読書と追憶

主に読んだ本の備忘録です。

テレビ番組より

2008-01-13 22:31:05 | テレビ番組
 1.1月10日(木)放送、NHK クローズアップ現代より、「北朝鮮“開発”を狙え ~動き出した中国とロシア~」
 中国・ロシア・北朝鮮を隔てる国境の川・図們江周辺では、二つの大国・中国とロシアの思惑が交錯している。

 中国から日本海への物流は今まで陸路を千キロも迂回して運搬するルートしかなかったらしいが、北朝鮮のラジン港を経由すると、最短距離で済む。将来そこと繋げることを見越した中国側の高速道路建設が急ピッチで進んでいるとか。一方、ロシアもこの港を狙っていて、北朝鮮の鉄道をロシア式に統一させてシベリア鉄道から直通で通じるようにしようとしている。ロシアの鉄道大学に、将来の鉄道事業を担う幹部生として北朝鮮からの留学生を受け入れ、学ばせている。
 日本が経済制裁したって無駄じゃん。中国もロシアも実利優先で、日本の拉致被害者のことなんか屁とも思ってないだろうし、完全無視だね。北朝鮮の人も言っていた(録音隠し取り?)「北が核を持ったことで、もはや朝鮮半島で戦争ができなくなった。アメリカも空母にミサイルを搭載しているから。これからは経済でいく」ってさ。
 こういう国々とコミュニケーションするためには、どういうスタンスで話をすれば通じるのかということを考えなくてはいけないんだろうなあと思った。

2.アメリカ民主党クリントン候補の涙

 先週から度々取り上げられる「ヒラリーの目にも涙」「ニューハンプシャーでの逆転」の関連だが、いろんな分析があったようだ。クリントン候補の支持者は「低所得、低学歴」の白人層で、有色人種に偏見を持っているとか、弱みを見せたことで働く女性たちの支持を受けたとか、古臭い「どぶ板選挙」スタイルが功を奏して一般人の共感を得たとか。テレビでも「あの涙で支持を決心しました。」なんて女性が言っててびっくりした。やっぱりアメリカでも情に訴えるようなやり方が通用するのか。
 言ってたことも「この国は私に多くのチャンスを与えてくれた。」「この国が後退していくのを見るにしのびない」という浪速節っぽい発言だ。なーるほど、こういうのがアメリカ人の心の琴線に触れるのだなあ。強面の印象が一変。ふと思い出したのは東国原知事の「宮崎をどげんかせんといかん!」というスローガン。もちろんヒラリーさんも本心から言ったことは間違いないだろうとは思う。しかし「強面」「理屈っぽい!」というイメージを払拭しなくてはいけないと選挙参謀から耳にタコができるほど言われていただろうし、そういう戦略を意識していたとも考えられる。
 さらに思い出したのは、子どもの頃テレビで見たロバート・レッドフォード主演の映画「ナチュラル」の一シーン。この映画はホリエモンが「傲岸不遜」とさんざん叩かれていた頃にもよく思い出したものだ。

 弱小大リーグチームを稲妻のような打撃力で連勝に導いていた主人公ロブ(ロバート・レッドフォード)が同じチームの若くて実力のある選手にアドバイスする。
「記者にインタビューされたら何て答えるんだ?」
世間知らずの新人選手は怖さを知らない。
「えーっと、ガンガンぶっ飛ばすぜベイビー!イェ~イ!」
ヤンキー丸出しだ。ロブは「それじゃだめだ」と教えてやる。
「いいか、こう言うんだ。『みなさんの応援のおかげで勝利を勝ち取ることができました。神の御加護があれば、これからもよいプレーをすることができるでしょう。』
確かそんなふうな言い方だ。私が「ナチュラル」のあらすじをほとんど忘れてしまってるのに、このシーンだけを鮮明に覚えているのは、「ありゃ、『神の御加護』だなんて古臭いこと、絶対言っちゃだめだよ。バカにされるよ。」と思った記憶があるからだが、私の予想に反してそのコメントは好意的に受け止められた。以後、その実力派新人はメジャーに移籍した後も、バカのひとつ憶えのように「みなさんの応援が・・・、神の御加護が・・・」とインタビューにコメントするのだ。私は、「はあ~、なるほど、これが大人の知恵ってものか」とすごく感心した。だから以前に、ホリエモンはバカと言ったのは、これさえ言っておけばみんな納得して、勝手にそれぞれの想像をつけ加えて「いやー、彼も傲慢に見えるけど実は苦労してんだねえー」とか「実は国のことを思ってるんだねえ」みたいに誤解するような、古臭い魔法の決まり文句をすっとばして逆のことばかり言ってたからだ。
 今回のヒラリーさんのニュースも、実は政策論議とは別に「アメリカはすべての国民に平等にチャンスを与えてくれるすばらしい国」「今、アメリカは危機に直面している。私はこの国に命を捧げる」みたいな愛国的心情に訴えることがすごく有効であるってことだと思った。それ、右翼的じゃん。日本の政治家もあれを参考にしてメディア戦略立てるといいと思うよ。ただし、臭いとすぐ見破られて逆効果だけどね。

