ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

てんどん記

2021年12月25日 | 観た
12月25日(土)

男性ブランコのワンマンライブ「てんどん記」を観ました。


芸人さんの配信って、今まですゑひろがりず関係しか買ったことないんだけど、男性ブランコを今年のKOCで観て、一発で好きになっちゃった。
浦井さんの方は局番をずっと観てくれてる家臣なので、我々一般家臣からの認知度もあったんだけど、ちゃんとコント観たことなくって・・・。本当に今まで不精してちゃんと男性ブランコを知ろうとしなかった自分を叱り飛ばしたいですわ。

◎旅
腹筋を鍛えるローラーで、向こうに行って帰ることを「旅」と言う発想。すごいな。
腹筋旅行をしたんだから「おかえり」を言ってくれって言う平井さん演じる男が可愛すぎる。
と言うか、全体を通して平井さんが可愛すぎた。
ここで「祝祭の日」「てんどんさん」というワードが出て来て「てんどん記」というタイトルの秘密が分かるのかな?って雰囲気になったところで場転。

〇ひよこ
ここでは平井さんが弟、浦井さんが兄の兄弟の設定。
ここでも「魂鎮めのお祭り」というワードが出て来る。先ほどと同じく「てんどんさん」のお祭りではあるものの、ここでは怖い存在として扱われていて、先ほどの祝祭という言葉とはかけ離れてるなって感じる。
タイトルのひよこは「真正面から見たらほりょっとしてる」精神が清潔な存在として出て来る。

場転で先ほど出て来た「◎旅」の平井さんと「〇ひよこ」の浦井さんが重なって、◎の平井さんが「本日も曇天なり」、〇の浦井さんが「本日も晴天なり」のセリフを言うことで、ここは2つの世界なんかな?って暗示をさせてくる。
で、タイトルの〇と◎が天気記号であることがここで分かる仕組み。
なるほどねー。
〇は晴天の記号で、◎はくもりの記号。
この世界は常に晴天か曇天かであるらしい。

ここで若林萌さんのアニメーションのオープニングタイトルが出るんだけど、シャチとか塔とか天気図とか菓子折りもったサラリーマンとか原稿用紙とか後から思えばキーワードっぽいイラストがたくさん出て来る。
これもよく考えられてるなーって感じするわ。

◎水族記
水族館の飼育員の浦井さんと、その友達の飼育されているシャチを観に来ている平井さん。
この世界ではシャチは一頭しかいないらしい。自然にはいるけど見つかっていないというセリフで、私たちのいる世界と、似てはいるけど異世界の話なんだなって感じさせる。
シャチのトラミに恋した平井さんがとうとうシャチになってしまったという話で、トラのワード含め、山月記の雰囲気もあるなぁと。
世界観は美しく儚いのだけど、平井さんのセリフが独特で「察す、察す察す」「頭蓋内浸透」「ロマンシャチック」「パンツの布量をどれだけ減らしたらパンティになるのか考えてる」などなど、世界観が揺らぐようなワードがたくさん出て来て面白過ぎました。
シャチになった平井さんはトラミと一緒に水族館で暮らすことになり、浦井さんは水門を開けて二人(二頭)を海に逃がすんだけど、でも平井さんとトラミは水族館に戻って来て、元気に過ごしている。
この一連の物語を本にした水族記を祝祭の日の子供たちへのプレゼントにと薦めるも、誰も買ってくれなくて泣いちゃう浦井さん。

〇家族記
平井さん演じる学者先生が書き物をしていると浦井さんの大家さんが訪ねてくる。
ここでも「金銭の授受」「銭授」「沁身沁身(しみしみ)」などのパワーワード炸裂。
学者先生は子供のころから字が読めずに阿保呼ばわりされていたけど、この世界のこと、世界の端っこのその先には何があるかについて考えている。
世界に端っこがあるというセリフでもやはりここは異世界なんだなと思わされてしまう。
奥さんのテンコさんが出て行ってしまったけれど、実は大家さんの家にいることが分かって、大家さんが「今日は魂鎮めのお祭りだから一緒に行ったらいい」と言うトーンが優しくて泣ける。

◎サラリーマン
ノリオ君がベンチで時間を潰しているところにサラリーマンのサーさんがやってくる。
サーさんのキャラが可愛すぎる!平井さんの可愛さが爆発している!サーさん、好き過ぎる!!!
「息をご一緒する」「憂いを帯びているね」「差支えは滅されたよ」「アリさんに触ったお話かぁ」「謝罪の一員に加えてよ」「ゲボカスだよ」「びしょぬのを着せてさ」「腐ったジンジャーエール」と、本当に言葉の一つ一つが面白いのに切ない。
すごいなぁ。
上司に濡れ衣を着せられたノリオ君が取引先に謝罪に行こうと別れ際に「今日は祝祭の日だから一緒に飲もう」とサーさんを誘うと「ウイスキーガボ飲みしようね」と答えるサーさん。
二人が仕事終わりに楽しく飲んでる姿が想像できて、なんともホッコリ嬉しい気持ちになった。

