社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

アンケートによる緩和ケア病棟承認施設におけるソーシャルワーカーの実態調査

2008-10-20 22:19:44 | 社会福祉学
 正司明美 【日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団】2001年度調査研究報告

ホスピス・緩和ケアのおけるMSW業務のガイドライン作成をめざして、MSWの実態調査を把握することを目的としている。

MSWへのアンケート調査と同時に、緩和ケア病棟責任者によるMSW業務への認識についての調査も実施している。
その結果から「MSW不在の理由については、人件費など病院の方針」が多かった。「MSWの専門性や資格について明確にしなければ、配置はすすまないのではないか」という指摘もあった。


在宅医療では「緩和ケア」は提供される医療サービスの一つであり、特化している診療所もあれば、「ワン・オブ・ゼム」的な診療所もあるだろう。

一方で、「緩和ケア」の定義そのものを、「終末期」とイコールにせず、「様々な専門家やボランティアがチームを組み、自力だけでは自立(自律)することや、自分の尊厳を守ることが難しくなってしまった人々の、自立(自律)を支え尊厳を守り、共に生きること」(山崎章郎)とする人もいる。
在宅で展開されている医療サービスについて考えると、山崎氏の定義する「緩和ケア」が、私としてはとてもしっくりとくる。

この論文で明らかになったSWの実態は、必ずしも緩和ケア承認施設に限られたものではなく、広く医療機関におけるSWに通じるものがあるだろう。
いわゆる「在宅ホスピス」でのSWの実態は明らかにされていないが、「在宅療養支援診療所」に所属している以上、「看取りケア」や「死後のケア」は必須の業務であるハズだ。
それらはどのような位置づけとなっているのだろう?看護師の役割?医師の役割?
誰が担っていてもいいが、必要としている人たちを見逃してはいけないと思う。
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