します。
命運がよくなくても、改造することができます。
命運を改造するには心を改造することから開始します。
たた外相(例えば紋眉のたぐい)をかえても効果はないのです。
顔形がきれいでなく、はっきりと話ができず、口才なくても、もし妄語戒を守ることが出来れば、将来間違いなく話がうまくなります。
十六、清口は素食を食べるだけではありません。
素食を食べることを「斎食する」と言います。
清口は悪口を言わず、両舌をせず、綺語はいわず、妄言をしないことです。
十七、男性は「三字経」を口に出してはいけません。
女性は夫を罵ったり、子供を叱ったりする時には限度があります。聞くにたえない言葉で罵ってはいけません。
十八、他人が家庭問題で悩んでいる時に、その人に離婚を勧めたりその人を刺激することを言ってはいけません。
もしこれが原因でその人が自殺したら、妄語戒を犯しただけではなく殺戒も犯したことになります。
十九、衆生を救うため、あるいはその人の煩悩を除くために善意の噓は犯すうちに入りません。
二十、修行人は悪口(人を罵ったり、低俗な言い方をしたり、耳触りな話し方や、三字経のようなもの)から遠く離れるべきです。
人の心を乱し、悩ませる言葉(他人の心をかき乱し、その人の魂の抜けたような状態にさせる言葉)や事を壊す言葉やその人を苦しめる言葉(人に苦しみを与える言葉)から遠く離れるべきです。
続く