社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「生活支援の社会福祉学」 古川孝順・編 有斐閣ブックス(2007)

2008-07-21 10:17:24 | 社会福祉学
在宅医療に関する書物ばかりを読んでいたせいか、「そういえば、ソーシャルワークとは、根本的に何だったっけ?」と思い、整理をする意味でこの本を読んだ。

保健医療や障害者関連、政策、雇用など…多分野に渡って「生活を支援するための社会福祉のとらえ方」が述べられている。
ソーシャルワークの歴史、今日的な問題に対するソーシャルワークのあり方など、所謂「教科書的」ではあるが、全体的に読みやすく、頭の整理をするのには持ってこいであった。


医師や看護師による研究や実践では、「患者を疾患からのみ見るのではなく、疾患を持つ人である…という視点から見るべきだ」と語られることが多くなった。
一方社会福祉(ソーシャルワーク含む)は、「生活をしていく上で、何らかの問題を抱えている人に対して、生活がしやすくなるように問題の解決を支援したり、何らかの働きかけをする」ということが、整理できた。

すなわち…医療者とソーシャルワーカーは、そもそも、ひとを捉える出発点が異なっている。ソーシャルワーカーは、あえて「生活者としてその人を見ていこう」と言わなくても、「ひと」として見ることから出発し、疾患や障害、雇用、金銭などの問題は、その「ひと」についてくる「付加的なもの」ととらえている。それゆえに保健医療の場で、ソーシャルワーカーがいることの意味は、そこにある!と自分なりに改めて整理ができた。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「家庭医の現状と展望 ・家... | トップ | ホームビジティング 訪問型... »

コメントを投稿

社会福祉学」カテゴリの最新記事