奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

奈良のむし探検 アシナガバエほか

2021-04-20 18:18:01 | 奈良のむし探検
奈良のむし探検 第13弾


4月15日の午後に虫の撮影に出かけました。いつもの用水路脇の草むらが生い茂って、中に立ち入ることも難しい状態になりました。それで、その近くでうろうろして虫探しをしました。



最初に見つけたのはマルツチカメムシです。この辺ではよく見かけます。





アリも探してみようと思って、道端でしゃがんで探してみました。大型のクロヤマアリはたくさんいますが、よく見ると小さなアリもいます。こちらを採集しました。2,3日前に「日本産アリ類図鑑」に載っている検索表で調べてみました。詳細は次回にでも載せますが、最初、ヤマアリ亜科だと思って検索していたら、行き詰ってしまいました。それで、亜科の検索から始めてみると、カタアリ亜科であることが分かりました。結局、ルリアリになりました。



同じアリかなと思って撮った写真だったのですが、別種でした。今度行って採集してきます。



こちらはヤマトシジミ。今頃、いっぱい飛んでいます。





溝にいっぱいハエが飛び回っています。最近、ハエも調べていないので、網を振って3匹ほど採集しました。



よく見ると、アシナガバエのようです。アシナガバエは翅脈に特徴があるので、翅脈を見ると、属くらいは推定できます。



これが採集したハエの翅脈です。このハエの特徴はM1+2脈が途中で前方に曲り、再び、翅縁方向にR4+5脈にほぼ平行に伸びています。こんな翅脈を持っているのはDolichopus属です。この属は日本ではほとんど調べられていなくて、田悟氏の「関東地方にて採集したアシナガバエ科の記録」、はなあぶ No. 30-2 (2010)とその続きの論文が参考になります。それを見ると、翅脈からはDolichopus sp. 9あたりが似ていますが、各部の説明からはちょっと違うような気がします。これについても次回に回します。



そのアシナガバエを捕獲したのはヒトリコゲチャハエトリかな。



トビケラはよく分かりません。





これもアシナガバエです。こちらはやや大型のハエです。翅脈がかなり特徴的です。先ほどの田悟氏の論文と比較すると、Sciapus属が似ています。



一寸のハエにも五分の大和魂・改」の記事で三枝氏がSciapodinaeの亜科の検索表を出されています。それによると、「後腿節のみに前亜端剛毛を生じる」がSciapus属になっています。この写真からは中腿節にはなく、後腿節にのみ亜末端剛毛があるので、Sciapus属で合っているかもしれません。



これはまたマルツチカメムシ



これはトビハムシの仲間ですが、よく分かりません。





それにヤマトシジミ







建物の壁でフタモンアシナガバチが巣を作り始めていました。



ついでに撮ったタヒバリ



それにモンキチョウ


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