奈良のむし探検 第13弾
4月15日の午後に虫の撮影に出かけました。いつもの用水路脇の草むらが生い茂って、中に立ち入ることも難しい状態になりました。それで、その近くでうろうろして虫探しをしました。
最初に見つけたのはマルツチカメムシです。この辺ではよく見かけます。
アリも探してみようと思って、道端でしゃがんで探してみました。大型のクロヤマアリはたくさんいますが、よく見ると小さなアリもいます。こちらを採集しました。2,3日前に「日本産アリ類図鑑」に載っている検索表で調べてみました。詳細は次回にでも載せますが、最初、ヤマアリ亜科だと思って検索していたら、行き詰ってしまいました。それで、亜科の検索から始めてみると、カタアリ亜科であることが分かりました。結局、ルリアリになりました。
同じアリかなと思って撮った写真だったのですが、別種でした。今度行って採集してきます。
こちらはヤマトシジミ。今頃、いっぱい飛んでいます。
溝にいっぱいハエが飛び回っています。最近、ハエも調べていないので、網を振って3匹ほど採集しました。
よく見ると、アシナガバエのようです。アシナガバエは翅脈に特徴があるので、翅脈を見ると、属くらいは推定できます。
これが採集したハエの翅脈です。このハエの特徴はM1+2脈が途中で前方に曲り、再び、翅縁方向にR4+5脈にほぼ平行に伸びています。こんな翅脈を持っているのはDolichopus属です。この属は日本ではほとんど調べられていなくて、田悟氏の「関東地方にて採集したアシナガバエ科の記録」、はなあぶ No. 30-2 (2010)とその続きの論文が参考になります。それを見ると、翅脈からはDolichopus sp. 9あたりが似ていますが、各部の説明からはちょっと違うような気がします。これについても次回に回します。
そのアシナガバエを捕獲したのはヒトリコゲチャハエトリかな。
トビケラはよく分かりません。
これもアシナガバエです。こちらはやや大型のハエです。翅脈がかなり特徴的です。先ほどの田悟氏の論文と比較すると、Sciapus属が似ています。
「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の記事で三枝氏がSciapodinaeの亜科の検索表を出されています。それによると、「後腿節のみに前亜端剛毛を生じる」がSciapus属になっています。この写真からは中腿節にはなく、後腿節にのみ亜末端剛毛があるので、Sciapus属で合っているかもしれません。
これはまたマルツチカメムシ。
これはトビハムシの仲間ですが、よく分かりません。
それにヤマトシジミ。
建物の壁でフタモンアシナガバチが巣を作り始めていました。
ついでに撮ったタヒバリ。
それにモンキチョウ。
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