このアツさですからね、
アイスクリームでも食べようと思って、
冷蔵庫を開けると、
扉の内側に、
卵が行儀よく二列に並んでる、
牛乳の1ℓパックがある、冷えた麦茶がある。
これ見ただけで、
「ああ、贅沢だなぁ」と感じてしまう分けですよ。
そして、腹の中で「フフッ」、
こんなことを思うとは、「昭和の年寄りだなぁ」と、ひとり苦笑い。
一日、何回も冷蔵庫を開けるたび、
一瞬に、ですが、そう云う思いが、頭の中を通り過ぎる。
いくらバナナが安くなっても、
私にとっては贅沢品だし、
たとえ鯖が千円を超えようとも、私の意識の中では大衆魚。
人には二種類あってね、
「空気が汚れた」とか、
「自然がなくなった」とか、なげき続ける人と、
私のように、
むかし、食べられなかった、
卵や牛乳やアイスクリームが食べきれないほどある、
と、そう思って、
“見るだけでも”嬉しくなる人間と・・・・・。
嬉しいついでに、
冷蔵庫の卵と牛乳で、久しぶりにミルクセーキでも作るか。
昔の映画にあったよなぁ、
未亡人となったお母さんが、子供をつれ、
久しぶりに喫茶店に入ってね、
「好きなものをたのんでいいよ」と言うわけです。
すると、子供がメニューを見て、
瞳をキラキラさせながら、
「このミルクセーキっておいしいの?」と聞くんですね。
おかあさん、娘時代を思い出しながら
「おいしいよ」と言って、注文するわけですが、
あとで、お金が足りなくなってあわてると云うシーン。
この頃は、昔のような喫茶店が珍しくなったし、
ましてや、ミルクセーキを頼む人なんてもっと少なくなってるんだろうなぁ。
いまや、絶滅危惧種でしょうね、
喫茶店のミルクセーキ。