世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるフェイスブックが中国で「face book」という商標を用いている食品業者を相手取り起こした商標権侵害訴訟で勝訴した。英フィナンシャル・タイムズが報じた。報道によると、北京市高級人民法院はこのほど、広東省中山市の「珠江飲料廠」が2014年に「face」と「book」を分かち書きした「face book」という商標を登録したことを無効とする判決を下した。問題の業者はオーストリアのエナジードリンク「レッドブル」とパッケージが告示した「アイスブル」という飲料を販売するなど、有名ブランドの商標を盗用した商品を生産してきたという。
中国は多国籍企業の商標が中国国内で広く知られていない場合、独占的な商標権を認めていないが、今回の判決はこれまでの流れに反するものだ。同法院は今年3月、米アップルが大文字で「IPHONE」という商標を使用していた中国の革製品メーカー、新通天地科技を訴えた訴訟で原告敗訴の判決を言い渡していた。同紙はフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の中国接近の動きが判決に影響を与えたと分析した。
2012年に中国系米国人のプリシラ・チェンさんと結婚したザッカーバーグ氏は、中国語を学び、中国高官をサンフランシスコの自宅に招くなどしていた。今年3月に北京市でメディアを管轄する劉雲山・共産党政治局常務委員と会見した。同紙は今回の判決について、「フェイスブックの中国進出を阻んできた中国政府の態度が和らいでいることを示すシグナルだ」と分析した。中国は現在、同国内からのフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどへの接続を遮断している。今、中国は商標判決に揺れているか?