問:天道の伝道に尽くせば祖先の霊を超抜恩典(すくうおんてん)があると伺っていますが。
答:得道者は自分の身心性命(しんせいせいめい)が救われるだけではなく、天道の為に働き、人々の迷える霊を救った人は寿限(じゅげん)を俟(ま)ち、その積み重ねた功徳の多い少ないに依って、それぞれ上七代の祖先と下九代の子孫を永遠に理天へ帰らされ、共に弥栄(いやさか)えを得ることができます。
だが、只今の世は午未(うまひつじ)の混沌とした陰陽交代期に当たりまして、人心が尤(もっと)も腐敗し、頑迷に陥(おちい)っている時勢であります。
従って、崇高な天命や、六万余年、ただ一回に機会であることを説いても素直に信じようとしません。
そこで、老〇様(ラウム)は格別の御命を降して、特に功徳の多い人には在世のままでも、亡き親の霊を輪廻の途上から助け出し、苦の無い境界へ至らしめることを許されたのであります。
未だ親が健康な方は、子の功徳によって延年益寿(えんねんえきじゅ)が得られますし、在世中、孝養(こうよう)を尽くされなかった方は、斯(こ)うした無量の善徳によって親の霊を潤(うるお)すことができるのであります。
超抜(ちょうばつ)を受けた霊は御旨と共に、師の御手から直接、理天へ連れ帰られ、そこで更に修練を受け、元の神聖さに戻るまで磨(みが)き続けられます。
子孫との縁結びは、百日以後、何時でも許され、砂文字によって感激の対話が催(もよお)されます。優雅な詩文を以て綴(つづ)られ、言葉は尽きることなく綿々として子孫に与えられます。
珠(たま)のような美しい文字を通して、人間、地獄界の往来から理天界の素晴らしい情景が察せられ、或いは在世中の家状(かじょう)や家族への言付け残りのことを告げて道の偉大さと必要性を説かれます。
子孫の功徳と亡霊の前世の行為によって霊的位が決定されますので、或る霊は高い品蓮(ほんれん)に喜び、或る霊は低い位置に嘆(なげ)く有様であります。
位は固定的なものではなく動的に上下して、子孫の励みや努力によって長速(ちょうそく)に昇格するものもあれば、怠惰(たいだ)や不信心によって降職されるものもあります。
日本に於いても数多い超抜血縁がありましたから明らかに立証することができます。
たとえ、親がこの世に居なくとも永しえに親子一体の連絡が許されるのは、天道のみの特典と申すべく、天命ありてこそ不可能の事も可能たらしめ得るのであります。
続く