2ヶ月ほど前の事ですが、ある市民グループのお便りに、「仕事をする」という切り口で、構造計算書偽装事件の事書いてほしいという依頼があり、その時書いた物を一部転載します。
(略)
実務では構造を担当しています。
今回の構造計算書偽装事件に関して、大変なショックを受けています。
我々構造屋は、人命や財産の保護等を目的に仕事をしています。
不謹慎な話かもしれませんが、大地震が起こった時、隣のビルは倒れても、自分が設計したビルは残ってほしいと思うのが我々構造屋です。
11年前の、阪神大震災の時も大変なショックでした。
あの時は、建築基準法や、学会等の計算規準、設計指針などを信頼して設計しているのに、今まで自分がしてきた事は何だったのか、と…
しかし、数ヵ月後の報告会で、「被害の大きな建物は、旧基準の建物で、新基準(1981年6月以降)で建てられた建物は、損傷が小さいか、又は設計ミス、施工ミスの建物であった。」との報告がされ、あの地震で、新基準の考え方が正しかったと言う事が逆に証明されたようです。この報告会を聞いて、ようやく憂鬱な日々から開放され、自信を持って仕事が出来るようになったことを今でも忘れません。
今回の事件は、いろんな意味で、さまざまな問題を提起しています。
経済至上主義の環境、審査の方法、既存建物の耐震性…。特に、構造設計者のモラルの問題は当然ですが、経済至上主義の環境(アンフェアなトレード)が、その大きな原因になっている事は確かです。
転載は以上ですが、姉歯事件による建築業界への波紋は、まだまだ続いています。
この件に関して、これからも時々書こうと思っています。
by.センター_N
(略)
実務では構造を担当しています。
今回の構造計算書偽装事件に関して、大変なショックを受けています。
我々構造屋は、人命や財産の保護等を目的に仕事をしています。
不謹慎な話かもしれませんが、大地震が起こった時、隣のビルは倒れても、自分が設計したビルは残ってほしいと思うのが我々構造屋です。
11年前の、阪神大震災の時も大変なショックでした。
あの時は、建築基準法や、学会等の計算規準、設計指針などを信頼して設計しているのに、今まで自分がしてきた事は何だったのか、と…
しかし、数ヵ月後の報告会で、「被害の大きな建物は、旧基準の建物で、新基準(1981年6月以降)で建てられた建物は、損傷が小さいか、又は設計ミス、施工ミスの建物であった。」との報告がされ、あの地震で、新基準の考え方が正しかったと言う事が逆に証明されたようです。この報告会を聞いて、ようやく憂鬱な日々から開放され、自信を持って仕事が出来るようになったことを今でも忘れません。
今回の事件は、いろんな意味で、さまざまな問題を提起しています。
経済至上主義の環境、審査の方法、既存建物の耐震性…。特に、構造設計者のモラルの問題は当然ですが、経済至上主義の環境(アンフェアなトレード)が、その大きな原因になっている事は確かです。
転載は以上ですが、姉歯事件による建築業界への波紋は、まだまだ続いています。
この件に関して、これからも時々書こうと思っています。
by.センター_N