旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

肥前浜で祐徳稲荷詣と酒蔵巡り 長崎本線を完乗!

2017-05-29 | 呑み鉄放浪記

 世界最大規模・最高権威と評価されるインターナショナル・ワイン・チャレンジ。
2011年、日本酒部門の最優秀賞を獲得してブランドを上げた『鍋島』をご存じだろうか。
醸す富久千代酒造は、江戸時代の宿場の雰囲気を残す肥前浜、土蔵造りの町並みに在る。

 

 長崎本線はここ鳥栖で鹿児島本線から分岐して港町長崎へ向かう。
5・6番ホームに立つと、J1サガン鳥栖のベストアメニティスタジアムが視界を占める
07:24発、長崎+早岐行きの6両編成は県都佐賀へ向かうサラリーマンと高校生で満員だ。

 

佐賀を過ぎると15分ほどで肥前山口に到着する。佐世保線との分岐駅だ。
前寄り4両の早岐行きを見送る。佐世保線は昨秋、武雄の湯を堪能して完乗している。

 

観光地の賑やかな駅かと想像していたけれど、肥前浜は小さな無人駅だった。
駅舎の空きスペースには鹿島市観光協会の案内所が入っている。
丁寧に祐徳稲荷神社行きバス停を教えていただいた上、荷物もを預かってもらった。 

     

路線バスに揺られて5分、門前の小さなバスターミナルに到着。乗客は唯一人。
「祐徳稲荷神社」は日本三大稲荷の一つに数えられる。
本殿、神楽殿、樓門など総漆塗極彩色の華麗な様故に鎮西日光と称される。
実際鮮やかな「朱」が五月晴れの青空に映えて美しい。

お祀りするのは倉稲魂大神、大宮売大神、そして猿田彦大神。
商売繁昌、家運繁栄、大漁満足、交通安全などを祈願して多くの参詣者を迎えている。
 

 

祐徳稲荷神社にほど近い場所にある幸姫酒造は蔵見学が可能だ。
留守居の奥さんに蔵を案内いただき、純米、吟醸、大吟醸とたっぷり試飲を愉しんだ。
土産には無濾過生原酒「笑酒」を求める。山田錦で醸したまろやかな辛口の酒だ。 

 

長崎街道の脇街道「多良往還」の宿場町、漁師町として賑わった肥前浜。
江戸時代から多良岳を源流とする豊富な水を使った酒造業が栄えている。
「酒蔵通り」には、煉瓦の煙突が立派な飯盛酒造、白壁の蔵が並ぶ中島酒造場と続く。

 

さらに「金波」の光武酒造場、街道を駅方向に外れると「鍋島」の富久千代酒造がある。

 

「菊王将」の峰松一清酒造場は観光酒造・肥前屋をオープンしている。
車中酒に「菊王将 純米酒」と肴に「くりいむちーずの粕漬」を仕込む。 

  肥前浜駅の前には昔ながらの大衆食堂「金時食堂」がぽつんとある。
1930年創業と云うから駅と同い年
。所長さんのお奨めてくれた「ちゃんぽん」を食す。
地元の食材をふんだんに使ったボリューム満点の一皿に満足なのです。

 肥前浜を出た長崎本線は有明海を舐めるように海岸線を走る。
左手車窓に干潟が広がると、早速「菊王将 純米酒」のスクリューキャップを切る。
肴に求めた「くりいむちーずの粕漬」これ絶品。午前中から飲みっ放しなのに杯が進む。 

 

いつの間にやら下車支度にざわつく車内に終点の長崎を告げる車内放送。
穏やかな有明海と雲仙普賢岳を眺めるうちにうとうとしたようだ。
全ての線路が車止めで行く手を遮られる長崎駅で、ほろ酔いの長崎本線の旅は終わる。
否、喜々津から長与を経て浦上に至る旧線を乗らないといけない。

 

明治時代に開通した旧線は非電化区間なので気動車が走っている。
15:26の喜々津発は年季が入った国鉄時代の車両だけど、鮮やかなマリンブルーが眩しい。
旧線が喜々津を出ると直ぐ大村湾が広がる。入江が連続する車窓は新線より断然美しい。
2両編成の気動車が浦上駅に滑り込んで、今度こそ長崎本線の旅を終える。
今宵は思案橋界隈に出没する心算なのだ。

長崎本線 鳥栖~長崎 125.3km
     諫早~浦上   23.5km 完乗 

長崎小夜曲 / さだまさし



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