サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

歯の噛み合わせ問題(2)

2024-08-12 16:54:06 | 歯科

前回奥歯の噛み合わせが悪いと歯が失われるといった話でしたが、

では前歯は噛み合わなくてもいいのでしょうか?

まあ、普通に考えると前歯が全部ない方が奥歯だけで食事をしていたら負担が集中するから当然歯を失いやすくなリます

ただ、ここにもう一つ前歯の大切な役割があるのです

それは「繊細な感覚」です

噛み合わせると歯を支えている歯根膜という膜が神経を通じて噛んだ感覚を脳に伝えています

それを感じた脳は顎の筋肉に指示を出して噛む力をコントロールしています

そして前歯は軟らかいものをかみ切るために敏感に、奥歯は硬いものを噛み潰すために鈍感にできています

なので前歯が噛み合っていないと鈍感な奥歯で噛み続けることにより、いずれ奥歯が壊れてしまいます

歯はそれぞれの役割があるので奥歯が大切で前歯は大切ではないということはありません

全ての噛み合わせがしっかりうまくいっていることが歯が長持ちする条件となります

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歯の噛み合わせ問題(1)

2024-08-05 16:09:49 | 歯科

朝日新聞デジタルに 「奥歯のかみ合わせの悪化、歯を失うリスクが最大6倍に 10万人調査」との記事がありました

奥歯のかみ合わせが悪いと、残っている歯への負担が増し、歯を失いやすいと臨床現場では実感されていたが、

残る歯のさまざまなパターンを考慮した大規模な追跡調査はこれまでなかった。とのこと、、、

普通に考えて奥歯がなければ前歯に負担がかかって悪くなるのは誰でもわかることです

なのになぜ、わざわざ国立大学の研究チームや歯科医師会が追跡調査をして朝日新聞で当たり前のことを記事にするのか?

それは普通に考えて当たり前のことを臨床現場で歯科医師が患者さんに説明しても理解してもらえないからです

噛み合わせの大切さを理解していただけない方が多いので

「国立大学で10万人調べた結果、奥歯が無いと歯がなくなりますよ!奥歯を失った方!あるいは奥歯の噛み合わせが悪い方!歯を治しましょう!」

ということになったわけです


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口腔インプラント治療指針2024が発刊されました!

2024-07-30 17:35:03 | インプラント学会

このたび、日本口腔インプラント学会より「口腔インプラント治療指針2024」が発刊されました。

この指針は、インプラント治療に関する最新の知見や推奨される治療方法をまとめたものです。

口腔インプラント治療指針は、インプラント治療に関する標準的な方法や治療プロセスについて詳しく解説しています。

新たに発刊された2024年版では、最新の研究成果や技術革新が反映されており、より安全で効果的な治療を目指しています。

インプラント治療に関する情報は、ネット上で様々な意見や解説が交錯しているため、患者様が混乱することも少なくありません。

しかし、治療指針は開業医が独自に作ったものではなく日本の歯科大学を始め学会の専門家によって監修された信頼性の高い情報源です。

この指針を参考にすることで、より確実で安心できる治療方法を理解し、自分に最適な治療選択ができるようになります。

しかも「口腔インプラント治療指針2024」は、どなたでも無料でダウンロードすることができます。

指針のダウンロードは以下のリンクから可能です:https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/03/shishin2024.pdf

また、具体的な治療の流れについても、学会のホームページにてご紹介しております。

また、ホームページでは患者様の近くの専門医を探すこともできます

「口腔インプラント治療指針2024」は、インプラント治療の信頼できる情報源として、患者様の治療に対する理解を深める手助けとなるでしょう。

ぜひこの機会にダウンロードし、安心して治療に臨んでください。

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オリンピック代表選手が喫煙で辞退!?

2024-07-23 10:14:17 | 歯科

オリンピック体操の日本代表選手が20歳以下でタバコを吸っていたことが問題となり、出場を辞退する事態が起こりました。

このニュースを受けて、いろいろな意見が上がっていますが

「20歳以上であればタバコを吸ってもよかったのに」という見解に歯科医師としては逆に違和感を覚えます

タバコは健康に極めて悪影響を与える危険な習慣であり、特に歯周病の進行に深刻な影響を及ぼします

もちろん口腔内だけでなく全身的にも癌などのリスクを向上させます

そのため、20歳未満であればもちろんタバコを吸うことは避けるべきですが、

20歳以上であっても健康への悪影響は同様に大きいということを認識することが重要です。

習慣化して長期間喫煙すればよりリスクは向上していきます。

オリンピックの父であるクーベルタンが唱えたオリンピックの精神は

「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」

未成年に限らず、喫煙することは心身を向上させるのと目的としたオリンピック精神に反します

オリンピックが無事開催されて、皆さんの健康と世界の平和に役立ちますように

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アンチエイジングにはお口の健康が大切

2024-05-23 17:57:29 | ブログ

今日発売のTARZANはアンチエイジングがテーマです

アンチエイジングにはお口の健康が欠かせません

記事の中にも フロス歯間ブラシ、夜に歯磨きをしっかりする、歯のキワを磨く、マウスピースを着用するなど日頃当院でも

推奨している内容が詳しく書いてありますので是非お読みください

※ ちなみに当院の紹介記事も載っています

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歯科医院開業27周年を迎えて

2024-05-07 17:28:39 | ブログ


開業27周年を迎えるにあたり、お花をいただきました

早いもので27年という歳月が過ぎましたが、この医院を支えてくださった患者さんやスタッフの皆さんに心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。

