漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

「落語家 桂枝雀の世界」 

2009年09月25日 | テレビ 映画 演芸

いくら私がヒマ人でも、
「五時間もテレビの前に座りっきり」と云うのは過去に記憶が無い。

なにしろ、午後3時から8時までの正味300分、

NHKだからコマーシャル無し、
総合テレビなら必ず間に挟む、ニュースの時間もなし、の、5時間見続け。

脇見もせずば、居眠りもせず、メシさえも後回し
それこそ、トイレにだけは立ったかな、と云う長丁場の観覧、

枝雀さんの、
「一生懸命のおしゃべりで御座います」と云う、
喋り出しに応じんとしての、「一所懸命の鑑賞」ではありました。

しかし、マァ、我ながら、よく飽きもせず、熱心に見続けたモンです。
  
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放送日  :2009年 9月23日(水)
放送時間 :午後3:00~午後8:00(300分)

「落語家 桂枝雀の世界」 

○落語演目

「軒づけ」「天神山」「かぜうどん」「上燗屋」「鉄砲勇助」
「宿替え」「こぶ弁慶」「貧乏神」「時うどん」

○語り 立川談春、

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放送された演目はどれも素晴らしい出来で、
さすがはNHK、いい映像が残っているもんだ、と感心させられました。

もう、枝雀師が亡くなって十年にもなるのですね、

私は、まだ黒髪豊かな「桂小米(こよね)」のころから、
枝雀で全国的にブレークしたころ、さらに晩年まで見たことになります。

それだけに、
最初にちょっと映った
まだ小米時代の「口入屋」が懐かしい映像でした。

後の枝雀時代と違い、
端正な芸風で、それでいて充分に笑いを取ると云う落語。

枝雀時代の落語を草書とするなら、楷書の芸です。

枝雀の落語は、テープやDVDで見ることが出来るが、
小米の落語は、今となっては滅多にお目にかかれない。

私も、ラジオを録音した古ぼけたテープがニ・三本あるだけ。

放送されたのは一部分でしたが映像ごと見るのは久し振りでした。

座談会で林家正蔵師が、
元・義兄の春風亭小朝師から聞いた話として、

「ある劇場で、
 昼席は小米時代のスタイルで一席演じて充分に聞かせ
 夜席で今度は、枝雀式の演出で演り客席を沸かしているのを見た」

それが驚きであり、感激であったと云うような内容だったそうで、

その事を、実に羨ましそうに話しておられる正蔵師が印象的でした。




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