旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で 狸囃子と名水の町と純米吟醸吉壽 久留里線で呑む! 

2014-05-17 | 旅のアクセント

名水の町の中心部に吉崎酒造と藤平酒造が向かい合って煙突を突き出している。
吉崎酒造の “純米吟醸 吉壽” を求めて、ふたたび上総亀山行きに乗車する。
上総亀山までは3駅20分ほど。300mlを飲み切るには少し忙しい。

 木更津駅前にはタヌキがいる。
野口雨情が市内の證誠寺に伝わる「狸囃子伝説」を童謡に書いたからだそうだ。
東口ロータリーからは東京・横浜方面へと実に頻繁に高速バスが出ていく。
都心への動脈はJR線からくアクアラインに取って代わられてしまった様だ。

4番線から出発する久留里線は、小櫃川の流れに沿って房総半島の深部へ分け入る。
駅をふたつも過ぎると左右は田植えの終わった青々とした水田地帯が広がってくる。

久留里までは45分。多くの列車は終点の上総亀山まで行かず、ここで止まってしまう。
法事に向かう老夫婦と、ピクニック気分の小さな子ども連れが降り立った。

久留里は平成の名水百選に選ばれ、町中にはいたるところに自噴泉が湧く。
幾つかの井戸は一般開放され、車に大きなポリタンクを積んで汲みに来る人で賑わう。
口に含むと柔らかい美味しい水だ。

久留里城は通称 “雨城” と言われ、伝承では平将門の子が築城したとされる。
史実としては上総武田家が築城し、その後戦国時代には里見氏が入城している。
現在は二層二階の擬似天守が作られている。

夏の日差しに晒された身体に冷えた純米吟醸が旨い。飾り気のない硬派な酒だ。
終点の上総亀山は引込線もないどん詰りの無人駅。車止めに野の花が咲いている。

駅から5分も歩くと亀山湖畔に出る。小櫃川を堰止めた亀山ダムにより出来た人造湖だ。
チョコレート色の天然温泉が自噴する湖畔の亀山温泉には2軒の旅館がある。
温泉に後ろ髪を引かれつつ、時間の関係で折り返しの列車に乗車する。また次回だね。

<40年前に街で流れたJ-POP>
黄色いリボン / 桜田淳子 1974年



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