おすすめの「ル・コルビュジエ」本

建築家の中村研一さんから著書をいただきました。シリーズになる最初の本で『ヘヴンリーハウス―２０世紀名作住宅をめぐる旅１　サヴォワ邸／ル・コルビュジエ』。

いくつか中村さんが訳されたコルビュジエ関係の本があること、建築関連雑誌にコルビュジエの記事を書かれていたことは存じあげていました。でも私にちょっとは難しく思えました。

それで今回の本はどうかというと、最初から最後まで実に楽しく読めました。「一般の方々にも歴史上の名作を身近に感じてもらえるような工夫を多くしています」と中村さんがおっしゃるようにとてもさらさらと読めて、文字の大きさや書体を章によって変えてあり読みやすい。

コルビュジエという人物像が浮かびあがり、以前より身近に感じるのは施主と建築家の思いを当時の手紙や文献から丁寧に読み解かれているからだと思います。いくつかの章に分かれていて、重複して説明されている内容もいろいろな角度から見てみることで、コルビュジエや建物をより理解するのに役立っています。

後半にはこれまで出版されてきたコルビュジエ関係の本の紹介があります。紹介だけにとどまらず、素人から玄人まで読む人に合わせた中村さんのおすすめ本が上げられているのも親切ですね。書店で発売中ですので、住宅や建物に興味のある方は読んでみてはいかがでしょう。

私は読み進み、「サヴォワ邸の実物を見たいなぁ」と思っていたら最後の方に地図と入場料、休館日まで載っているではありませんか。至れり尽くせりのル・コルビュジエ本です。20世紀を代表する住宅をこれから取り上げて出版されるシリーズ、この本以降も楽しみですね。中村さんありがとうございました。（Ｏ）

ヘヴンリーハウス―２０世紀名作住宅をめぐる旅（第１巻）
サヴォワ邸／ル・コルビュジエ
160ページ　東京書籍　2,520円（税込）