BLOG ㈱中元建築設計事務所

建築設計・監理、構造設計、耐震診断、補償コンサルタントの仕事をしております。

建物完成!

2023年10月01日 | 建築関係

10月に入り、ようやく長い残暑も影を潜めて少しずつ秋らしい気候となってきました。

 

9月は弊社設計・監理の建物が2件竣工致しました。

福井県鯖江市内でスーパーマーケットの計画があり、先日無事建物の竣工、店舗のオープンとなりました。

完成直前の外観の様子

 

完成前の内部の様子

 

埋蔵文化財が表層直下に出土する等、予想外の難題もありましたがお施主様、施工業者様のご協力もあり無事完成に至りました。

 

もう1件は金沢市内の運送会社様の倉庫です。

残工事も少しありますが、建物については検査関係も合格致しました。

倉庫外観の様子

倉庫内部の様子

シャッター水圧解錠の消防検査の様子 

消防活動時に建物内に円滑に侵入するためにシャッターをホースの水圧で解錠できる装置です。

建物完成時には消防署によってこういった設備の検査も行われます。

今回は水圧解錠のシャッターが4箇所ありましたが全て円滑に解錠しました。

 

どちらの物件もスケジュールがタイトではありましたが、弊社としては社内で意匠・構造を対応できることでなんとか工程にも間に合わせることが叶いました。

 

関係者の皆様方におかれましても並々ならぬご尽力を頂き、ありがとうございました。


一級建築士 試験

2023年03月17日 | 建築関係

ちょうど1ヶ月前はシーズン最後の雪かきをしていた頃ですが、最近は20℃に迫る日も多くなり春への移ろいを感じる季節となってきました。

 

少し前の話にはなってしまいますが、2年前から一級建築士の試験にチャレンジしておりました。

一級建築士とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいいます。

試験は7月に学科試験。その合格者が10月の製図試験にすすめます。

令和4年度の合格率は9.9%の狭き門です。

 

私自身文系出身なので、建築と触れるのは社会人になってから。

最初は柱と梁の違いすらわからないド素人からのスタートでしたが二級建築士合格を経て、休日は資格学校に通いながら毎日勉強をしておりました。

おととしの試験は学科試験のマークミスで1点足りず、不合格。

この悔しさを晴らすために2年目の昨年は更に猛勉強し、念願かなって学科試験と製図試験を合格しました。

学科試験の際の教材たち

合格通知

 

一番辛かったのはプライベートがほぼ皆無だったので4歳の娘と遊べなかったこと。

逆に楽しかったのは学校に通って同じ目標に向かう仲間と多く出会えたこと。

 

なんにせよ足掛け2年、家族、職場、学校、様々な方々のサポートがあってこその合格で感謝しかありません。

 

再来週には交付式があり晴れて一級建築士となります。

実務はまだまだ未熟ですが、自覚責任をもって日々精進していきたいと思います。


大手町洋館 見学

2021年12月09日 | 建築関係
冬らしい天気が続いていた中で、今日は久しぶりに気温も高く快晴の一日となっています。

本日は石川県中小企業家同友会のグループ会があり、会員企業の株式会社長坂組様が改修工事を担当された大手町洋館の見学会に参加しました。
長坂慎太郎社長に直接建物の内部を案内いただきました。

大手町洋館は昭和初期に医師の自宅として建てられた木造3階建ての洋館で、今回の改修工事では外装のみの工事の為、内部はほとんどが当時のままの貴重な状態となっています。

建物に入ってすぐの応接室の様子です。

一つ一つがこだわりぬかれたとても趣のある空間です。
天井や床の仕上は一部が剥がれ落ちていますが、下地の様子が見れて設計事務所としてはとても勉強になります。

玄関横にあるステンドグラス。

騎士の盾には「1930」という数字が。こちらの建物が建てられた年代だそうです。


こちらは各部屋についている呼び鈴。                     呼び鈴を押すと、女中さんの待機する部屋にあるこの箱につながっており、呼出しするシステムだそうです。よく見ると部屋名が書いてあります。
  
当時の生活の様子が伺えます。

こちらは2階の和室の様子。

和室ではあるものの、壁は当時では珍しいであろうクロス貼りで、縁部分も丁寧にしあげてあります。
個人的にはこの部屋がかなり興味深いものでした。

今回改修された外観の様子です。
外壁は当時の色味になるべく近づけたそうです。

とても綺麗に仕上がっています。



先日の一般見学会では2日でなんと約1,000人の方が訪れたそうです。山野市長や山出前市長の姿もあったとのこと。
会社から近く、よく通る場所なので「古い洋館があるな」という認識で気になってはいましたが、今回内部を見ることができとても貴重な体験となりました。
同友会の皆さま、長坂社長ありがとうございました。

石川県中小企業家同友会:http://ishikawa.doyu.jp/
㈱長坂組:http://www.nagasakagumi.co.jp/

鉄骨製品検査

2021年10月26日 | 建築関係
金木犀のいい香りが街中のいたるところで漂ってきます。
事務所のお隣の家の金木犀もここ数日で一気に香りが増しました。
花壇の南天も赤い実をつけ、どうだんつつじの葉も赤く色づき始めました。
すっかり季節は秋へと移り変わっています。


さて先週金曜日に某店舗増改修工事の鉄骨製品検査を実施する為、鉄工所に伺いました。

検査では先ず書類の確認を行います。
ミルシート(使用鋼材の証明書類)や事前の検査報告書類を確認します。
鉄骨にも様々な種類があり、適正な箇所に正しい部材が使われているか確認します。
その後、実際に建物に使われる鉄骨の検査を工場で行います。