3.今朝のサンデープロジェクトから「自治体再生⑩続・矢祭物語」
 
 これは感動的だった。日曜は子どもがいつも爆笑問題司会のアホっぽいサンデージャポンの方を見ていて、隙をついてチャンネルを変えたとき出ていたのがこれだった。今日のサンプロはホットな討論満載のようだったのに残念。えーっと、矢祭町ってどこだったっけと初めは思っていたけど、おお、ウィキペディアにも載っている。「合併しない宣言」をして独自の歳出削減と官民一体となったアイディア満載のユニークな町政で全国的に有名になったところだ。私の記憶にあったのは、2003年に根本良一元町長が、満期で町長をやめようとした時、町民が「辞めないでください」と役場に押し寄せ、無理やり説得された形で町長をもう一期務めることになったというニュースだが、その時は何の事やらわからず首をかしげた。番組を見て、それほど人望があったわけがわかった。
 今回、町民の長年の念願であった町立図書館設立の一部始終が取材されており、これもすごいと思った。矢祭町はお金がない町だ。普通図書館の建設には蔵書合わせて10億というのが相場だそうだが、古い建物を改築して1億で施設を造り、本の整理や管理は町民ボランティアが行い、蔵書は全国からの寄贈で賄うという計画。そう言えばそのニュースも新聞で読んだような気がする。最初は「それは図書館とは言えない」という非難がいろいろあったらしいが、心意気に感動した全国の人たちから続々と本が集まり、その数40万冊(もっと多い)。図書館の名前は「もったいない図書館」。古本屋にあるような読み捨てにする本ではなく、もったいなくて捨てられない大事な本をみんな送ったらしい。なかなか貫禄がある(そしてマニアックな)きれいな本が並んでいた。すごい!すばらしい!地方自治体に何をしてもらうかではなくて、「自分たちでできることはやっていこう」、「お金がなくても工夫して、汗を流して足りないところを補おう」、「困ったときは大きな声で全国に助けを求めよう」という役場と町民一体になった町づくりがすばらしい!(参考コラムJanJan
 「もったいない図書館」には本を寄贈した人が全国から見学に来て、本を借りていくという。ユニークなのは町民でなくても全国どこの人でも貸出カードが作れるということだ。おお、ここにも寄贈したって人が・・・。好意的な意見ばかりでもないようだけど、がんばって欲しいなあ。久しぶりに元気の出るニュースだった。

4.今日の「たかじん」

 「たかじんのそこまで言って委員会」本日は2007年の「未公開シーン満載!蔵出し編」であった。太田述正氏ももちろん出てきた。CM前に「フッ、フッ」と書いてあったからそうだろうと思ってたらやっぱり出た(人をバケモノみたいに・・・)。ふざけたタイトルにもかかわらず、わりとコンパクトに太田さんの主張がまとめられていてよかったんじゃないか?
 その他、会食のシーン(たかじんさん、辛坊さん、三宅さん、田嶋さん)がぐだぐだと出て来たのはどういう意図があったんだろう。きっと番組内で言いたくても言えないことをここで言っておきたかったんだろう。三宅さんは辛坊さんが好きだとか、たかじんはこの番組ではあんまりしゃべらんけど、しゃべったら実はすごいねんぞ!とか、たかじんはお金を稼いでもすぐ使ってしまうから実は金持ちじゃないんだとか、かな。あと、番組には発毛実験中のリサーチャー(おー、おるやんけ、ミドルマン!)がいると。
 2008年の目標をパネラーの皆さんが公表していて、宮崎哲弥さんが「新刊の新書全冊読破」とおっしゃっていたけど、おそろしい目標だ。本気でやったら倒れると思います。原口さんが「政治家の仲間でSNSをやりたい」とおっしゃったのはよいことだと思った。この前の「SIGHT」なんか読んでて思ったのは、派閥や党内だけの談合みたいな政治じゃなくて、若手の方たちには党派を超えてコミュニケーションをして欲しいなあということだ。そういうのから新しい流れが出来ればいいと思う。宮崎さんが「ネットは怖いよ。魔物が出る」と言ってたけど、2ちゃんねるの「ニュース速報+板」の板名には(昨日気づいたが)「魔物」がついているので、ネットの魔物というのはきっと2ちゃんねらーのことだと思う。