『社会福祉学』第50巻第2号 2009
首都圏在住の在宅重度心身障害児の母親に対する調査を通じ、生活困難の構造と関連要因を明らかにしている。
本研究は、障害者自立支援法施行以前の調査であり、今後は施行後の調査を実施することを踏まえ、その比較検討をも前提としている。
引用
①重症児の家族が抱える困難事⇒「専門職とのコミュニケーションの困難」…今日の重症児は医療依存度が高い児が増え、医療専門職との関わりも増え、医療専門職との関係に介護家族が苦心していることがうかがえる。
②介護家族(本研究では母親)が感じる「生活の制限」・・・ただ単なる生活の不便の経験にとどまらず、それが蓄積することによって自己の喪失につながる可能性がある。
③医学的管理の必要性が高い児の家族に、ケアによる心身の負担が高く経験されていることから、医療的ケアをどのようにケアサービスのかなに位置付けるかは今後の重大な問題である。(中略)医療的ケアを家庭で常時必要としている重症児は増加しているが、利用できるケアサービスが非常に不足している。
④専門職のサポートはいずれの生活困難に対しても効果を発揮せず、むしろ専門職や専門機関とのコミュニケーションが困難事として挙げられている。
引用④は、援助する側にとっては「苦しい意見」である。能力の不足か、人材の不足か…そう感じさせてしまう要因は多くあるだろう。
しかし筆者も指摘しているように、医療が進歩しているのだから、それと同じくらいにケアも充実させるべきであり、「医療の進歩=家族の負担・苦悩」だけであってはならない。
小児は在宅福祉の資源が不足していると、多くの実践家が指摘している。「親が育児をするのが当たり前」ではあるが、親の支援をするのも「地域が担う育児」のひとつであろう。
障害児を生むことだけで自分を責める親がいる。それは、そう思わせてしまう社会の雰囲気・風潮…もあるだろう。
ここで、学生時代の恩師の言葉を思い出した。
自分で歩くことができない、多くの人が用いている「ことば」をうまく使いこなせない、そんな「障害」と呼ばれているものが、「目が悪いから眼鏡をしている」のと同じレベルに感じられる社会であって欲しい。
首都圏在住の在宅重度心身障害児の母親に対する調査を通じ、生活困難の構造と関連要因を明らかにしている。
本研究は、障害者自立支援法施行以前の調査であり、今後は施行後の調査を実施することを踏まえ、その比較検討をも前提としている。
引用
①重症児の家族が抱える困難事⇒「専門職とのコミュニケーションの困難」…今日の重症児は医療依存度が高い児が増え、医療専門職との関わりも増え、医療専門職との関係に介護家族が苦心していることがうかがえる。
②介護家族(本研究では母親)が感じる「生活の制限」・・・ただ単なる生活の不便の経験にとどまらず、それが蓄積することによって自己の喪失につながる可能性がある。
③医学的管理の必要性が高い児の家族に、ケアによる心身の負担が高く経験されていることから、医療的ケアをどのようにケアサービスのかなに位置付けるかは今後の重大な問題である。(中略)医療的ケアを家庭で常時必要としている重症児は増加しているが、利用できるケアサービスが非常に不足している。
④専門職のサポートはいずれの生活困難に対しても効果を発揮せず、むしろ専門職や専門機関とのコミュニケーションが困難事として挙げられている。
引用④は、援助する側にとっては「苦しい意見」である。能力の不足か、人材の不足か…そう感じさせてしまう要因は多くあるだろう。
しかし筆者も指摘しているように、医療が進歩しているのだから、それと同じくらいにケアも充実させるべきであり、「医療の進歩=家族の負担・苦悩」だけであってはならない。
小児は在宅福祉の資源が不足していると、多くの実践家が指摘している。「親が育児をするのが当たり前」ではあるが、親の支援をするのも「地域が担う育児」のひとつであろう。
障害児を生むことだけで自分を責める親がいる。それは、そう思わせてしまう社会の雰囲気・風潮…もあるだろう。
ここで、学生時代の恩師の言葉を思い出した。
自分で歩くことができない、多くの人が用いている「ことば」をうまく使いこなせない、そんな「障害」と呼ばれているものが、「目が悪いから眼鏡をしている」のと同じレベルに感じられる社会であって欲しい。
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