鉄骨部材の寸法が設計通りの寸法かを確認している様子です。



超音波探傷検査の様子です。
探傷器で超音波を当て、鋼材の溶接部分に内部欠陥がないか調べています。


今回の検査では全て基準を満たし、製品の欠陥等もなく無事合格となりました。
合格した鋼材は現地に搬入され、順次建て方工事を行っていきます。

福祉施設が完成しました

2021年09月17日 | 建築関係
9月も中旬になり少しずつ秋の雰囲気が感じられるようになってきましたね。
今回は完成した介護老人福祉施設を紹介します。





木造平屋建て、施設中央のパブリック空間を挟んで2つずつ、
計4つのユニットが配置されています。
※ユニット:10人程度の入居者が生活するエリアの名称

2つのユニットの間には双方の入居者が利用できるウッドテラスがあり、
入居者の方、職員の方が外の自然の景色や季節の移り変わりを感じられるようになっています。

パブリック空間には入居者と地域の人が利用できる地域交流ラウンジがあります。


地域交流ラウンジ
コロナが収束して、自由に楽しく利用できるようになるといいですね。




明るく開放感のある共同生活室


日当たりのいいデッキテラス
共同生活室に面しているので気軽に外へ出られるようになっています。


白を基調とした落ち着いた雰囲気の居室



2021年10月オープン予定です。

御施主様はじめ工事に関わる関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

福祉施設 完了検査

2021年09月13日 | 建築関係
9月に入り暑さも落ち着いてきましたね。
ご無沙汰しております。

弊社が設計監理した介護老人福祉施設の自社による完了検査を行いました。

同時に消防の完了検査が行われました。
火災予防についての設備類の検査、避難ルートの確認などが主な内容となります。

消防検査
スプリンクラー放水試験






自動火災報知機熱感知検査




約二時間半にわたる検査も大きな指摘もなく終了しました。

次回完成した施設を紹介したいと思います。

福祉施設 屋根葺材検査

2021年07月01日 | 建築関係
7月に入りました。
梅雨らしい蒸し暑い日が続きますね。

前回紹介した弊社設計の介護老人福祉施設の進捗です。
6月1日(火)、2日(水)建て方後状況、屋根葺材検査の状況です。

建て方後状況

内部

 
外部①


外部②

屋根葺材検査



屋根葺材の材料の確認、下葺材と張り状況

 
谷部分の板金の納まりを確認しています。

今後も定期的に報告していきます。

福祉施設 着工

2021年06月04日 | 建築関係
6月に入り、梅雨の気配が近づいてきました。
ご無沙汰しております。

弊社が設計した木造の介護老人福祉施設の工事が着工しました。
5月18日(火)建て方前、土台敷の状況です。






柱のめり込みが大きくなる箇所に取付けられている土台プレート


建物内部の独立柱に取付けられている柱脚基礎直乗り金物


強度の大きい集成材の柱・梁、等が見られます。


ボーリング調査

2018年03月09日 | 建築関係
 今年2回目、久しぶりの更新となってしまいました。

昨日は建物の計画をしているお客様の敷地のボーリング調査の立会に行きました。

前職でもボーリングデータを扱うことはありましたが、まじまじとボーリングを見るのは初めてです。



勉強のつもりで業者さんにいろいろ説明していただきました。

現在は油圧式が主流の中、手動式の機械を使い、土質の微妙な変化を感じるそうです。





この道30年のベテランの作業は素人目で見ても無駄がなく正確です。

現在では手動式を扱える職人もほとんどおらず、職人自体が少ないという状況もお聞きしました。


建設業界全体が人手不足と言われる中、こういった方々は本当に貴重だなとも感じました。



作業自体やらないと大変さはわかりませんが、設計事務所で働く者として、少しでも現場を知って職人さんの立場も考えられるような人間になりたいと思いました。


「建築都市 金沢の魅力」

2017年11月28日 | 建築関係
 今週末で11月も終わりいよいよ12月に突入です。
10年ぶりに金沢で生活しているのですが、11月の天気は関西と顕著に違うと感じております。
今日は久しぶりに気持ちのいい青空ですが、11月は雷やあられも多くどんよりした天気が続いていたので金沢で生活しているんだなーと強く思います。

3週間前くらいですが、金沢市主催の「建築都市 金沢の魅力」という五十嵐太郎氏の講演に行ってきました。
平日の夜にも関わらず多くの人が詰めかけていました。





金沢にゆかりのある建築家や建築物について現代から明治期まで幅広い時代背景のもと講演いただき、「金沢」と「建築」というものが非常に強い結びつきをもっていると感じるとても興味深い講演でした。



こちらに住むようになり、県外から友人が遊びに来てくれる機会が多くあります。
彼らの観光の目的は美味しいものを食べることはもちろんですが、21世紀美術館や鈴木大拙館などを目当てに来る友人も多くいます。


美術展や鈴木大拙を知る為に訪れる者もいますが、どちらかというと彼らはその建築物に興味があり目当てにしていました。
鼓門がフォトスポットと化している金沢駅も写真を撮る観光客で賑わっていますが、同じように建築物に興味をもっています。



金沢という街が建築と強い結びつきを持っていると感じますし、住んでいるからこそもっとその建築について知ることも大切だと感じています。

金沢には明治期の建物が多く残っていることも特徴的な点と五十嵐氏は仰っていましたが、思い返せば明治期であろう建物をいくつか思い出します。



現代建築に限らず多くの魅力的建築物が点在する金沢に住んでいるからこそ、多くのこと学び知り、身近な人たちに発信できるようになりたいと思いました。