電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

NHK受信料について

2005-10-15 21:47:16 | 文芸・TV・映画
 最近では携帯電話でもテレビが見られるようになったが、その場合、NHK受信料は支払う必要はあるのだろうか。会社の若い編集者が、調べてくれた。NHKのHPに「受信料に関してよくいただく質問」というページがあり、そこに「1.家に2台テレビがありますが、受信契約は1つでいいの?」という質問の答えが載っており、結論から言えば「受信契約は世帯ごとにお願いしています。1軒の家にテレビが複数ある場合の契約は1つです。」ということだそうだ。
 先ほどの若い編集者は、このことについて次のようなことを言っていた。

 ただ、今後、カメラ機能よろしく、テレビ機能がケータイにほぼ標準装備されるようになると「ケータイでテレビを観るから家にテレビは置いてない」って人が、特に若いコらを中心に出てくるはず。
 来年には地デジもケータイで受信できるようになるし。そうなったら、どうやって世帯ごとのテレビの有無を調査して、受信料を徴収するか、って課題が出てくるんだろうね。

 確かにそうだ。既に固定電話は、携帯の押され、若い人たちの場合、携帯はあるが、固定電話持っていないという人が増えてきた。一人暮らしの場合は、携帯を持っている人たちには、固定電話は関係ないことになる。せいぜい、ADSLや光通信をするために必要というくらいだ。それと同じように、テレビも普通のテレビは置いてないという人たちが増えてくるのは確かだ。「一家に一台」が「一人に一台」になり、それぞれのテレビがPCになったりしている。いずれケータイでテレビを見るからテレビはいらないという人も現れてくるだろう。

 そんなことを考えていたら、今日次のような記事が朝日新聞に掲載されていた。

 NHKの受信料不払い問題で、会計検査院が放送法に基づき調査を進めていることが14日、分かった。05年度の受信料収入は予算を大幅に下回る見通しで、検査院は不払いが続けば公共放送の役割を果たしていく上で支障が出かねないとして、法的措置も含めた対応を求めるとみられる。検査院による受信料制度の本格調査は初。一方、外部有識者で構成する「デジタル時代のNHK懇談会」が開催され、辻井重男座長が「受信契約の形を世帯契約から個人契約に変えることが現状に合っているとの声が多数あった」と語った。


 相変わらず受信料不払いの人たちがかなりいるらしいということほかに、今後「受信契約」を「世帯契約」から「個人契約」にかえたほうがいいという意見のことが書かれている。どこが「現状に合っている」のか何も書いていないので分からないが、そうなればNHKの受信料は増えることだけは確かだ。しかし、「個人契約」というのはかなり難しいのではないだろうか。なぜなら、それは、個人情報をかき回すことになるからだ。世帯の持ち物はわりと分かり易い。しかし、その家族の持ち物は、多分かなり把握することは困難だと思われる。

 現在、「また、車(ただし営業用を除きます)にテレビがあってその世帯に契約があれば新たに契約をする必要がありませんが、車にテレビがあり、家にテレビがない場合は契約が必要です。 」ということになっているし、「単身赴任の場合はそれぞれの住居ごとに契約が必要となります」ということだが、前者の場合は、テレビの映るカーナビを持っている人すべてにあたらわけにもいかないだろうし、後者の場合は住民票を移していなかったら分からないにちがいない。

 ところで、どういう機器の場合、受信料を支払うことが必要なのだろうか。私の知り合いに、NHKの受信料の支払いを拒否している人がいるが、彼は徴収に来ると、「NHKは見ていないので、NHKだけ映らないようにしてくれてかまわない」と言っているそうだ。NHKを見なければ、受信料を支払わなくてもいいのだろうか。NHKのサイトには、「受信料の支払いは義務?」というタイトルで、次のように書かれている。

放送法第32条に「NHKの放送を受信することができるテレビをお持ちの場合、NHKと受信契約をしなければならない」との規定があり、放送法に基づき総務大臣の許可を得て定められた日本放送協会放送受信規約で「受信料を支払わなければならない」と義務づけられています。
したがって、NHKの放送を受信できるテレビが設置されていれば、受信契約を結んでいただき、受信料を支払っていただくことになります。

 「NHKの放送を受信できるテレビ」というのは、微妙な表現だ。勿論技術的には、「NHKの放送を受信できないテレビ」を作ることは可能だと思われるが、その場合はどうなるのだろうか。もっともそんなテレビは造っても売れないだろうが。現在のところ、衛星放送やデジタル放送の場合は、受信できない場合は支払わなくてもよいことになっている。我が家の場合は、ケーブルテレビの利用料金を支払い、それとは別途にNHK受信料や衛星放送の受信料も支払っている。何せ、かみさんがほとんどNHKしか見ない人なので。それでは、何のためにケーブルテレビに加入しているのか分からないが。

 ただ、NHKの思惑のようになるかどうかは、微妙だ。テレビは、「一家に一台」で家族団らんで見るのが好ましい。我が家は、NHKを少し見るくらいでテレビはほとんど見ない。しかし、今後、地上デジタル放送が進み、PCでデジタル放送が見られるようになった場合、NHK受信料はPCの台数分だけいただきますというようになったらとても困ることだけは確かだ。ただ、いずれ、テレビとPCは融合するだろうことだけは確かだ。
コメント
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