サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

Hallelujah/THE NOVEMBERS

2016-09-25 | アルバム感想








辿り着けなかったのは
海が遠かったからじゃない
ここにいる理由は
海が遠かったからじゃない (ただ遠くへ)










あの・・・
6曲目に「風」って曲があるんですよ
それを聴いてた時に「あっ、これヤバいな」って思って。
既にライブや公式等で半分は聴いていた曲だったんですけど
6曲目に、こんなシンプルなタイトルで置かれている、ライブでも宣伝でも聴いた事がない曲が
ものすごく良かったんですよ ヒット曲のようなメロディと純粋に美しいサウンドが絡み合って
ある意味シングルでもいいんじゃないか?ってクオリティに仕上がってて、
ライブでも未披露で、宣伝にも使われてない、それでこのクオリティなのかよ、、、っていう感覚が確かにありました
誤解を恐れずに言えば、まだ音楽業界が豊かだった頃のヒット・アルバムを聴いているかのような、それくらい素晴らしいアルバムだと個人的には感じました

最初にはっきり書いてしまうと、
最高傑作だと思います。
理由は色々あるけれど、
一番は、、、あんまり「美しさ」と「激情」に分け隔てがなくなった事ですかね
今までは激しい曲は激しいままに、
美しい曲は美しいままに奏でられて来た
だけど、今作は暴力的なまでに激しい曲の中にも耽美さを感じる事が出来て
美メロが際立つ曲の中の一部には轟音と共に鳴っている楽曲も存在しています
つまりは、美と醜の垣根がほぼなくなった風に思える
いちいち分けなくても、同時に鳴らせるようになっていて
そこが今までの作品とは一線を画しているし、またノーベンバーズが新たな段階に入った事をしっかりと感じ取れるから、、、というのが俺個人的な理由ですかね

でも、本当はこんなごたくなんて一切必要ないくらいに圧倒的な作品だと思うんです
圧倒的にロックンロールだし
圧倒的にポップミュージックだし
圧倒的にシューゲイザーだし
圧倒的にニューウェイブだし
圧倒的に一曲一曲が優れているし、、、で
有無を言わさず聴き手に何かを感じさせる
有無を言わさず聴き手の背中を後押しする・・・そういうアルバムになっていると感じるんです。


THE NOVEMBERSには色々なイメージがあるでしょう?
一般的にダークだとか激しいとか難解だとかオルタナティブだとか耽美だとかまあ色々あると思うんですよ
でも、この作品はそんなイメージすら飛び越えて誰にでも圧倒的に伝わるタフさとか説得力があると感じるんです
激しい曲は聴き手の鼓膜を潰すつもりでザクザクドンドン切り刻んでくるし
聴き手を殺すくらいの暴力性の高いロックンロールが味わえるんです
かと思えば、ポップな曲はとことんポップにメロウに仕上げて
これまた圧倒的な美メロを味わう事が出来る
つまり、各々の方向性に一曲一曲が振り切れているので
どの曲を聴いても気持ちがいいし、且つ先述の様に暴力的な楽曲にも耽美性が、
そして美メロを中心とした曲にも(一部)ノイズが強烈に響いているので統一性もまた凄いんですよね

でも、本当に言いたい事は、小細工抜きに一曲一曲が「ただ単純に良い」って事ですかね
雰囲気だとか、ギミックだとか、佇まいとか、コンセプトとか、カテゴライズとか、
そーゆーの一切か殴り捨てて純粋に曲の良さだけで勝負している
そういう名曲の集合体が今作だと単純に思うんです
兎角、一曲一曲を聴き進める時のカタルシスと興奮とワクワク感が尋常じゃなかったし、
聴き手を殺す勢いで奏でられるロックンロールも、その美しさに泣きそうになるポップソングにも両方ドキドキさせられたし、「これだよこれ!」って思えた
小林祐介が影響を受けた音楽ジャンルの集合体、、、にも思えるのが「最高傑作」と太鼓判を推す一番の理由なのかもしれない


まずリードトラックの「黒い虹」からして最高ですね
正直最初はこの曲があまりに良すぎてこの曲を何度もリピートして他の曲に中々進めなかったくらい大好きな曲です
ビートの重さ、ボーカルの冷徹さは今までと比較にならないくらい素晴らしくて
その上どこか言葉選びに気品と自負を感じる美しさにもまた惹かれました
聖歌のようなアレンジと歌が素晴らしい一曲目「Hallelujah」からして名曲ですし、先述の「風」のメロディラインはただただ美しい
淡々と奏でながら激情も光る「時間すらも年老いて」、ブランキーやミッシェルにも通ずるアンサンブルが気持ち良い「!!!!!!!!!!」、
ハードコアながら歌詞は美しさに関して歌う「1000年」も面白いし、滾るし、
アレンジの流麗さが堪らない「美しい火」はサビメロ含めて秀逸
人の意識に対する警告のような「愛はなけなし」は聴いてて凄く沁みる歌に仕上がってるし
歌謡曲ファンにも通じるハイレベルなポップソング「ただ遠くへ」も素晴らしい
爆音の中でふつふつと歌われるバラッド「あなたを愛したい」に
最後にバカでかいノイズに変わる「いこうよ」の尖り具合もまた最高

つまりは、全曲大好きで全曲推し曲、って事なんですけど(笑
それくらいバラエティに富んでるし、聴いてて退屈しない
純粋にワクワク出来るロックアルバムに仕上がっていると思います
決意を歌うような咆哮も美しいし、
ストレートに言うのではなく、遠まわしに、さり気なく示唆するような、背中を押してもらえるフレーズの数々も「粋」でいちいち耳を惹かれてしまいます
THE NOVEMBERSがまた一つ、階段を上って、新しく生まれ変わった、過去に執着する事なく更新を「選んだ」
そんなファンとしても誇らしく、自信を持って「傑作です。」と言い切れる新作になったと思います


ごたくを~と先ほどは書きましたが、
本当はどんだけの言葉を用いても今作を語り切れる気がしない気もしています
それほどまでに自分をワクワクドキドキさせてくれた最新のロックンロールが確かに鳴っていました。
音楽業界が不況だとか、最近の音楽は~とか、そんな有り体な言葉や概念すら置き去りに出来る
少なくとも自分はそれほどまでに聴いてて気持ち良かったアルバムだった、、、と最後に書き記しておきます
最高傑作及びここまで純粋に良い気持ちにさせてくれる作品を作ってくれたノーベンバーズには本当に感謝したい。
ただただ、無我夢中に、一心不乱に続けている、鳴らして続けているバンドこそ一番格好良い。
そんな風にも思います。










本物よりもそれらしく (Hallelujah)

誰かより何かがはやい
誰かより何かがおそくても
どうでもいい
どうでもいい
どうでもいい
俺は俺だけが十字架 (愛はなけなし)

瞼を閉じて暗がりしかないなら
それがおまえの想像力 (!!!!!!!!!!)



後はもう、兎に角聴いて欲しいですね
兎に角聴いて欲しい。
それだけ。

「ロック好き」を自称されるような方ならば、今作を聴いて「何か」を感じて欲しいですね
何も感じないのならば、個人的にはあんまり「ロック好き」を自称して欲しくは無い。
そこまでのアルバムだと思います。個人的に、刺される覚悟で推しますよ(笑)。




最新の画像もっと見る