〇夜ふかし
寝れずに何かを一生懸命に読んでいるアキオに「はよ寝ぇ」「寝ずに動いて」とたしなめるお母さん。
「ほっといて」など、キツ目に言われると扇子を持って舞ってしまうお母さん。そして「悪い子してたらてんどんさんが来る」「エビ天でしばかれる」というセリフで、やはり晴天の世界ではてんどんさんが怖い存在であることが強調される。
お母さんがアキオに読んであげる物語がこの世界についての秘密をしたためたものである雰囲気もあり。
「何もない所がありました」「何もない所にミミズのみっちゃんが生まれました」「ミミズのみっちゃんは小さな世界をチリポしました」など、怪しいキーワードが出て来る。
お母さんはこれが「世界の始まりの話」と言ってるので、やっぱりこの世界の秘密と関係がありそう。

◎曇った関心
ミカさんを待っている男性。その関心の外にいた易者がミカさんは来ないと言う。
最初はお金は要らないって言ってた易者が、お客さんが来なくてにっちもさっちもいかなくなって・・・と、泣きついて「お金くださーい」と言うんだけど、ここで「金銭の授受」「銭授」と〇家族記の学者先生と同じセリフを言うのが何かしらの伏線かな?
ミカさんの居場所を占ってやるから占いの代金50円下さいと言うと、男性に50円は安いと言われて「50円は安いんですね」と金銭の価値観をよく知らない人みたいなセリフ。
そして易者さんが塔があるというと、男性も塔の存在に初めて気付いたよう。
この塔は今まで男性の関心の外にあったから無関心の塔なのか、今、初めて塔に関心を持ったから関心の塔なのか。この辺りも難しいなぁ。
物語は急に展開していって、運命が変わりミカさんは3時間後にここにやってくると言い出す易者。但し、てんどんさんの恰好をしていなければミカさんは来ないという。
ミカさんって何者?

〇ふと思った
お祭りの音色が賑やかになっている中、2人の男性がミカさんを待っている。このミカさんはさっきのミカさん?
浦井さんがミカさんが来るのが遅いのでガツンと言おうかと提案すると、平井さんが「歯を割られる」って言うんだけど、どういう人なのミカさん?
待ってる最中、目の中のホコリが気になりだした浦井さん。そのホコリが飛び出したので追いかけ始める2人。そうこうする内に端っこに来てしまっていた2人。
端っこは禁止区域。禁止区域に来てしまったら魂鎮めの魂が鎮まらない。てんどんさんにしばかれてしまう。
逃げる2人。しかし浦井さんとはぐれてしまった平井さんは、端っこから逃げようと、壁を背にして前に歩こうとする。しかし、ふと「端っこになんで扉があるのか」と思ってしまう平井さん。ふと「いつから、何で禁止区域なのか」と思ってしまう平井さん。ふと「扉の先に何があるのか」と思ってしまう平井さん。
とうとう、扉を開けてしまう。
そこには丼の蓋のかぶりものに、エビ天を手にしたてんどんさんが立っている。驚いた平井さんは「エビ天でしばかれる!」と逃げ出してしまう。
しかしその人物はさっき易者にてんどんさんの恰好をしてミカさんを待てと言われていた男性のようだ。男性は晴れている空を見上げて驚く。
ここで2つの世界が繋がったと暗示させるアニメーション。
ミミズを咥えた鳩が飛んでいく世界は塔の中の世界と、その外の世界。そしてその更に外側にはシャチの泳ぐ海とそれを支えているカバ、それを支えるシャチ、その周りを囲むミミズと、表と裏がひっくり返ったようなイメージが湧き上がる。

トニーフランクさんが歌うエンディングソング「てんどん記」の中エンドロールが流れる。

エピローグとして、テーブルに座ったミカさんが天丼を食べている。
世界の設計図をお箸でつまむミカさんに、易者が大事なものだからと言うと、設計図が大事なんじゃなくて出来た世界が大事と言うミカさん。
2つの世界が繋がってどうなるのか易者が訊くと「おもろいに決まっとろう」と答えるミカさん。
易者がここで「人間が大変だ」ってセリフを言うことで、やっぱりさっきの易者が人間外のものであったことがハッキリする。
そして「次はまぁるいの作ろう思うわ」と言うミカさんのセリフで、この世界の創造主であることが何となくわかる。
互いの違いを認めあることで人間は進化していくというミカさんのセリフ、なかなかに重いよね。
今のこの世界が、このてんどん記を経て出来上がったものだと、暗示して幕。

コントライブと言うより、普通に1本の芝居を観たような感じでした。
次も絶対に観る!これからも男性ブランコに注目して行こう!!

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