旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

那珂川ばたに たたずむあなた 西鉄・貝塚線を完乗!

2018-03-14 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 博多湾そして玄界灘沿いの閑静な住宅街を、レトロな2両編成の電車がガタゴト往く。 
西鉄・貝塚線は、地下鉄箱崎線と貝塚駅で連絡すると香椎方面へと走る。 

今宵は中州。福博であい橋近く、煌びやかなビル群を一本入ると赤提灯がさがっている。
大衆酒場「酒一番」は、中州にあって50年を超える老舗居酒屋だ。 

 

カウンターの中はちょっと昔のお嬢さん達が美味しい酒とあてを勧めてくれる。
まずは生ビールで自分にお疲れさま。"ほうれんそう胡麻和え" を抓んでみる。

 

"太刀魚" が焼けた。塩焼きをおろし醤油でいただく。
筑後河口に近い大川市の酒 "若波 純米吟醸" は、甘い香りであと味はゆるりと引く酒だ。

 

暖簾の小窓から覗く厨房にはさらに昔のお嬢さん達。そう云えば男性スタッフはいない。
アットホームな雰囲気と懐かしいおふくろの味ってことか。では "明太玉子焼き" を。
"辛醸美田 大辛口" は深みのあるキレ味が良い辛口の酒だ。旨い。
ラベルを見ると三井郡「みいの寿」とある。んっ昨年訪ねたな、"くらの細道きっぷ" で。
こんな美味しい再会が嬉しいね。 

 

〆は博多らしく "水炊き" をいただく。鶏、豆腐、白菜が煮えてきた。春菊が香を添える。
"田中六五" は白糸酒蔵が地元糸島産の山田錦で醸した純米酒。口当たりが優しい酒だ。 
今宵飲みすぎだろうか。那珂川ばたで美味しい夜は更けていく。

 

翌朝の中州川端駅。地下鉄箱崎線(2号線)の起点に姪浜からの直通電車が入線する。 
明治通りを、県庁、九州大学、筥崎宮(はこざきぐう) を結んで貝塚へ至る。
かつて西鉄の路面電車が走った地下を福岡市交通局のブルーのラインが走る。 

6両編成は箱崎九大前を過ぎると陽の光を浴びて、そのまま地上駅の貝塚に終着する。
貝塚駅の改札はホームの延長線上に1箇所、そのまま進むと西鉄・貝塚線の改札が在る。 
箱崎線と貝塚線は相互乗り入れの構想を持ちながら、様々な条件により凍結中だそうだ。 

 

こちらの貝塚駅も島式1面のプラットホーム、地下鉄の駅とは線対称って感じだろうか。
ノスタルジックな昭和レトロな2両編成はあと数年で還暦を迎える。頑張ってほしいな。 

松本清張の「点と線」の舞台になった西鉄香椎駅、洒落た高架駅に様変わりしていた。 
福岡署の鳥飼刑事が往復した国鉄香椎駅とを結ぶ商店街や踏切の情景はすでにない。 

終点手前の交換駅、寒風の中、往き違い電車を敬礼で向かえる若い運転士氏。 
厳しく叩きこまれた動作とプロ根性が安全を支えている。ってなことを考えたりする。
どうも今朝は、思考があっちへ行ったりこっちに来たり、昨夜の酒が残る貝塚線の旅だ。

福岡市交通局・箱崎線 中州川端~貝塚  4.7km 
 西日本鉄道・貝塚線 貝塚~西鉄新宮 11.0km 完乗

ふりむかないで / ハニー・ナイツ



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