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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

商標あれこれ

2016-05-20 08:56:41 | 日記

特許庁の注意が話題になっている。今月17日、特許庁が商標登録出願について一部の人に注意を促すという、異例な勧告を行ったということで注目を集めている。大まかにいえば「最近、一部の出願人から他人の商標の先取りとなるような商標登録出願が大量に行われている」「それについては、出願の却下処分を行っている」「だから、これから商品を世に出す人は安心してほしい」といった感じの内容だ。

最近商標登録について話題になったことと言えば、「民進党」という言葉を、ベストライセンス株式会社が、党の結成前に商標登録出願していたといったニュースもあった。この騒動を追っていくと、まず2月26日に、民主党と維新の党が3月に合流をするという正式合意を行った。その後、党名についてさまざまな候補がでたが、3月10日に「立憲民主党」か「民進党」という2択にまで絞られた。党は世論調査を行い、14日に新党名を決めると発表。

しかしこれを受けてか、10日にベストライセンス株式会社が「立憲民主党」を、11日に「民進党」を商標登録出願。そんなことはつゆ知らず、14日に民主党と維新の党が合流した党の名前が「民進党」と正式決定したのだ。そして、その日に民進党は「民進党」を商標登録出願したのだが、そこには3日前に「民進党」という言葉が出願されており、一つの単語を巡り、2団体が争う形になりそう……というものだった(仮に登録されても政治活動には影響しないためか、さほど話題にならない?)。

ベストライセンス株式会社は、このほかにも「STAP細胞はあります」「ダメよ〜ダメダメ」「モンハン」「ドラゲナイ」「おおさか維新の会」「飲みニケーション」「北陸新幹線」などを出願しており、2016年だけでも7,458件(知財ラボより/5月18日現在、以下同)にものぼり、国内ぶっちぎりの数字だ。これらの出願は、果たしてどうなるのか興味は尽きない。