日本一の米どころ越後平野が一面の雪原になって、疾走するE127系のグリーンのラインが眩しい。
信越本線と接続する東三条が弥彦線の起点と思いきや、どうやら弥彦駅の方に0キロポストがあるらしい。
今回、燕三条で上越新幹線と連絡し、吉田で越後線と交差して弥彦まで走る17キロの路線を呑み潰す。
09:57発の228Mは数少ない東三条から弥彦まで走り通す1本、日中の僅かな乗客を乗せて0番ホームを発つ。
朝夕の通勤通学時間帯をのぞくと、この稲の色のようなグリーンラインの2両編成がワンマン運転している。
弥彦線と越後線が交差する吉田駅は3面5線のホームを有し、ローカルながら多彩な顔触れで賑わっている。
両線は私鉄の越後鉄道として開通しているが、昭和2年(1927年)そろって国鉄に買収されている。
弥彦駅の駅舎は彌彦神社の本殿を模した木造寺社造り、門柱や梁などが鮮やかな朱色に塗られている。
まさか駅舎を拝んで折り返しに乗る人はいないだろうけど、柏手を打ってしまいそうな有難い雰囲気なのだ。
越後國一之宮彌彦神社は駅から徒歩10分ほど、溶けはじめた道の雪をシャリシャリ踏んで緩やかな坂を上る。
飲食店や土産物屋が並ぶ温泉街を抜けると朱に塗られた一の鳥居が見えて来た。
彌彦神社は弥彦山(634m)神体山として祀り、その山麓に天香山命を御祭神として鎮座している。
参道が直角に左に折れ、ニの鳥居、拝殿、神体山を一直線に正面にすると不思議に気が引き締まる。
参詣を終えたら小さな割烹で、御神酒代わりの一杯を愉しむ。なぜか弥彦は釜めしを売りにした飲食店が多い。
新潟淡麗の代表のような "八海山" をいただく。吟醸酒並みに酒米を磨いた酒はキレのある辛口だ。
船形の器に盛られたお通しは見た目も華やかで丁寧に作り込んでいる。夜の一品メニューに期待ができそう。
ちょっと欲張って "開運特上釜めし" を択ぶ。コシヒカリと新潟の海の幸がたっぷりの一釜が炊きあがる。
これ以上ないアテに、八海山の二合目を思わず注文したりして、日の高いうちからほろ酔いの日曜日。
幸せな気分で駅に戻る。たった1面の終着駅に乗ってきたE127系が待っていてくれる。さあ一緒に帰ろうか。
弥彦線 東三条~弥彦 17.4km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
春咲小紅 / 矢野顕子 1981
夜が期待できそうです。
弥彦に泊まる人は温泉旅館で夕食だろうから、
やはり地元の酔い客で賑わうのでしょうか。
新潟弁の親父さん達に紛れて、酒肴を愉しみたいものです。
お通しで“お!”と思ったら、それどころの騒ぎではありません…いやぁ素晴らしいです