サブカルチャーマシンガン

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【アルバムレビュー】enClorox/54-71

2020-03-31 | アルバム感想
                      




1.music box(reprise)
2.humpty empty mellow blues
3.swamp disco
4.doors
5.don black cock
6.riceball blues
7.what color
8.fire fever
9.life
10.lonesome moldboy
11.music box





2002年に出たメジャーデビュー・アルバム
しかし、これほどメジャーという言葉が似つかわしくないメジャーデビュー盤も早々ない
このCDどこで買ったんだっけ・・・少なくとも店頭に置いてあるような盤じゃなかったと思う
どっちかっていえば限りなくアングラ寄りのオルタナティブロックですけど、
2002年はDMBQとかもメジャーデビューしてたんだよなあ・・・って思うとちょっとおかしい時代でしたね(笑
2002年は他にもTRICERATOPSの「2020」が出たりpre-schoolの「feel something?」が出たり、
syrup16gがメジャーデビューしたりと自分の音楽遍歴的には印象深い年の一つ、ですね。

54-71は音楽的に括ると何になるんでしょう
インディーロック、オルタナって言葉が相応しい気がしますが、
エモっぽい曲もあるしそもそも朗読のような歌い方も独特だし・・・
正直「54-71に似たバンド」って言われても思いつかないくらい凄まじい独自性がありました
このアルバムを聴いていてもポピュラリティよりもオリジナリティを追求している印象で、
色々な意味で我が道を行っているバンドだった気がする
確か深夜のファクトリーって番組でゲストに出てた時にライブだったりトークを聴いた覚えがあるんですが、
それもまた独特で喋らないメンバーが居たりライブも盛り上がり無視で各々が独自の世界に浸ってるし、
でも振り返ればあの時代ってそういうぶっきらぼうで格好良いバンドが多かった気がしますね
その「自分だけの世界にとことん浸っている様」はかなり影響を受けてると思います
このブログ読んでりゃある程度は分かるとは思いますけど・・・笑


全11曲、
時間も40分ちょいと短め
基本的には佐藤さんの"朗読と歌唱の真ん中”のような独特のボーカルが印象的で、
今や単体で知名度のあるボボさんのクッキリしたドラム、川口さんの浮遊感のあるベース、
そして高田さんのシンプルだけど一音でグッと来る力強いギターサウンドが聴いてて非常に心地良い
各々のポジションが各々のポジションで存在感を打ち出している歌もサウンドも個性的で面白いアルバムです。
音とか全然重ねてないから多少スカスカなんですがそれが逆にクールで格好良い、っていう
そういう意味では「THEバンド」な音像にもなっていると思います
ジャンル的には所謂ロック・ミュージックのカテゴリーに入ると思われますが、
一般的にイメージするロックとはちょっと違う感じの独自性の高いロック音楽に仕上がっていますね。

インストから始まり、
食い気味に佐藤さんのラップにも近い?ボーカルがガンガン耳に飛び込んで来る「humpty empty mellow blues」があり、
多少ポップ・・・ポップとまでは行かないかもだけど(笑)跳ねるメロディが気持ち良い「swamp disco」、
メロディアスな「doors」からクールにまとめた「don black cook」、
合唱みたいなサビが燃える「what color」は研ぎ澄まされたギターリフもまた絶品
割と大人な雰囲気もする「fire fever」からTVでも披露していたエモーショナルでバンドの代表曲の一つ「life」、
ロッカバラード「lonesome moldboy」から最後インストの「musicbox」のロングバージョンで締める流れは、
正にオルタナティブロックの気持ち良さに満ちていて最高の終わり方だと個人的には感じます
この曲、オルゴールみたいな音色とバンドサウンドが重なっている独特のアレンジ含めて格好良くて大好きですね。

全体的には、クールでシックで、大人びている格好良いロックサウンドが印象的で、
その中をストレンジだったりエモーショナルだったりする這うようなボーカルがずっと乗っている・・・という、
割と音楽マニア向けの音像に仕上がってるのと同時に、 新しい音楽の気持ち良さが知れる作品にもなっています
だから、インディー・ロック好きには勿論、これからそういうの好きになる素養を持ってる方にも聴いて欲しい
そういうアルバムになっている・・・と思ってます
惜しむらくは54-71はもうずっと活動してない状態なので、
ライブ活動が観れないのが残念ですね
このアルバムが出た時はまだ学生だったので気軽にライブ行けるような状態じゃなかったのが惜しまれる。。
でも、このアルバム出た時からコンスタントに聴いてて未だに格好良いって感じますね。



おススメの3曲(赤字にした曲)は結構ベタだと思います
ベタっていうかバンド自体今も昔も超マイナーなのにベタも何もないかもしれないですけど(笑
「humpty empty mellow blues」は矢継ぎ早に繰り出されるフレーズの波が凄く格好良くて、
間奏の激しいギターサウンドだったり肉々しいベースサウンドなどバックで鳴ってる音も最高です
この曲は54-71のパブリックイメージに最も近い曲だと思う。

「swamp disco」は今作で一番好きな曲
兎角、サビの独自性が凄いですね
佐藤さんの歌ってる部分はそこそこポップだと思うんですが、
後ろで絶唱のようなハモり・・・ハモりって言うのかなこれ(笑
が、重なってるお陰でとことんまでオルタナを感じれるセンスが素晴らしい
問答無用に格好良いと思える一曲でこの曲は個人的に一度でいいから生で聴いてみたかった
カラっとしたギターリフも特徴的で聴いてて面白いです。
強気な歌詞も最高!

「life」は、
先述のファクトリーで当時TVで聴いたのもあって、
その思い出も含めて、なんですが
今作では唯一サビもその歌詞もエモーショナルに仕上がっていて、
その54-71らしからぬ"温度”の高さも意外性があってやっぱり今でも好きですね
多分この中だと最もライブ映えする曲だったんじゃないか、って思います
録画してたビデオを失くしてしまったのが悔やまれます。
高田さんのギターがまた職人的な格好良さがあって良い。







振り返って冷静に考えてみると、
自分が中学生高校生の頃って今のダンサブルなロック~ってよりは、
オルタナティブロック、つまり独自性を追求したロックの全盛期だったんだよなあ・・・って
その当時聴いてたバンドとかも同時に懐述してるとしみじみと感じますね
その中でも特に格好が良く中毒性の高いバンドの一つ、でした。
ちなみにこの浮世絵みたいな(?)ジャケットも大好きです。



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