EMEの運用時には、IC-9700の周波数ドリフトにより、相手の信号がふらついて見えるという現象を目にしていましたが、送信時にどの程度ドリフトしているのか不明だったので、実験してみました。
手元にあるFT-818を受信機として用いて、ノートパソコンを接続してWSJT-Xでトレースを観測しました。送信側は、ダミーロードを接続してフルパワー(50W)で、1分間送信1分間受信のサイクルを5回繰り返しました。1)外部同期無し、2)外部同期あり、3)FT-991AMの3つのケースで実験しました。
受信側でのトレースを以下に示します。
1)外部同期なし(IC-9700)
2)外部同期あり(IC-9700)
3)FT-991AM
外部同期ありにすると、ドリフト幅が小さくなり改善の傾向が見られますが、FT-991AMに比べると、周波数ドリフトしていることは一目瞭然です。送信時に周波数ドリフトするというのは、1990年以前のHF帯におけるCW通信でトーンが変化する、いわゆるチャピるという現象と同じです。きっと受信側でのデコード率に影響を与えるでしょうし、電波の質が悪いと言わざるを得ません。
FT-818は安価で超小型なリグですが、送信はいざしらず受信時の周波数ドリフトは見られませんでした。