思考の踏み込み

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線の美4

2013-11-23 20:13:14 | 
以上のことはしかし、ここでの本題とは質において異なる。
あくまで閑話としての話で、美術と輪郭線の関係は人間の視覚と認識との構造の問題に重点を置くべきといえる。

この宇宙における形あるものの本質というテーマまで広げれば輪郭線とここでの線の主題と繋がるが、それは今はいい。
ここでの主題は線の持つ美しさの本質である。

さて、線の美しさは自然界や形の無いモノにも見出せる。


山の丘陵、水の流れ、雲の形、あるいはホタルの光の移ろい、スケート選手が描く氷上の軌道、武道の達人たちの美しくムダの無い動きの線、、、。






形の無いモノといったが、そうしたモノ達もある点が移動し、線になっているという意味でやはり、一種の線の表現といえる。

となると、線とは"動いたモノである"と明確に定義してもいいかもしれない。
つまり、線の美しさとは動きの美しさの事であり、比率の問題さえ、その空間内における移動すべき最良の位置の追求であることがわかる。

従ってそこに機能性が要求されるのは当然であるし、直線よりしなやかな曲線の方が美しいのも当然のことといえよう。

こうして考えると、動きの美を追求した茶道の世界がモノや人の位置をミリ単位でやかましくいう理由がよく理解できる。



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