【はじめに】
今年度の大学受験よりセンター試験が廃され、「大学入試共通テスト」がスタートすることは皆さんご存知かと思います。
しかし、その実態や対策についての情報は、まだまだ不足している段階にあるのが現状でしょう。
コロナウイルスの流行に伴う学校の休講期間のいまは、受験生の皆さまや将来の受験生の皆様に、
進路や受験についてじっくりと考えていただくのに丁度良い機会だと思い、これから数回に分けて
大学入試共通テストについての基礎的な情報や対策について連載していきたいと思います。
できるだけ簡潔に要点をまとめて、短時間で目を通していただける形にしようと思います。
詳細は後日、教室で説明会を開催する予定ですので、よろしければご参加下さい。
【vol.1 大学入試共通テストの基礎知識】
①共通テスト移行の目的
②共通テストの変更点
③共通テストで求められる力とは
④共通テストQ&A
①共通テスト移行の目的
近年、AI技術の進展、グローバル化、不透明な国際情勢など社会構造の変化が急激に起こっています。
この時代変化を背景として、これからの時代を逞しく生き抜くために必要な力・資質を身につけ、
社会に貢献する人財を育成することを目指し、大学入試に限らず小中高全体で「教育改革」が進められています。
「大学入学共通テスト」はその一部として実施されることになりました。
②共通テストの変更点
出題形式: マーク式(※記述式は見送り)
試験時間: 数学ⅠAが 70分 に (他はセンター試験と同じ)
英語の変更点: 文法・長文読解+リスニング 200点+50点 → 長文読解+リスニング 100点+100点 へ
問われる力: 旧来の「知識・技能」に加えて新たに「思考力・判断力・表現力」
③共通テストで求められる力とは(国語試行調査問題より)
「思考力」
筆者の主張や対比されている事柄などを大局的に捉えながら、本文を構造的に理解する力
「判断力」
グラフ、会話文、新聞記事など、複数の資料を相互に関連付けながら整理し、与えられた課題について、
さまざまな視点から比較・考慮する力
「表現力」
本文から理解した内容を整理し、根拠に基づいて論理的に記述できる力
※表現力をはかる記述式問題は今年度の実施は見送られました
④共通テストQ&A
Q1 試験科目は変わるのか?
A1 試験科目は、センター試験と同じです。
文部科学省の方針によると、2021年から4年間は、センター試験と同じ教科・科目です。
これは学習指導要領(高校で学ぶ内容)が変わらないためです。
つまり、問題を解くのに必要な知識については、変わらないといえます。
Q2 試験時間は変わるのか?
A2 「数学Ⅰ・数学A」は70分(センター試験は60分)です。他の科目の試験時間は変わらない予定です。
Q3 実施日程は?
A3 第一回大学入学共通テストの実施日程は2021年1月16日(土)、17日(日)で決定しています。
実施方法、出題教科・科目の詳細、時間割、試験場、出願手続き、検定料、成績提供、経費などに関しては、
2020年6月30日までに要項が公表される予定です。
Q4 センター試験と比べると、どちらが難しいのか?
A4 大学入試センターは試行調査のマーク式問題において、平均得点率を5割程度と想定して作問しています。
また、試行調査の結果は想定よりも低い結果の出た科目が多くありました。
一方でセンター試験は平均得点率を6割と想定し実施しています。
平均得点率で比較すると、現段階では「大学入学共通テスト」の方が難しいといえるでしょう。
Q5 入試形式が変わったら勉強の方法も変わるのか?
A5 入試形式が変わっても、問われる「知識」のレベルや内容は同じため基本的には変わらないと言っていいでしょう。
しかし、実用的な内容が出題されることや記述式になることなど新たに導入されるポイントを考えると、
十分な準備をするための演習時間を確保しておくことが重要です。
明日は「vol2 共通テスト成功のための基本戦略」についてを公開します。
ぜひ続けてご覧ください。