27年間、私たちの歯科医院は地域の皆さんからの信頼をいただき、地域の一員として成長してきました。

また、この27年間を支えてくれたスタッフの皆さんにも心から感謝します。

一人ひとりの努力が、私たちの医院を大きく成長させ、地域の皆さんにより良いサービスを提供することができました。

これからも、皆さんとともに努力し続け、医療の質の向上に取り組んでいきます。

これからも、地域の皆さんにとって頼りになる歯科医院であり続けるために、頑張りたいと思います。

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歯が生える薬についての真実:希望と現実のはざまで

2024-05-07 17:00:27 | ブログ


歯が生える薬が話題になっています

この話題は、多くの人々に希望を与えるものです

しかし、現実にはその効果については慎重に考える必要があります

この薬は現在のところ虫歯や歯周病で歯を失った患者に対して効果がありません

あくまでも歯が生えない患者さんに対しての治療薬なので「歯が生える薬」ではなく「歯が生えないのを治す薬」です

歯が生えるプロセスは複雑で時間がかかるものです。

仮に歯が生える薬が開発されたとしても、実際はが生えるまで何年もかかるでしょう。

これは、歯が生えるためには骨や周囲の組織が適切に成長する必要があるためです。

また実用化されても10年、20年後も安全かどうかはそれだけの期間経過観察した後でわかることです

実用化されて70年以上経つインプラントよりも安全かどうかわかるのはかなり先になると思われます

さらに、費用の面でも考慮する必要があります。

歯が生える薬の治療は、現在のインプラント治療よりも高額になる可能性があります。

開発、製造、および治療の過程での費用が高くつくためです。

したがって、歯が生える薬についての期待には現実的な見方が必要です。

現在の歯科治療法や予防法に焦点を当て、健康な口腔状態を維持することの方が大切です

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歯列矯正治療にCT検査は必要?

2024-04-26 12:22:26 | インプラント学会

矯正治療を受ける際、昔はセファロレントゲン写真だけで診断をしていた時代がありました

最近はCT(Computed Tomography)検査を行うところが増えてきています

なぜならCT検査は顎の中で歯を動かす上で不可欠な情報を提供するからです。

矯正治療では、歯を正しい位置に移動させ、美しいかつ機能的な咬合を実現することが目標です。

しかし、CTを撮影せずに歯を動かす場合、顎の骨と歯の関係を正確に把握することができません。

その結果、歯の根が骨から飛び出したり、逆に顎の骨に押し付けられて吸収される可能性が高まります。

特にマウスピース矯正、歯列拡大床、非抜歯矯正などの治療を行う場合、CT検査はより一層重要です。

これらの治療では、歯の動きや顎の形態の変化が複雑であり、CT画像を通じて詳細な情報を得ることが必要です。

CT検査によって、矯正治療を計画する際に以下のような情報を得ることができます。

歯の位置と咬合の関係
歯の根の長さと形態
顎の骨の密度と形状
顎関節の状態や位置関係
これらの情報を基に、矯正治療の計画を最適化し、患者さんにとってより効果的で安全な治療を提供することが可能となります。

CT検査は矯正治療の一部として欠かせないものであり、歯の動きを最適化するためにはしっかりと行う必要があります。

矯正治療を受ける際には、CT検査の重要性を理解し、専門家の指導のもとで適切な治療を受けることをお勧めします。

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歯周病ケア?歯周病キュア?

2024-04-24 12:10:00 | 歯科


多くの人々が歯周病を防ぐために歯磨き粉や歯周病ケア製品を使用しています。これらの製品は、歯磨きや歯ぐきのマッサージを通じて口内の清潔さを維持し、歯周病の進行を防ぐのに役立ちます。

しかし、一般の患者さんにとって重要なことは、予防のみでなく、既に歯周病にかかってしまった場合の対処法も知っておくことです。

歯周病ケア製品はあくまで予防を目的としています。すでに歯周病にかかってしまった場合、それだけでは問題を解決することはできません。

歯周病が進行している場合、専門家の治療やキュアが必要です。歯科医師は、歯周病の状態に応じて適切な治療法を提案し、進行を止め、口腔健康を回復させることができます。

歯周病を防ぐためには、日常的な口内清掃と定期的な歯科検診が重要です。

しかし、歯周病が進行してしまった場合には、専門家の治療が不可欠です。歯周病に関する製品を使用することは、予防の一環として重要ですが、

既に発症している場合には、専門家の指導のもとで適切な治療を受けることが不可欠です。

歯周病は放置すると深刻な問題を引き起こす可能性があるため、初期の段階での早期治療が重要です。

歯周病に関する懸念や疑問がある場合は、歯科医師に相談することをお勧めします。

自分の口腔健康に対する責任を果たし、適切なケアを行うことで、より健康的な口内環境を維持できます。

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インプラント指導医、専門医 更新!  次の5年へ向けて

2024-04-22 11:33:16 | インプラント学会

日本口腔インプラント学会の専門医と指導医は5年ごとの更新を義務付けられています

症例報告、学会参加、学会発表、教育講演受講、技術向上セミナー受講などでそれぞれポイントが加算され

一定のポイントを獲得することによって資格が更新されます

なので5年間自己研鑽を継続的にすることで学会認定インプラント専門医、指導医を維持することができます

同業者である歯医者が太鼓判を押してくれるインプラント専門医、指導医の資格を維持すること

これが患者さんに安心してインプラント治療を受けていただくために最も大切なことだと思っております

また、次の5年間引き続き頑張りたいと思います

また、症例報告のためにご協力いただいた患者様には厚く御礼申し上げます






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